1 男優の層が薄くなりました。
。
やっぱり、日本文化(の表に出たもの)は、女性がリードしているのか…と思います。
伊武雅刀さんや西島秀敏さんは、いい俳優だと思いますが…
昔の、たとえば、三船敏郎や鶴田浩二など綺羅星のようにいい男優がいた時代と比べると、寂しい感じがします。また、西島秀俊さんは、マスオのような明るい役は合わない気がします。
西島さんで一番いいと思ったのは、『休暇』の死刑囚役です。深みをもった不幸の感触がとてもよかったですが、マスオに起用されたのは、他に良い人材がいないからではないでしょうか。
2 有名な原作がある実写は、成功しません。
『雪国』で合格点を上げられるのは、吉永小百合と高橋英樹のバージョンです。
もっとも、踊子を演技によりうまく表現したというより、絶頂期の吉永小百合の魅力でしょう。
彼女にも個性がありますが、彼女を醜いとか、不潔だと思う人はおそらく一人もいないわけです。そこがポイントです。ですから、美空ひばり、馬淵晴子、山口百恵などは、落第です。「オレの踊子は、こんな女じゃなかった…」と思われて、終わりです。それぞれの女優のファンなら楽しめるでしょうが…
ヴィスコンティの『異邦人』も、失敗だと思います。
ムルソーは、カミュ研究者によると、mourir(死ぬ)が掛けられているそうですが、生きてきた来歴というものの不在、誰にでも当てはまる…というキャラクターです。私がムルソーになってもおかしくない…というところが、あの作品の真に恐ろしいところです。
ロラン=バルトの「零度のエクリチュール」。つまり、個性的な肉声を消した、誰にでも当てはまる文体(ムルソーによる一人称ナレーションの地の文)が、ムルソーの声です。
したがって、俳優を使って表現すること自体が不可能です。
…思うに、サザエさんは、登場人物の顔に個性があり、しかも、どんな家庭にも当てはまるような筋立てです。厳しいと思います…
実写「サザエさん」穴子役は小手伸也!西島秀俊と初共演
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=14&from=diary&id=5813018
ログインしてコメントを確認・投稿する