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2015年04月21日03:50

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むじな(ふなっしーバージョン)

目が覚めて寝れないので、暇潰しに小泉八雲の「むじな」という怪談を、ふなっしーを主人公にしてアレンジしてみた( *・ω・)ノ

小泉八雲のオリジナルはこちら
http://www.aozora.gr.jp/cards/000258/files/42928_15332.html




「なっしなっしー♪なっしなっしー♪」

夜遅く、ふなっしーが鼻唄まじりに帰り道を急いでいると、道端で若い女がひとり、両手で顔を覆いながら、うずくまって泣いていた。

「なし汁ブッシャー!どうしたなっしー?何で泣いてるなっしー?」

女は答えず、ただ泣き続けている。

「困っているなら相談にのるなっしー、だから話してみるなっしー」

それでもまだ泣き続ける女。

「泣いてたらわからないなっしー?打ち明けてみるなっしー」

すると、女はおもむろに立ち上がり、ふなっしーの方を振り向いた。そして顔を覆っていた手で、自分の顔をつるりと撫でた。

女の顔は、目も鼻も口もない、のっぺらぼうだった。

「顔が無くなったから泣いてたなっしー?それなら、ふなっしーが新しく顔を描いてあげるから、心配要らないなっしー!」

ふなっしーは女の顔に、目と鼻と口を手描きで描き上げた。

「これで大丈夫なっしー、もう泣かなくて良いなっしー♪」





ふなっしーは、再び鼻唄を唄いながら夜道を歩き始める。

「なっしなっしー♪人助けをしたあとは、気分が良いなっしー♪」

しばらくすると、夜泣きそばの屋台が見えてきた。

「ヒャッハー!お腹すいたなっしー!お蕎麦食べて帰るなっしー」





ふなっしーがあまりに嬉しそうなので、蕎麦屋の主が興味深そうに話しかけてくる。

「えらいご機嫌じゃないですか。何か良いことでもあったんですか?」

「ふなっしー、人助けをしてきたなっしー♪」

「へぇ、人助けですか」

ふなっしーは、のっぺらぼうの女の話を、蕎麦屋の主に話して聞かせた。

「ふなっしーが顔を描いてあげたから、女の人は喜んでたなっしー♪」

「それはよかった。ところでお客さんがその女の人に描いた顔っていうのは、こんな感じでしたかね?」

蕎麦屋の主は、自分の顔をつるりと撫でた。
すると、ふなっしーが女の顔に描いたのと、そっくりの同じ顔が現れた。

そして屋台の灯りも、ふっと消えてしまった。


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