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2019年09月29日20:55

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『悪魔のようなあいつ』と、横浜メリーさん。

住んで面白い住宅地は、変化があるところでしょう。
危ない奥行きがあり、安息できる場所もあるというところです。

私のエリアも、辞書の筆頭著者(スタンダード佛和辞典、漢語林)、最高裁長官がかつて住んでいました。かと思ったら、元デリヘル嬢が、お客さんの子どもと一緒に住んでいる…座間の殺人鬼も池袋で風俗嬢のスカウトをしていたとき住んでいた…などという、いろいろなタイプの人が住む場所ですが、かつての横浜の奥行きには、敵いません。

幻の名作と言われる、
『悪魔のようなあいつ』というドラマをご存じですか?

「時の過ぎゆくままに」という沢田研二の曲が大ヒットしたから、ご存じの方もいるかと思います。
沢田研二が、不治の病に侵された、三億円事件の犯人を演じています。表向きは、クラブ歌手兼コールボーイ。男の子を買う有閑マダムは、ああいう都会(当時の横浜は、東京の何倍も都会でしょう)にしか、ふさわしくありません。

精神的に沢田研二を深く愛している一種のホモセクシャルのクラブ経営者藤竜也、若山富三郎の刑事、密入国手配師の細川俊之、ヤクザの伊東四朗、レディースの長谷直美など、綺羅星のようなキャスト。

舞台は山下町の裏通りだそうですが、危険な感じ、けだるい陰りがリアルです。

横浜には、
素晴らしい豪邸街もあります。そのほんのすぐ近くに、ドヤ街も残ります。
何と、七十年代までの横浜は、大岡川などに船上生活者がいたそうです。
また、いくつかの地域は警察権力が及ばず、その集落の長のような人に話を付けないと、刑事が立ち入れなかったそうです。

幻の名作といわれるのは、その危険な内容が祟ってか、再放送されないからです。

また、ぼくは伝説の娼婦、横浜メリーさんを見たことがあります。

ねぐらなのか、関内のビルとビルの間のようなところから、顔や手を白いドウランで塗り、ウェディングドレスのようなものを着て全身が真っ白な姿で出現しました。その瞬間、白いというより輝いているという印象が強かったです。スゴい人がいるものだ…と思いましたが、メリーさんがどういう人かについては、その後、詳しいことを知りました。

と考えると、横浜のゾクゾクする魅力は、戦争の傷跡なのかもしれません。
三億円事件も、山下町の裏通りの危険な香りも、戦争の影が見え隠れします。また、メリーさんは、米軍の将校のオンリーさんだったが、朝鮮戦争をきっかけに捨てられたから娼婦になったとか。。

『悪魔のようなあいつ』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%82%AA%E9%AD%94%E3%81%AE%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AA%E3%81%82%E3%81%84%E3%81%A4

『横浜メリー』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%81%95%E3%82%93

家族持ちには危険すぎますが、
私が独身でしたら、山下町あたりに住みたいです。
しかし、かつてのシモキタのように、住んで街を散歩するだけで、
ポエジー(poésie 詩そのものではなく、作者と読者のあわいに現象する、詩を作る原動力のようなもの。詩による現実解釈変革を望む強い感情。← 我ながらいい解釈ですw)
に満腹し、無為な時を送るかもしれません。

また、多分、そう夢想するのは、心に溜まった疲労感の裏返しかもしれませんね。。



■首都圏住みたい街ランキング トップは5年連続であの駅
(朝日新聞デジタル - 09月27日 11:22)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5804254
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