日曜、雨の予報だったが、朝は思っていたよりも天気がいい……だが、部屋でぐだぐだしているうちに雨が降り出した。
今日は昼食を家で食べ、午後、新しく出来た映画館、T−JOY横浜へ。
本日の映画、1本目は、
「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」。
これは、マンハッタンを舞台に、運命のいたずらに翻弄される男女の姿を見つめるウディ・アレン監督作。
大学生、ギャツビーと、その恋人で許嫁の大学の同級生アシュレー。
アシュレーが大学新聞の取材で、著名な映画監督のローランド・ポラードにマンハッタンでインタビューをする事になり、生粋のニューヨーカーであるギャッツビーは、アリゾナ生まれのアシュレーにNYを案内しよう、とエスコートを申し出る。
ギャッツビーは、カーライルのスイートルームを予約、週末デートを計画するのだが、アシュレーは取材先で振り回され、なかなか帰って来ず……
これはいかにもウディ・アレンらしい映画。
女好きでちょっとだらしなく、アートとクラシックが大好きなギッツビーはウディ・アレン本人の投影でしょうし、恋と浮気とすれ違い……これに殺人が絡めばウディ・アレン映画のお馴染み展開。本作は「殺し」までは行かず、すれ違いの1日を描いて終わる、と言うあっさりしたもの。
面白いは面白いし、アシュレーを演じたエル・ファニングは最近の出演作の中で最も綺麗に写ってる。
ただ、物語はスローテンポ、女性の描き方が,如何にも役割を振った、と言う感じで、その内面に踏み込もうとしないあたり、ウディ・アレンも歳をとったなぁ……、
2本目は、
「のぼる小寺さん」。
これは、ボルダリングに熱中する女子高生を描いた珈琲原作の人気コミックを「ホームレス中学生」、「ロボコン」の古厩智之監督映画化した青春ドラマ。
主演は元モーニング娘。の工藤遥。
クライミング部の小寺さんは、いつもボルダリングのことばかり考えている。ひたむきに壁にとりつき、のぼる小寺さんが気になる卓球部所属の同級生・近藤は、次第にそんな小寺さんから目が離せなくなり……
この映画だが、特筆すべきは、小寺さん役の工藤遥。
元々運動神経はよく、東映特撮ものではかなりのアクションを見せているとは言うが、映画出演が決まるまでボルダリングに取り組んだ事がない、と言うのが信じられない程、様になっている――実際、1シーン(アレの事だな、とすぐ判る)以外は、全て工藤遥本人がのぼっている、と言うのだから大したものだ。
また、校舎のベランダから教室内に戻るのにひょいっと窓から飛び込んで来るなど、身体能力の高さを随所で見せている。
物語のテーマは「見る」事……真っ直ぐで、ひたむきな小寺さんがのぼる……ボルダリングには本来、敵がいない。壁と自分だけ。自分に力がなかったら、重力に負けて落ちる、それだけの競技だ。相手は自分、だから真摯になるし、そんな小寺さんがのぼるのは人の心を動かす。
映画は、進路希望を白紙提出した4人が、小寺さんによって動機づけられ、自分の人生を歩き始める様を描く。その点では真っ当な青春映画だし、最初っから最後までブレない小寺さんを「見る」映画としては、一種のアイドル映画でもある。
「見る」のは愛情であるし、その想いが高まれば、今度は「見て」欲しくなるのが恋愛と言うもの。そして、「支える」のに「見る」必要なない、と言うラストカットには唸らされる――これは、思いの外、哲学的な物語であったのだ、と……
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