子どもの頃、私の家は食堂を営業していたからでしょうか、母親と外出してもラーメン屋という場所に入ったことはありませんでした。
しかしある時、小学校3年の時ですが、映画館の脇の小路の「札幌」というラーメン屋に入ったことがあります
おじさん1人で切り盛りする小さなお店で、なぜかここのラーメンが美味しく感じて、自分の家のラーメンをスープまで全部飲み干したことがなかったのに、生まれて初めてラーメンを残さず食べた経験でした
この店主が亡くなってお店を閉じてしまい、寂しいなと思っていたら、娘さんが継いで再開。その後、映画館の閉館に伴いまた閉店。少し離れた場所で再開して今に至ります。
しばらく転勤して足が向かず食べる機会がなかったのですが、地元の新聞で3月いっぱいで閉店という記事が目につきました
最も思い出のあるラーメンとも言えるので、今月になってから時間を作って2回食べることができました。1回は、子どもの頃に初めて食べきった醤油ラーメン、もう1回は大人になって一番気に入っている塩ラーメン天ぷら入り、としたのです
お客は私と同じ新聞記事を読んでの来店客が多いようで、皆惜しむ声ばかりですが、どこかで区切りを付けないと止められないとのことで、母親の介護に専念するようです。
明るく笑ってさよならをしたのですけど、心の中は寂しさ一杯です
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