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2020年03月29日00:46

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先週の映画

 週末から、左上腕が神経痛で痛む。
 腕を上げる、動かすとじんじん痛むので……何をするにも集中出来ない。
 (映画観てるだけなら腕を体に沿って下していられるのでかなり楽)


 先週は水曜に、Kinoシネマズみなとみらいで、
 「霧の中の少女」(20:30)
 これは、イタリアの作家ドナート・カリシが自らメガホンを取り、自作を映画化したミステリー。

 霧に包まれた山麓の町、アヴェショー。クリスマス・シーズンに、1人の少女が失踪。捜査を指揮するヴォーゲル警部は、それを誘拐事件だと断定、少女の通っていた高校教諭のマルティーニに疑惑の目を向けるが……

 うーん……こんな話だとは思わなかったな。
 霧の中の混沌と混乱、正に「煙に巻かれた」ような話。


 20日の金曜は、休暇取得推進日なので、有給休暇とった。
 まずは新宿に行って、シネマカリテで、
 「21世紀の資本」。(10:30)
 これは、2013年に刊行されてベストセラーとなったトマ・ピケティの同題の経済学書を元にしたドキュメンタリー。
 過去300年の歴史と共に資本と経済の問題を、映画や小説、ポップカルチャーなどの引用によりビジュアル重視で描く。
 
 資本なんてのは、政治力によって強制的に徴収し再配分しなければ、金持ちが肥え太るだけで、市民が潤う事は絶対にない。
 1950年代のアメリカや、1960〜90年代の日本では、所得税の累進課税制度を導入し、高額所得者の税率を75%〜最大90%まで引き上げて、それを公共事業などで市民に配分し、分厚い「中産階級」を作り上げた。

 アメリカは、トリクルダウンの幻想に騙されて1980年代には新自由主義経済制度を導入、一部の富裕層に富が集中する社会となってしまった。
 そして、そんなアメリカの様子を見ながらも、日本人は平等が大好きだし、所得税や法人税に、何故か市民が反発する、と言う異常事態を招き、
 「誰もが平等に徴収される消費税こそ唯一公正な税金」
 と、大喜びで消費税を導入、金持ちを優遇して格差社会を作り出し、17〜19世紀の封建社会同様の格差社会を作り出してしまった。

 ピケティは言う。
 「問題の解決は簡単だ。累進課税制度による所得増税で、金持ちから税金として資産をむしりとればよい」
 でも、実は政治家も金持ちでないと出来ない。
 だから、そんな税制が導入される可能性はゼロ。

 なので、そんな制度が導入されるためには、戦争か恐慌、と言うカタストロフが必要、と展開する。
 勿論、そんなカタストロフが起きてしまっては困るし、期待してもいけないのだが……現在、欧米が「これは戦争だ!」と言う新型コロナウィルス拡散により、、リーマンショックを上回り、世界恐慌レベルの経済危機が迫っている……これはつまり、この格差社会が変わる、唯
一にして最大のチャンスが来ている、と言う事だ。

 2013年にベストセラーになった、
 「21世紀の資本」
 これを、今頃、映画化する事になんの意味が……と思っていたけれど、時代がそうなってしまい、ピケティの語る持論が重みを持って感じられてるようになってしまう辺り、ベストセラーになる本、ってのは、「何か持ってる」な……

 映画の後、ライオンで昼ビール。
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 何だか後ろめたい気分だが……

 そして、横浜に戻り、映画の前にちょっと時間つぶし。
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 ここかー。(謎)
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 京急ミュージアムは休館だった……残念。

 その後、Kinoシネマみなとみらいで、
 「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」 (14:50)
 これは、三島由紀夫の自決1年前、東京大学駒場キャンパスで行われた伝説の討論会に迫るドキュメンタリー。
 ナレーションを「寝ても覚めても」の東出昌大が担当。監督は「ヒーローマニア 生活」の豊島圭介。

 1969年5月13日。学生運動が激化していた東京大学駒場キャンパスの900番教室は、1000名を超える学生が「三島を論破して立ち往生させる」と盛り上がり、異様なテンションが充満していた。
 一方、三島は警察が申し出た警護も断り、その身一つで東大へと乗りこんでゆく。
 映画は、その2時間半にも及んだ討論会の内容を当時の記録映像を元に描き出して行く……
 
 これはまぁ、面白いと言えば面白い。
 ただ、これは過激な戦いではなく、知的なゲームだ。
 認知論を延々と戦わせるのは政治議論ではなく、文学論、あるいは哲学論争に近い。
 然しながら昨今の空虚な言葉のやり取りに対し、如何に理知的で豊穣な論争か……・・まぁ、それを子供っぽい、と言う事も出来るだろうけれど、かくも真摯な、理知的な若者がかつてこの国にいた事に驚かされる。


 更にもう1本、
 「ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方」
 これは、映像製作監督・カメラマンを務めてきたジョン・チェスターが、妻と共に始めた農場暮らしの日々を記録したドキュメンタリー。

 ジョンとモリーの夫妻は、保護犬だった愛犬トッドの鳴き声が原因で、ロサンゼルスのアパートを追い出される。
 料理家の妻は、本当に体にいい食べ物を作物から育てるため、夫婦で郊外へと移り住むことを決心。200エーカーもの荒れ果てた農地を買い、夫妻は理想とする農園を作ろうとするが……

 これはなんていうのはDASH村みたいな話。
 農業を「生と死の営み」と捉え、死から逃げない描写には好感がもてるものの、それでも尚、いささか綺麗ごとに描いている感じがある。
 あと、監督は、ネイチュアドキュメンタリー作家だった事もあり、動物の生態描写は秀逸だけど、人間に興味がなさそうなのが気になる部分だ。

