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2020年05月16日23:11

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土曜は……

 今日は、午前中に水槽の水替え。
 午後、ちょっと仕事をしてから、先日アカウントをとったNETFLIXで、
 「ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから」
 を観た。

 これは、NETFLIXオリジナルのロマコメ映画。監督は、これが15年ぶりの映画となる中国系女性監督、アリス・ウー。
 本作は非常に評判がよく、今年4月にトライベッカ映画祭でプレミア上映後、劇場公開を期待していたのですが、新型コロナウィルスの影響で、映画祭は中止、劇場公開も何時になるか判らない状況なので、やむを得ず、配信で観る事にした次第。

 田舎町の高校に通うエリーは、内向的な性格と、町には数少ない中国系と言う事で周囲と馴染めずにいた。頭脳明晰なエリーは、同級生のレポートの代行で小遣い稼ぎをしていたが、ある日、アメフト部のポールから、学校一の美少女、アスターへのラブレターの代筆を頼まれる。文学と芸術を愛するアスターに、密かに恋心を抱いていたエリーだったが、苦しい家計の為、そんな感情を押し殺して依頼を引き受けるのだった……

 この物語、高校生のロマコメではあるのだけど、人間関係が(登場人物は少ないのに)複雑。エリーは同性愛者で、アスターが好き。それを告白出来ずにいたのだけど、ラブレターの代筆で擬似的な恋愛関係になって行くと共に、ポールのひたむきさに触れる中で、ポールに好意を持つようになってしまう。そのポールは、アスターが好きなのだけど、アスターに釣り合うような男になる為、努力を続け、補欠だったアメフト部ではトップ選手となり、苦手だった文学の理解を深めていく。そんな中で、自分を変えてくれたエリーを愛してしまう。そして、アスターは、実は裕福な家の子息の許嫁となっているが、婚約者の青年は彼女の外見だけを見て、その内面を見ようとはしない。そんな日々の中で、彼女の感性とセンスを理解する、ラブレターの差出人を愛するようになる……と言う、まるで噛み合わない恋愛模様。この話、アリス・ウー監督の実体験を元にしていると言うのだが……
 そして、タイトルの“ハーフ・オブ・イット”とはプラトンの言う失われた半身のこと。これは、エリーの、そしてアスターの、“失われた半身”を求める物語、となっている。
 更に、カズオ・イシグロの「日の名残り」が、アスターの愛読書で、その内容もまた物語に効いて来るなど、哲学・文学的な引用も多くあり、台詞のひとつひとつがなかなか重い。
 それでいて、ロマコメらしく笑える部分もあり、決して理屈っぽくならずに、恋愛や人生、そして人間について考えさせるものになっているのは大したもの。「愛するとは、努力すること」と言うのは名言ではないだろうか。
 中盤以降は、3人の想いの行く末に心を揺さぶられ、あの映画へのオマージュとも言える協会でのクライマックスには言葉もなし。
 ラストシーンには思わず涙したけど、後味はすごくよかった。傑作。

 今日はあと、
 「攻殻機動隊2045」。
 今日の所は、2話まで観た。 
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