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2020年07月26日23:38

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木曜は……

 7月の4連休、初日は映画4本。

 1本目は、Kinoシネマズみなとみらいで、
 「グレース・オブ・ゴッド」。

 これは、フランソワ・オゾン監督が、カトリック神父による児童への性的虐待事件を映画化したもの。

 妻子と共にリヨンで暮らすアレクサンドルは、幼少期の自分に性的虐待を行ったプレナ神父が、今も子供たちに聖書を教えていることを知り、過去の事件の告発を決意する。
 プレナ神父は事実を認めるが教会は、プレナ神父の処分を保留し続ける。やがて、最初は関りを拒んでいたフランソワや長年一人で傷を抱えてきたエマニュエルなど、同じく性的虐待のあった男たちの輪が徐々に広がっていく。
 信仰と告発の狭間で葛藤する一方、沈黙を破った代償として、社会や家族との軋轢とも戦いを強いられる彼らは……

 これは、フィクションではなく、事実に基づき、カトリック教会を告発する社会派映画で、フランソワ・オゾン監督にしては珍しい指向の作品となっている。
 奇抜な演出を抑え、アレクサンドルと教会側との手紙のやり取りをモノローグのように使って話を進めて行く、オーソドックスな進め方には、フランソワ・オゾン監督らしからぬような感じを受けたが、中盤以降、フランソワ、そしてエマニュエルと中心となる人物を換えて、群像劇のように仕立て上げて行く展開にはらしさを感じた。

 また、作中、「アメリカのボストンでも同様の問題が……」と言うのは、映画「スポットライト」が描いたあれの事だな、と……

 気になったのは、視点が被害者側に偏っている事で、群像劇でありならがも教会側の描写が希薄……罪を認めながらも罰を拒む神父と教会を掘り下げ、神に仕える立場と信仰心と、己の犯した罪の重さをどのようにバランスさせているのかを描いて欲しかったように思う。


 2本目だが、1本目の後、35分しかない……電車だとギリギリ、むしろ歩いた方が早い、と判断して歩き出すが、幸運な事に桜木町に行く前、みなとみらいでタクシーがつかまり、シネマジャック&ベティまで余裕を持って行く事が出来た。

 そして、シネマジャックj&ベティで、本日の2本目、
 「お名前はアドルフ?」。
 これは、欧州で話題となった舞台劇「名前」を映画化したドイツ映画。

 文学教授のステファンと、妻エリザベスの夫妻が、エリザベスの弟で、実業家のトーマス夫妻と、幼馴染の音楽家レネを自宅に招いてディナーを共にする事になった。
 そこで、トーマスが生まれて来る子供の名前を“アドルフ”にすると告げた事から、思わぬ騒動となってしまい……

 これは日本ではなかなか観る機会の少ないドイツのコメディ映画。元の舞台劇の知名度も高くはないのだが、とにかくタイトルに「ヒトラー」と入ればドイツ映画は公開される、と言うのも変な風潮だ。(ま、本作では姓のヒトラーではなく名のアドルフの方だが) 
 映画としては、舞台劇を元にするだけに、ほぼステファンの家内だけで展開するワンシチュエイションの会話劇。
 子供の名付け問題を入り口に始まった口論が発展、すれ違いに行き違い、その中で思わず漏れた本音がまた火を点けてしまい……と言う展開は会話劇としては手堅い作り。同様にディナーの場での何気ないひと言が波乱を呼ぶ会話劇「おとなの事情」の様に、最後は風呂敷の畳みようがなくなって、「なかったこと」としてまとめるような破綻もなく、最後には、ちゃんとオチもついた大団円を迎える。その中に、ドイツ人のインテリらしい理詰めの論戦があったかと思えば、爆弾のつもりで投げ込んだネタが不発に終わって、肩すかしを食わされるなどもあって、確かに面白い。
 ただ、それ故に小さくまとまってしまった感もあるのだけど……


 本日3本目は、ブルク13に移動して、
 「グランド・ジャーニー」。

 これは、鳥類愛好家のクリスチャン・ムレクの実話を、本人の脚本で映画化したもの。
 クリスチャン・ムレク自身が鳥たちの飼育と空撮を担当、臨場感あふれる空の旅は、実際に野鳥たちと空を飛んで撮影している。

 フランスのカマルグの博物館で学芸員として渡り鳥である雁の研究をしているクリスチャンは、超軽量飛行機を使って、絶滅に瀕した雁に安全な飛行ルートを教え、個体数を増やすと言うプロジェクトを企画していた。
 ゲームに熱中する思春期の息子トマにとって、そんな変わり者の父親と大自然の中で過ごすバカンスは悪夢でしかなかった。湿地に囲まれ、Wi-Fiもつながらない別荘で、暇を持て余したトマは、そのプロジェクトに協力することになる。こうして、父子と渡り鳥たちとの冒険が始まった……

