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2019年10月22日00:06

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月曜は……

 月曜は、午前中にちょいと仕事。木曜の講演原稿と資料をチェックし、SDメモリーカードに落とし込む。

 午後、川崎チネチッタで映画。
 今日は、「ガリー・ボーイ」と「WALKING MAN」と言う、ラップ音楽映画を2本、だ。

 まず、1本目は、
 「ガリー・ボーイ」 
 これは、インドのラッパー、NaezyとDivineの半生を元に、スラム街で育った青年がラッパーとして成功を掴むまでを描く青春映画。
 主演は、次世代のボリウッド・スターとして期待される、「パドマーワト 女神の誕生」のランヴィール・シン。 

 ムンバイのスラムで家族と暮らす大学生ムラドは、社会に対して閉塞感と憤りを抱えていた。やがて、1人のラッパーと出会った彼は、その思いをラップで表現していく……

 ムラドを演じるランヴィール・シンは次世代スター候補と言われるものの、既に30歳を過ぎており、しかも、険しい顔立ち故、はたちそこそこの大学生には到底見えない迫力を出しているのには違和感あり。ここは、もっと若い俳優の方がよかったのではないかなぁ……

 ラップ・ミュージックはアフリカ音楽に端を発し、アメリカの被差別マイノリティで形作られたものだけど、なるほど、身分制度があり貧富の格差も大きなインドには、それと似たような土壌がある、と言う事か……
 ラップとは言え、インド人にかかれば派手なダンス・パフォーマンスにも出来るのもらしい部分だし、英語圏だけにライム(韻)も踏める。
 ただ、映画の主人公となるムラドは、スラム街育ちとは言え、親の金で大学に行ける程度には恵まれており、ラップを始めてからは様々なサポートを受けてのトントン拍子に成功の階段を上って行く辺り、格差や貧困への反発や怒りを覚えていないのではないか、と言うのが気になってしまった。
 むしろ、ムラドの恋人の医大生・サフィナの直面する苦難――結婚を強いられ、学校にも行けず、望んだ将来も絶たれる――の方が大きいのでは、と。
 また、主人公は悪友と共に、バイト代わりに自動車盗難を繰り返すのだけど、これで捕まって罰せられるのは悪友のみ……罪を友に着せてしまったようでどうにもすっきりしない――この辺り、これで警察沙汰になって、ラップ・コンテストの道を絶たれるなど、主人公をドン底に突き落としてもよかったのでは、と思ってしまった。
 
 2本目は、
 「WALKING MAN」。
 こちらは日本映画で、人気ラッパーのANARCHYが初監督を務めた半自伝的な青春音楽ドラマ。
 出演は「純平、考え直せ」の野村周平。

 川崎の工業地帯。貧しい母子家庭に育った佐巻アトムは、不用品回収と特殊清掃のアルバイトで生計を立てていた。厳しい生活の中、ラップとの出会いをきっかけに、アトムは夢に向かって歩き出す……

 こちらは日本を舞台にしたラップ・ミュージック映画だが……この映画、主人公が歌い出すまでにじっくりと時間をかけて、その貧困ぶり、そして「自己責任」と言う言葉で弱者を突き放す社会の歪みを描いて、ラップに想いを吐き出す背景としている。
 確かに、「1億総中流」のかつての日本社会では、ラップ・ミュージカルの土壌となる、差別と貧困がなく、当時のヒップホップが所詮真似事に過ぎなかったのに対し、今や、格差社会となった日本では、ラップに吐き出す怒りがある、と言う事か……

 ただ、主人公の置かれる貧困、そして暴力の溢れる街に周囲の無関心と言う状況にリアリティがなく、嘘臭く感じられてしまった――映画の舞台は川崎なのだけど、何せ、この映画を川崎で観ていたもので……
 むしろ、現在の日本でこうした物語に説得力を与えるのであれば、主人公が外国にルーツを持つようにした方がいいのではないか、と思う。

 また、これは日本映画全般に言える事なのだが、どうしても感動を演出したがり、物語が湿っぽい。
 主人公がライムするリリックも、弾ける力もなければ、お涙頂戴の幼稚なものに感じられ、最後のステージにも痛快さを感じなかったのは残念。

 チネチッタで2本観た後、横浜に移動。
 「5億円のじんせい」
 をシネマジャック&ベティで観よう、と思っていたのだが、劇場で、
 「来週からですよ」
 と言われる。

 ……あれ?
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