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2020年07月25日23:23

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19日は……

 19日の日曜は、映画2本。

 1本目は、
 「ブリッド=マリーの幸せなひとりだち」。
 これは、F・バックマンの小説「ブリット=マリーはここにいた」を映画化したもの。

 スウェーデンに住む63歳の専業主婦ブリット=マリーは結婚して40年、家事を完璧にこなす日々を続け、夢も、やりたい事も封印し、いつしか笑顔を忘れていた。
 ある日、夫が発作で倒れたと知らされ病院に駆けつけたブリット=マリーは夫の愛人と鉢合わせ。ショックを受けたブリッド=マリーはスーツケースひとつで家を飛び出してしまう。
 やっと見つけた仕事は、小さな町の荒れ果てたユースセンターの管理人で、いつのまにか子供たちの弱小サッカーチームのコーチまで任されることになって……

 これは、何時からでも、何処からでも人生をやり直せる、と言う物語。
 サッカーを知らない高齢女性が、田舎町の子供たちのサッカーチームのコーチに就任するという、場違いな展開にはやや面食らうが、そんな思わぬ出会いが人生を変える転機になる、と言うのは面白い。出来れば、そうした思わぬ出会いが生む思わぬ反応が出て来るとよかったように思うのだが……
 テンポよく進む物語は娯楽作品としてツボを押さえたものではあるが、その分、盛り上がりが平板に感じられ、最後の子供たちの試合の盛り上がりが今イチに感じてしまった。

 最後、ユースセンターに残されたブリット=マリーらしからぬ落書き――原題でもある「ブリッド=マリーはここにいた」を活かすには邦題もその通りでよかったんんじゃないかなぁ……

 2本目は、
 「パブリック 図書館の奇跡」。
 これは、本作の監督兼主演のエミリオ・エステヴェスがある新聞記事に着想を得たヒューマンドラマ。

 オハイオ州シンシナティ。公共図書館の司書スチュアートは、図書館の常連であるホームレスたちから「今夜は帰らない。ここを占拠する」と告げられる。
 大寒波の影響でホームレスが路上で凍死しているのに、市の緊急シェルターがいっぱいで行き場がないというのだ。スチュアートは成り行きで約70人のホームレスと共に、図書館の3階に立てこもることになる。
 それはシェルターの確保を求める平和的なデモだったが、市長選出馬のため政治的なイメージアップを目論む検察官の偏った主張や、メディアのセンセーショナルな報道によって大事件に発展してしまい……

 これは、公共の福祉と言うものを考えさせられる、現在、語るべきテーマを持つもの、これを映画にしたエミリオ・エウテヴェスの慧眼が光る。
 「怒りの葡萄」の文章に託された弱者のやり場のない怒りと、無理解と偏見により、それを理解出来ないメディアと行政と言う図式は、現在社会の縮図と見てもいいだろう。
 弱者を「自己責任」の一言で切り捨てようとする我が国の現状から見ても、この映画が描くことは決して他人事では済まされないのだと思う。
 惜しいのは、スチュアートは、悪臭で利用者からクレームをつけられたホームレスを「追い出した」事で解雇が決まり、その一方でホームレスを「追い出さなかった」として逮捕される……と言う矛盾を、同じ検察官から突き付けられているのだけど、その理不尽さが映画内で放り出されたままの印象を受けること。この辺り、検察官にチクリとでもいいからやり返していれば、多少は留飲も下がるのだが……

 もっとも、本作が抱えるこのテーマに映画が簡単に答えを用意出来る訳もなく……それをどう決着つけるのか、と思ったら、全くの予想外の落とし所を見せる。
 ある意味、映画だからこそ出来た、これにはやられました。エミリオ・エステヴェスのセンスを感じた次第。

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