mixiユーザー(id:12410478)

2019年10月11日09:12

232 view

考えさせられた、吉野さんの言葉。

バズワードは実現する

https://diamond.jp/articles/-/183609

ノーベル賞を受賞した吉野彰さんのインタビューで、非常に示唆的な言葉がこれでした。

「…私が最も申し上げたかったのは、「バズワードは実現する」ということです。バズワードとは、“もっともらしく聞こえるけれど、具体的な意味や定義が曖昧なままの流行語”のようなものです。現在、世界の自動車産業で使われている「CASE」は、Connected(常時接続化)、Autonomous(自動運転化)、Shared(シェア化)、Electric(電動化)の頭文字を取ったものです。また、「MaaS」は、Mobility as a Serviceの略で、自分で自動車を所有せず、使いたいときにだけお金を払って利用するサービスを指します。いわゆるシェアリングです。

 こうしたバズワードは、実のところ分かったようで分からない(笑)。

 でも、その方向にあることは、誰でもなんとなく理解できる。ただし、その際に、今、目の前に存在するEVだけ、一定の成果を上げたリチウムイオン2次電池だけで発想するのではなく、さまざまなアプローチを考える。自らの立ち位置を超えた大きな枠の中で考えないと、議論が拡散してしまう。すでにあるものではなく、あらゆる要素技術を寄せ集めて、新しいモビリティ社会を創造していく。そうでないと、いつまでたっても正しい未来の姿が見えてこない。…」

Websterをみると、
https://www.merriam-webster.com/dictionary/buzzword

素人を感動させるための意味の乏しい流行語
などという身もふたもないことが書いてあります。

吉野さんは、
IT革命だとかAIだとかが実現していくという事実を述べているのでしょう。
その言葉の奥には、いわゆる言霊だとか、集合的な無意識だとかという意図はないと思いますが、考えさせられました。

内容がインチキ臭くて曖昧でも、一応、概念がある以上、社会全体がそちらの方向に向かうということでしょうか。

最近は、個人について、
個人と彼が向かっていく方向について
似たことことを考えます。

人は、うまくいくかどうかはともかく、宣言した方向に進みます。それを言霊などという言葉に落とし込んだら、それで終わりになります。言霊とは、背景のオカルト的なものはともかく、非常に雑な生理であり、実際は、もっと複雑な作用があると思います。

たとえば、学生が英語を使って仕事をしたいというとします。そうしたら、彼が英語が苦手でも、彼でもできるニッチが見えてくるということではないでしょうか。

ところが、達成したものを自慢したり味わい返して「おれは凄い」などと思うとしっぺ返しがあります。
昔、親族が集まったとき、確か従兄が大学に入った祝いだと思いますが、
伯母が「ウチの一族はつくづく仕合わせだ。他の不幸な一家と違う。みんなが頑張ったおかげだ。」などと言ったことがあります。
そのとき、高校生でしたが、「伯母さんは、なぜ、たとえばの話、ラッキーだ、神仏の加護だという表現を使わないのだろう。これは、何か悪いことがあるな…」と直観したことがあります。
案の定、ガンが見つかる、商売が不振になるなどの悪いことが、一族に打ち続きました。

要するに、先が見えない状況では、言葉は頼りになります。すでに勝利してしまった状況では、言葉は使ってはいけないということなのでしょう。

目の前の研究に没頭し、その結果として偶然に受賞する。
吉野さんだけではありませんが、そういう一流の自然科学者の道こそが人の道だとつくづく思いました。


■吉野さん「IT革命と生まれ育つ」=リチウムイオン電池−ノーベル化学賞
(時事通信社 - 10月09日 22:31)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=5820325
10 5

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年10月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031