日曜は、午前中、CBRでひとっ走り……それにしてもシャツ1枚の上にジャケット羽織っただけで寒くないんだものなぁ、今年は暖かい。
昼飯食って一旦家に戻り、バイクを置いて、午後はブルク13で映画。
今日の映画、1本目は、
「初恋」。
これは、昨年のカンヌ映画祭の監督週間に選出されて話題となった三池崇史監督の初の恋愛映画。
期待の新人ボクサー・葛城レオ。思わぬK.O負けを喫した後、病院で診察を受けて、脳腫瘍で余命わずかと宣告されてしまう。
自暴自棄となり夜の歌舞伎町を彷徨っていた彼は、男に追われる少女に助けを求められ、追って来た男にパンチを喰らわせ、一発で気絶させてしまう。だが、その男は警官だった。モニカという少女と共にその場から逃げ出したレオは思わぬ騒動に巻き込まれていく……
この映画、職人監督としてマンガや小説の映画化が続いていた三池監督、久々のオリジナル作品。
恋愛映画、とは言っても、そこは三池監督だけに、主人公レオを巻き込むのは、欲望と憎悪渦巻くヤクザの抗争。もっとも、シリアスな裏社会の争いと言うよりはスラップスティックギャグを盛り込んだアクション・コメディ的要素を持っており、園子温の映画のような趣もある。もっとも、キメる所はキメて見せる辺りは、三池監督らしい部分だが。
主人公のレオを演じた窪田正孝は、体脂肪をヒトケタまで落としてボクサーらしい体型を作っているし、騒動の仕掛け人である若いヤクザを演じた染谷将太のオフビートなノリもいい。こんな染谷将太も久々に見るなぁ。
ヒロインのモニカを演じる小西桜子は、これが劇場映画デビューのど新人――そんな彼女をパンツ丸出しで登場させるのだから三池監督も容赦ない。
そして、特筆すべきはベッキー。実際、血塗れで下半身裸のまま、絶叫してバールを振り回すのだから、これは数年前なら考えられないだろう……あのゲス不倫騒動で、何処かリミッターが外れてしまったのだとしか思えない。
クライマックスのホームセンターでのカーアクションと、店内でのバトルロイヤルは工夫があって面白いし、死ぬつもりだったレオが希望を見た途端に震えが止まらなくなるなどの描写もいい。
ラストカットが脳天気に希望を描かないのも好印象で、これは面白い映画だった。
2本目は、
「黒い司法 0%からの奇跡」。
これは、「ショート・ターム」のデスティン・ダニエル・クレットン監督による、死刑囚たちの人権問題に取り組む黒人弁護士が、冤罪を認めさせるまでのエピソードを映画化したもの。
出演は、「クリード」のマイケル・B・ジョーダン、「ショート・ターム」でも監督と組んだブリー・ラーソン。
ハーバード大を卒業し弁護士となったブライアンは、未だ人種差別感情の強いアラバマ州で、受刑者擁護活動のため事務所を立ち上げる。
そこで、若い白人女性を殺害したとして死刑宣告を受けた黒人の被告ウォルターと出会う。その無実を確信した彼は、弁護をしたいとウォルターに申し出るが……
ブライアンを演じるのは
これは決して“奇跡の物語”などと持ち上げていいようなものではない。人間誰もが持っている人間らしく生きる権利を取り戻す、当たり前の事なのだが、それが決して安易な道程でない、と言う現実に愕然とさせられる。
そして、それは決して過去の事でも、対岸の火事でもなく、弱者が、権力により人間らしくある事を踏みにじられる、と言う事は、残念ながらこの国でも起きている事なのだ。
ただ、そんな時、権力者に立ち向う事が出来るのか、と思うと、いささか暗澹とした気持ちになるのだが……
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