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2019年10月15日00:27

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日曜は……

 台風一過の晴天となった。

 そこで、会社の駐車場に置きっ放しにしてあるクルマの様子を見に行く。
 フォト
 よかった、とりあえずは無事。
 フォト
 ただ、左側のブレーキだけが真っ黄色に錆びてしまっている……風向きからすると、東向きの横殴りの雨を受け続けたせいかなぁ……?

 夕方、ららぽーと横浜で映画2本。
 1本目は、
 「空の青さを知る人よ」
 これは、「心が叫びたがってるんだ。」のクリエイターチーム、超平和バスターズの新作アニメ。

 山間の盆地に住む女子高生、相生あおいは、亡き両親の代わりに彼女を育てる姉のあかねとふたり暮らし。
 13年前、両親の事故死をきっかけにあかねは、恋人でギタリスト志望の金室慎之介と共に上京して夢を叶える事を断念、あおいの親代わりを務めて来た。
 あおいは、そんなあかねに負い目を感じ、高校卒業後はこの町を出ようと心に決めていた。そんなあおいの前に、過去から時間を超えて来た、13年前の慎之介が現われる。
 時を同じくして、町の音楽フェスティバルに招いた演歌歌手のバックバンドに金室慎之介がいた……

 これは、超平和バスターズお馴染みの秩父を舞台にした物語で、これまた非常に良質なアニメ。
 先日、「ディリリとパリの時間旅行」で、写真を元にしたリアルな背景をバックにアニメキャラクターが活躍するのに感嘆したのだが、これも同様に写真を元にした実写さながらの背景でアニメキャラクターを動かして来る、やはり日本アニメ、恐るべし。
 物語の方は、社会に出る前、学生時代の夢や理想と、30歳を過ぎて、社会に押し潰されそうになっている現実を対比させ、それでも、夢を諦める事はない、と言う真っ直ぐなメッセージ……そんな時代も遠くなってしまった初老の身にとっても、思わず胸が熱くなるメッセージには打ちのめされる。
 ただ、物語の推進力である17歳の慎之介のがむしゃらさよりも、31歳のあかねの静かな情熱とひたむきさに心動かされるのはやはり歳のせいか……そのあかねの「あおいノート」には思わず涙してしまった。

 クライマックスは、そんな慎之介のがむしゃらさが爆発。「町田くんの世界」のような唐突な展開だけど、これに違和感なく、むしろ爽快でさえあるのはアニメの魔法――まぁ、矛盾も制約もすべてブチ壊す、17歳の慎之介のエネルギーの爆発だ、あの飛躍にも納得せざるを得ないだろう。

 印象的だったのは、あかねの卒業文集の言葉。
 「井の中の蛙、大海を知らず。されど、空の青さを知る」
 山に切り取られた盆地の空を見上げ、夢は叶うと信じ続けたあかねの思いを知ったあおいの言葉、
 「空、青いな]
 で潔く切り、後はエンドロールでその後を締めくくったのも好印象。
 これは、よかった。

 2本目、
 「イエスタディ」
 これは、「トレインスポッティング」や「スラムドッグ$ミリオネア」のダニー・ボイルが、リチャード・カーティスの脚本を映画化したユニークな音楽ドラマ。
 
 売れないシンガーソングライター、ジャック。元同僚の中学教師のエリーをマネージャーにバイトをしながら音楽活動を続けていたが、一向に人気は上がらない。なんとかエリーが出演を取り付けたロックフェスでも客は入らず、さすがに音楽活動を断念しようと決めたその日、ジャックは交通事故に遭遇。昏睡状態から目を覚ますとそこは、自分以外誰一人としてザ・ビートルズを知らない世界になっていた。
 今、彼らの名曲を覚えているのは世界でたったひとり、自分だけ。ジャックはザ・ビートルズの新曲を自分の新曲として発表するが……

 これは面白いアイデアの映画。一種のパラレルワールドSFなのだけど、「ザ・ビートルズ」がいない(勿論、ジョンやポールも何処かにいるのだけど、バンドを組んで歌っていない)と言うのが秀逸。
 また、現在最も売れているシンガーのひとりであるエド・シーラン(演じるのは本人!)を登場させ、ジャックの新曲(つまり、ザ・ビートルズの名曲)に脱帽させる事で、リスペクトを示す、と言うのも判り易いし、ザ・ビートルズに多大な影響を受けたバンド、オアシスも不在となるなど、その影響をしっかり描いているのもいい。(もっとも、影響はオアシスに留まらないと思うけど)
 気になったのは、ザ・ビートルズは4人組バンドなのだけど、ジャックはソロ・シンガーなので、ザ・ビートルズの特色である、ハーモニーを活かした曲が歌えないだろう、と言う事。映画では、そうした曲は選ばないようにしていたが……

 音楽シーンはなかなか見事なものだし、ザ・ビートルズの音楽の力で、あっと言う間に注目の世界的シンガーになったジャックが、「やりたい音楽」と「売れる商品」の齟齬に閉口するとか、そもそもミュージシャンの成功とは毒杯を飲み干すようなもの、など現在の音楽マーケットに対する批判も盛り込まれている。
 しかし、この映画でもうひとつの重要な要素は、これがラブロマンスである、と言うこと。
 しかも、ジャックが恋するのはマネージャーのエリーで、演じるのはリリー・ジェームズなのだから、これに文句があろうはずがない。
 ジョン・レノンに「大事なこと」を教えられ、そして臨んだジャック最後のコンサートの告白は、エリーへの愛と、音楽への愛を表わす見事なものだった。

PS
 これを日本版リメイクするのはどうだろう?
 そうだな、ここは「サザンオールスターズがいない世界」で。
 マネージャーの名前はそのままでいい。なぜならタイトルはこれで決まりだからだ。
 「いとしのエリー」。
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