始まりのノイズ

朝
シャワーを浴びているときに

いろんな言葉が
浮かんでくる


今朝 浮かんだことば


始まりのノイズ



いまどきの人たちには
きっと馴染みがないことば


レコードに針を落とした後
オープニングのA面一曲目

イントロが始まる直前の
ジリジリってノイズ


ぼくが勝手につけたことば


もうほとんど
聴くことは無いのだろうけれど...


レコードを聴くのが
大好きだったあの頃

なかなか自分では
買うことが出来なくて

借りてきたアルバムに
初めて針を落とすとき

これから始まる
未知のステキな楽曲に

まるで宝石箱を
開ける瞬間みたいに

ドキドキ ワクワク
胸を高鳴らせた

そんな素敵な時間に
リードする


始まりのノイズ



デジタル音源が
この世に出た時

ネオンのように
クリアで煌びやかな音に

驚き 衝撃を受けたけれど

そんな驚きも当たり前となり

いつでも簡単に
好きな曲が聴ける時代に


どんなノイズでも
簡単に消し去れる

こんな時代に

きっと
あり得ないノイズ



でもね

ぼくの中ではね


いつまでも大好きな

いつも素敵な
記憶に寄り添ってる


あり得ないはずの

始まりの ノイズ



またいつか

聴けるかな