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2020年07月12日22:21

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金曜は……

 金曜日、頭は痛いし、吐き気はするし、の体調最悪状態で目覚める。
 朝食も匂いを嗅ぐだけで吐き気がして食べられず、でもまぁ、朝食抜きで会社へ。

 でもまぁ、それでも映画には行く。

 仕事の後、TOHOシネマズ海老名で、
 「WAVES ウェイブス」。
 これは、「イット・カムズ・アット・ナイト」のトレイ・エドワード・シュルツ監督が、新進気鋭の制作会社A24で製作した映画。
 
 フロリダの高校で、成績優秀、かつレスリング部のスター選手として活躍するタイラー。だが、厳格な父ロナルドのプレッシャーに、左肩の故障を言い出せず、選手生命の危機に陥ってしまう。追い打ちをかけるように、恋人アレクシスが妊娠。狂い始めた人生の歯車に翻弄されたタイラーは、取り返しのつかない事をしてしまう……
 それ以来、タイラーの家族はバラバラになり、周囲からは非難され、息を潜めるように孤独に過ごすようになった。タイラーの妹、エミリーも、学校で孤独な日々を過ごしていたが、そんな彼女に同級生のルークが声をかけて……
 
 この映画、物語としては、前半が、ロナルドとタイラーと言う父子の物語。すれ違う想いの果ての悲劇を描き、後半はエミリーを中心とした家族の話となる。 

 そして、これは美しい映画だった。映画と言う表現を活かし、言葉だけではなく、映像と音楽で物語を紡ぐ、と言うのが素晴らしい。
 日本映画だったら、台詞で多くを説明する所だろうが、この映画の台詞は少なく、説明的なものは更に少ない……写し出される風景、光と色彩が心境を表わし、音楽が気持ちと心を代弁して行く。
 その音楽についてだが、この映画、「プレイリスト・ムービー」とも言われ、21ものアーティストの31曲もの歌が列なり、物語を綴っていく――その点では、英語が達者でないとこの作品の真価はわからないかな……物語の理解上、最小限の歌詞には字幕がつけられるものの、聞き取れない・意味を掴めない所が多いのでは、と……
 もっとも、ミュージカルと言うほど音楽は前面に出て来る感じでもなく、あくまで映画音楽としてバランスよく使われている印象……これを観ると、映画の三要素とされるスジ(脚本)、ヌケ(映像&撮影)、ドウサ(芝居)に音楽も加えるべきと思えてしまう。
 また、本作の特徴のひとつが360度スピンショット。車内など狭い空間で、人々中央にカメラを据え、視界を360度回転させる……カメラの小型化が可能とした新たな技法を効果的に使っているのも見逃せない。

 物語も悲劇で崩壊した家族の再生と言う、下手したらお涙頂戴の”感動ポルノ”になる寸前で踏み止まり、静かに心打つものにした、そのバランス感覚もいい。
 こうした完成度の高い映画、話題の映画を次々に出して来る、A24の勢いを感じる1本だ。
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