こんなのを作ります。

今、赤本が手元にありませんので、本文は、うろ覚えですが…


東海大医学部小論文解答例

「才能以上に運が成功失敗に影響する」と筆者は述べるが、果たして才能や運は、一義的に定義できるものであろうか。
知能指数を測るために、知能テストが使用されている。さまざまな批判があるが、仮に現行の知能テストよりも合理的なものを完成させたとしても、計測する限り、観察や実験という形式を取らざるを得ないから、潜在的な可能性を測ることはできない。すなわち、「才能」は、宿命的に予想などの思い込みでしかないのである。ところで、アイザック＝ニュートンには、飼い猫が子猫を三匹生んだときに、親猫の通り抜けられる穴の隣に、三つの小さな穴を開け、後からその必要がないと気が付いたという逸話がある。同じ人間が同時に天才でも愚者でもある例は、ありふれている。
では、「運」はどうであろうか。たとえば有力者に引き立てられることは、一般に運だとされる。だが、ろくに努力もしない下卑た人間を、いくら心地よいお世辞を並べるからといって有力者が引き立てるであろうか。人間の運というものは、宝くじを当てるなどの純然たる運と呼べるものは、ほとんど存在しない。多くは、一見、運のようににみえながら、勘や良識、情緒の安定、イマジネーションの力などの才能が大きく作用するものなのである。
この記事は、内容が掘り下げられていない、一見二項対立的な用語を安易に使ってしまったゆえに、説得力を失った論の典型だといえよう。