 夜は参鶏湯……韓国料理で一番好きかも。
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 土曜は、夕方、ブルク13で、
 「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」(15:40)
 これは、「バットマン」のヴィランで、「スーサイド・スクワッド」で、抜群の存在感を見せて人気を集めた悪のヒロイン、ハーレイ・クインの活躍を描くアクション。

 天真爛漫な悪党、ハーレイ・クイン。だが、誰もが認める悪のカリスマ、ジョーカーと別れた事で後ろ盾を失った彼女に、街の悪党たちが次々に襲いかかる。更に、裏社会を牛耳るブラックマスクに命を狙われたハーレイ・クインは……

 これは賛否別れるかなぁ……アクションは激しくはないとしても、様々な工夫もあって楽しく、見応えは十分。
 ただ、製作陣の多くが女性の本作・・・女性らしい、と言うかハーレイ・クインの頭の中を描いており、脈絡もなければ整合性もなく、そこに自己正当化が入る語り口を受け入れられるかどうか、と思える。


 「一度死んでみた」 (18:10)
  これは広瀬すず主演のコメディ。監督は、auのCMを手掛けたCMディレクターの浜崎慎治で、これが初監督映画となる。

 母の死をきっかけに父親に反抗するようになった女子大生・七瀬は、インディーズのデスメタルバンドのボーカル。
 ある日、父親の計が、自身が経営する製薬会社・野畑製薬の新薬を飲み仮死状態になる。ところが、野畑製薬の買収を企むライバル会社の陰謀で火葬されそうになってしまい…… 
 
 この映画、面白いは面白いけど……監督には、この長さをまとめ切る力に欠けているように思う。
 アイデアは悪くないし、面白いシーンはあるのだけど、ギャグは滑る、クライマックスに向かうタイムサスペンスがまるで盛り上がらないなど、演出も稚拙。
 もっとも、CM畑では名を知られた監督ならでは、キャストは異様に豪華……役名すらないモブに、佐藤健やら志尊淳やら柄本時生やら西野七瀬と言う俳優を当てている――CMディレクターの浜崎慎治の初監督映画にご祝儀として顔を出しておこう、と言う事務所の忖度だろうか?そんな大人の事情が透けて見えるのにもひっかかる。
 広瀬すずはその歌唱力を含め、正に独壇場の活躍ぶりだが……まぁ、広瀬すずならこのくらいは出来て当然、とも思える。
 あと、あれって“デス・メタル”なのか、と言う疑問を覚えてしまった。


 日曜は、バイクに乗るつもりだったけど、腕の神経痛で断念。
 結局、渋谷に行って、ヒューマントラストシネマ渋谷で映画2本を観る事にした。
 だが、これも痛みで集中が出来なくて、2本目の
 「CURED キュアード」
 は、最初観ないで帰ろうか、って思ったくらいだったが……

 「ナイチンゲール」
 これは、昨年のヴェネチア国際映画祭二冠をはじめ、豪州アカデミー賞で作品賞、主演女優賞ほか6部門受賞した話題作。映画祭では試写会で咳を立つ観客続出(最大30人が出た)と言うエグい描写も話題となっている。

 19世紀のオーストラリア・タスマニア島。アイルランド人の女囚クレアは、統治する英国軍将校に減刑嘆願を出すが却下され、それどころかレイプされた挙げ句に、夫と子供を殺されてしまう。
 クレアは復讐を誓い、転属願いを出す為に司令部のある北部へ出発した将校を追う為、ガイドとしてアボリジニの青年を雇って追跡を開始するが……

 この映画、西部劇だね。
 復讐の追跡行と言うのは正にそうだし、その中で最初は差別していた先住民と和解していく、と言う構成は、まるで「荒野の誓い」のようだ。

 2本目は
 「CURED キュアード」。
 ゾンビ・ウイルスのパンデミック収束後の世界を舞台にした近未来スリラー。
 「JUNO」のエレン・ペイジが、出演とプロデューサーを兼任。監督のデヴィッド・フレインは、本作で長編映画デビューとなる。

 人間を凶暴化させる新種の病原体メイズ・ウイルスに対する治療法が発見され、秩序を取り戻したアイルランド。
 だが、ウィルス感染からの回復者に対する差別は激しく、追い詰められた回復者の集団はテロを計画して……

 これは、異色のゾンビ映画。
 普通は感染拡大のパンデミックによるパニックを描くものだが、これは、その後を描くものとなっている。
 映画としては、かなりの低予算で、その癖、いささか風呂敷を広げ過ぎているのが気になったが、まぁ、本作が初監督作品と言う事で、気合いが入り過ぎてしまったのか?

 それにしても、先日観た「21世紀の資本」もそうだったが、これもまたタイムリーすぎるだろう。
 もっとも、けしからん厨も湧かないくらい話題にもなってないのだが、それでも劇場は満席だった。


 今週は、水曜に、
 「弥生、三月 君を愛した30年」。

 今週末は、観たい映画が少ない。
 金曜は“花見”なので映画はなしとして、土曜、ムービルで
 「サーホー」
 日曜、ジャック&ベティで、
 「私は分断を許さない」
 水曜、
 「ハリエット」
 を予定。

 「人間の時間」は、5月2日からジャック&ベティで公開する事が決まったので、そこで観ようと思う。

 「ドクター・ドリトル」
 「ストーリー・オブ・マイライフ」
 など、ぼちぼち鑑賞予定の映画も公開延期が出始めた……欧米でも公開延期や映画館の閉鎖が相次いでいるし、映画製作もストップしてしまっている……さて、この先どうなることやら。

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