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2020年07月12日22:23

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土曜は……

 土曜は、朝イチでかかりつけのクリニックで定期検診の血液検査を受けた。
 その後に水槽の水替えを済ませ、今日は昼から映画2本。

 まず1本目は、シネマジャック&ベティで、 
 「イップ・マン 完結」。
 これは、ブルース・リーの師である詠春拳の達人イップ・マンをドニー・イェンが演じるアクションシリーズの第4弾で完結編。

 1964年、妻と死別、しかも癌を発病した事を知ったイップ・マンは、息子の留学の準備のためサンフランシスコへ渡った。 
 弟子のブルース・リーとの再会や太極拳の師匠ワンとの対立を経て、異郷アメリカで暮らす人々が厳しい現実に直面していることを知ったイップ・マンは……

 この映画、70歳のイップ・マンを、ブルース・リーがアメリカに招いた、と言う魅力的な、でも架空の設定で描く物語。
 もっとも、ドニー・イェンも既に60に近い、とは言え70歳のイップ・マンを演じるにはいささか若々しく不自然さは否めなかったが……
 ブルース・リーがアメリカの中国人コミュニティから浮いた存在であった……と言う語り口で描く導入部は面白かったが、中盤以降、アメリカでの民族差別と排斥、と言うのは現代の映画として、そしてアクション映画の背景として扱うには難しいものだ。
 カンフー(中国拳法)に対立するのは日本の空手、と言うのは「ドラゴン 怒りの鉄拳」でも描かれた定番設定ではあるが、本作ではアメリカ海兵隊がマーシャルアーツとして空手を採用、それでカンフーと対立と言う、かなり無理のある設定になってしまっている。

 アクションとしては、「トリプル・スレット」でも対カンフー戦を見せていたスコット・アドキンスがラスボス格……そして、今回は対峙する中国勢がいずれも”師匠”と呼ばれる高齢者ばかりで、やや弱い者苛めに見えてしまい、ドニー・イェンでなければ歯が立たない、と言うのが見え見えの展開となっているのも工夫がない。
 また、中華総会会長の娘が引き起こした、移民局の中国移民排斥運動が、いかにもおざなりで、いつの間にか解決していると言う物語の粗さも気になる……アクション映画だからと言って、アクションを見せれば、後はどうでもよい、と言う事ではないだろう、と思うのだが。

 この後で、川崎に移動。
 本日2本目は、TOHOシネマズ川崎で、
 「透明人間」。
 これは、「ソウ」シリーズで脚本を手掛けたのリー・ワネルが製作総指揮、監督、脚本を手掛けたサイコ・サスペンス。
 元々、ユニバーサル・スタジオの「ダーク・ユニバース」の1作としてジョニー・デップ主演で企画されていたものの、シリーズ1作目の「ザ・マミー」の不発でシリーズは終了、お蔵入りとなっていたものを、小規模ながら単体で復活させたものだとか。

 富豪で天才科学者のエイドリアンによって束縛された生活を送るセシリア。妹の手助けで脱出し、親友の警官、ジェームズの家に身を寄せて隠遁生活を送るセシリアだが、暫く後、エイドリアンは深い悲しみから手首を切って自殺し、莫大な財産の一部を彼女に遺した事を知る。
 これでもうエイドリアンに縛られる事はない、と安心する一方で、セシリアの身の回りに不可解な事が起き、彼女はエイドリアンの気配を感じるのだった。だが、そんなセシリアの言う事を周りの人々は真に受ける事なく、彼女の精神が異常を来した、と観るようになり……

 主役のセシリアを演じるのは、人気ドラマ「侍女の物語」で、アメリカでは人気のエリザベス・モス。
 演技力は高く、正気を失っている様子を表情だけで見せる辺りはさすがだが、小柄で寸胴、何事にも完璧を求めるエイドリアンがパートナーとするのに固執するように見えないのはちょっと苦しい所ではないだろうか?

 物語は、そんなエリザベス・モス演じるセシリアが精神的に追い込まれて行くのを描く前半と、その謎が解け、対峙して行く
後半に分けられるだろう。
 その冒頭部分、彼女に迫る不可解な現象が、透明人間によるものと判ってしまうのはどうかな、と……せっかく、エリザベス・モスが狂気を思わせる演技を見せているのだ、それら現象が、全て狂った彼女の妄想だ、とミスリードさせてもよかったように思い、明確なネタバレになっている「透明人間」と言う邦題はミステイクではないか、と思ったのだが、原題も「THE INVISIBLE MAN」であったか……うむむ。

 この映画が描く、透明人間は光学で実際に研究されている「光学迷彩」技術によるもので、その辺りは現代の映画らしい部分。
 その一方で、“女性だから”何を言っても信じて貰えず、主張を繰り返す程、頭がおかしいと思われて苦境に陥ると言う、「ガス燈」以来の展開は古典的――もっとも、終盤、ヒロインが自ら逆襲に転じる辺りは現代的なのだが。
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