目が覚めて寝れないので、暇潰しに小泉八雲の「むじな」という怪談を、ふなっしーを主人公にしてアレンジしてみた( *・ω・)ノ
小泉八雲のオリジナルはこちら
http://www.aozora.gr.jp/cards/000258/files/42928_15332.html
「なっしなっしー♪なっしなっしー♪」
夜遅く、ふなっしーが鼻唄まじりに帰り道を急いでいると、道端で若い女がひとり、両手で顔を覆いながら、うずくまって泣いていた。
「なし汁ブッシャー!どうしたなっしー?何で泣いてるなっしー?」
女は答えず、ただ泣き続けている。
「困っているなら相談にのるなっしー、だから話してみるなっしー」
それでもまだ泣き続ける女。
「泣いてたらわからないなっしー?打ち明けてみるなっしー」
すると、女はおもむろに立ち上がり、ふなっしーの方を振り向いた。そして顔を覆っていた手で、自分の顔をつるりと撫でた。
女の顔は、目も鼻も口もない、のっぺらぼうだった。
「顔が無くなったから泣いてたなっしー?それなら、ふなっしーが新しく顔を描いてあげるから、心配要らないなっしー!」
ふなっしーは女の顔に、目と鼻と口を手描きで描き上げた。
「これで大丈夫なっしー、もう泣かなくて良いなっしー♪」
ふなっしーは、再び鼻唄を唄いながら夜道を歩き始める。
「なっしなっしー♪人助けをしたあとは、気分が良いなっしー♪」
しばらくすると、夜泣きそばの屋台が見えてきた。
「ヒャッハー!お腹すいたなっしー!お蕎麦食べて帰るなっしー」
ふなっしーがあまりに嬉しそうなので、蕎麦屋の主が興味深そうに話しかけてくる。
「えらいご機嫌じゃないですか。何か良いことでもあったんですか?」
「ふなっしー、人助けをしてきたなっしー♪」
「へぇ、人助けですか」
ふなっしーは、のっぺらぼうの女の話を、蕎麦屋の主に話して聞かせた。
「ふなっしーが顔を描いてあげたから、女の人は喜んでたなっしー♪」
「それはよかった。ところでお客さんがその女の人に描いた顔っていうのは、こんな感じでしたかね?」
蕎麦屋の主は、自分の顔をつるりと撫でた。
すると、ふなっしーが女の顔に描いたのと、そっくりの同じ顔が現れた。
そして屋台の灯りも、ふっと消えてしまった。
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