櫻は、興味深い性質を持っています。
1 根のところに伏流水などの湿気ががある。
だから、堤防に大きく茂ります。
地下水があるということは、バクテリアなどの生態系が地下まで広がっているということか、点在する桜が近くにある土地は、住宅街としていい土地です。
昔の人はそういうことが分かっていたのでしょう。高級住宅街になっている場所が多いです。
2 しかも、水はけがよくないと育たない。
土壌が粒状になって、成熟していないといけません。
少なくとも、地表に出ている枝の部分と同じ大きさだけの豊かな土壌がないと茂りません。
桜が大きく育っているということは、すぐ下が岩ではなく豊かな土壌だという証明みたいなものです。
…以前、住んでいた周辺に砂地っぽいところがありました。
埃が立つ上に、日陰には、いわゆる貧乏苔という、しもた屋によく生える苔が生えています。
そういうところに住みたくない…桜などの木がある近くに住みたいというのは、心理的な問題でしょうか。
あるいは、土壌の湿度の調整、地磁気のバランス…などを本能的に察知しているのでしょうか。
少なくとも、砂地の上のような土地で、ペットボトルの銘水を飲んでいれば事足りる…人間はそういうふうには出来ていないのでしょうね。
東京の地下水の地図がありますが、見事に中國書が説いているところと、一致します。地下水に囲まれたところがいい土地です。
地下水が背いている(カーブの外側にあたる)場所は、悪い土地です。
このいい土地というのは、住民が幸せになっている実績がある土地のことです。
私にとって桜は、土地がまだ人間を守っているということの確認のようなものです。
写真は、
松し滿さん。
桜蒸し。
道明寺生地に、海老や穴子やタケノコなどが入ったもの。
絶品ですが、潔い季節モノです。
親方は、桜が散ったら、決して作ってくれません。
松し滿
http://www.otsuka-matsusima.com/
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