 クリスチャン・ムレクは、2001年の映画「WATARIDORI」の製作にも携わり、鳥と共に飛び、渡りを教え、共に旅すると言う取り組みを実際に進めて来た人物。
 この映画は、そのムレクの取り組みを再現するのではなく、少年の成長と家族の再生を重ね合わせて描くドラマとして仕立て上げている。
 ゲームばかりしていた生白い少年が、ひな鳥の”親”となり、共に成長し、冒険の旅へ出発する……そんなトマを支える為に、離婚していた両親が再び協力するようになって復縁する、と言うのはドラマを作り過ぎているのではないか?そして、少年が、渡り鳥と共に旅をする、と言う”物語”が社会を動かして行く、と言う部分もあるのだが、それを仕掛けた女性記者を含め、全体的に尺不足、説明不足に感じてしまうのは、そんな物語に、あれこれと詰め込み過ぎているように思う。
   
 確かに、渡り鳥と共に飛ぶのを撮った所で、それは「WATARIDORI」を始めとするネイチャードキュメンタリーで観られており、今さら新鮮味はない、と思われたのかも知れないけれど……私自身、最も感動したのは、本作の為に作られたドラマよりも、生の営みの為。ひたむきに飛ぶ鳥たちの姿。
 クリスチャン・ムレクは。もっと自分の愛する鳥たちの力を信じてもよかったのではないだろうか?


 本日4本目、またしても劇場を移動。次はイオンシネマみなとみらいだ。
 フォト
 お、屋形船。
 フォト
 ロープウェイも建築中。

 映画は、
 「ライド・ライク・ア・ガール」。

 これは、オーストラリアの実在の女性騎手ミシェル・ペインの半生を映画化したもの。
 「ミュリエルの結婚」の女優、レイチェル・グリフィスによる初の長編映画監督作品となる。
 
 ペイン家の10人兄弟の末娘として生まれたミシェル・ペインは、生後半年のころに交通事故で母を亡くすが、父や兄弟に囲まれて成長する。幼い頃から馬が好きでベッドよりも馬小屋で馬と共に寝起きしていたミシェルを、兄弟は“スティンキー”(臭い妹)と呼んでいた。
 調教師の父の指導で、兄弟のうち8人が騎手というペイン家だけに、ミシェルも当然のように騎手デビューを飾るが、認められるようになった矢先、落馬して頭蓋を骨折、騎手生命を左右するような大怪我に見舞われる――怪我からのカムバック後、ミシェルは運命の出会いをし、それが女性騎手では勝てないとされてきたオーストラリア競馬最高の栄誉・メルボルンカップへの道を拓いて行く……

 ミシェル・ペインを演じるのは「ハクソー・リッジ」のテリーサ・パーマー。ミシェル・ペインとは実年齢もほぼ同じで違和感はないけれど……キュートなルックスではあるものの、既に34歳。高校時代、リボンをつけた姿はちょっと厳しかったような……
 また、兄弟の中で、ダウン症の弟で、厩舎員を務めるスティービー・ペインは、よくもまぁ、馬の扱いに慣れたダウン症の役者を探し出したものだ、と思っていたが……実は、スティービー本人の出演とは。なるほど、馬の扱いが上手い訳だ。

 これは、女性騎手として初めてメルボルンカップを制したミシェル・ペインの伝記映画だが、この種の作品に必要なエピソードの絞り込みのバランスが悪いように思える。
 確かに、怪我ならのリハビリでは、ミシェルは自分の足で歩くより先に馬に乗っていた、と言うエピソードを残して思いっ切りカットと言うのは悪くないとしても、怪我の後の戦績を「3200騎乗、306勝、7回落馬」とテロップで流してしまうのは如何なものか……映画の描写では、大怪我からのリハビリ直後に運命の馬と巡り会ったように見えてしまう――注意深く観ればミシェルのクルマが変わるなどで時間経過を表わしてはいるのが判るのだけど。
 
 レースシーンも疾走感や、勝負所を巡る駆け引きの描写も今ひとつで……本作はむしろ「レースで重要なのは忍耐。耐えていればきっと道は開ける」と言う父の言葉に、女性が社会で活躍する為の気構えを重ね合わせた、女性が“ガラスの天井”を破る映画、と観た方がいいのかも知れない。
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