梅雨冷えの嵐ながら

６月１６日（日曜）晴れ。






我がパジャマ姿が目まぐるしく変化しております。
今年の梅雨もしっちゃかめっちゃかで、蒸し暑くて夏用でも上を脱ぎたくなるくらいの日があったかとおもうと、翌日は急に冬用じゃないと風邪を引きそうなくらいの肌寒さになったり、その逆のパターンもお天気模様に気ままに織り込まれてますから、海の荒くれ男のマドロスさんたちが着るマドラスチェックのシャツのようで、って？？　あ、こんなのね

そんなんで、時に上は冬用の長袖で下は夏用のステテコ丈の薄いの、なんて組み合わせもありますから、鏡に映る己の姿を偶然見てしまうと、こりゃうかつに玄関の扉を開けられないなあっておもうのであります。

ところが、専業主夫として長く家におりますと、新聞に、宗教、畳屋、墓地の勧誘ときて（最近は休眠お宝の買い取りなんかもあります）、ヨメはん関連の保険、証券、銀行関係の訪問者もあり、それに彼女がネットで買う品の宅配便のコールが頻繁にありますから、耳の遠い小生にはドアの向こうでごにょごにょ言われても判別不能なんでつい扉を開けてしまうのです。
それがかえっていいのか、集金と宅配以外はぎょっとしたように引き下がってくれるので在宅時の主夫のユニフォームはパジャマに限るようです。

昨日の１５日（土曜）は上下とも冬用のパジャマの日でした。
それに雨が降り続くにつれて昼前にはカーディガンが要る様な肌寒さになりました。

１１時過ぎに仕事から帰ってきたヨメはんに”もう、すっかり雨男になったんじゃないのう”なんていわれても返す言葉がありません。
こないだの佐原と銚子への旅も雨に降られたし、西武球場での野球見物の帰りもそうだったし、今日は練馬文化センターでおこなわれる「厳選！ヴィルトゥオーゾシリーズvol.3 辻彩奈ヴァイオリン・リサイタル」の日だってのにねえ。
大雨雷注意報ですよ、ああた
予報じゃ開場時間の２時半頃がピークになるみたいだから、しっかり褌を締め直して、いや、しっかりお昼ご飯を食べてから向かいましょう

だとすると、安定してるけど変わり映えのしない家飯より、ふくよかで太陽のような笑顔の女性二人がふるまってくれるお昼ご飯のほうがこんな肌寒くて雨降りの日にはピッタリです。
そんなわけで、久しぶりにカフェReさんでのランチにお伺いしました。
何しろ土日だけの営業で、満席だったり哀しいことに苦手のチキンや玉ねぎが多用されてるメニューだったりすることもありますから、あっという間にひと月くらい過ぎてしまうのです。
さすがにこのお天気では予約で満席ってことは無いだろうと思ったのですが、念のため電話で席を確保してから降りしきる雨の中、大きな傘をさして野火止用水沿いにぴっちぴっちちゃぷちゃぷ歩いて行きました。
え！？
ご自宅の脇の、すぐ裏にあるお店に続く小道と隣のホテルの建築予定用地にまたがるように大きな車が止まってるし、ご自宅の駐車場にも車が強引に割り込んだように止まってますねえ
そこまでして来るか！なんてお客の奥様方のパワーに今更ながら圧倒されました。
オープンして２年半、地域の奥様方の重要な週末のコミュニティになってるとは理解してたのですが、ここのところの盛況ぶりには驚くばかりです。
入口の引き戸を開けた途端に、賑やかな笑い声が聞こえてきました。
ほおんと楽しそうですねえ。
二階に上がり、のんびり持参した本を読みながらランチプレートが出されるのを待ちます。（２０分くらいかかることもありますから、男性客はめったにみかけません）

（旦那さんが凝りに凝って、朝、料理が出来次第に写真に撮ってくれるそうで、時にご夫婦で揉めてホームページにアップするのが遅れたりするそうな）
・海老とアスパラのカツ〜新鮮グリーンサラダ添え
・天然酵母の手作りパン（一つ選択）or ライス
　（a）黒糖ナッツ （b）いちじくクルミ （ｃ）枝豆チーズベーグル
・カボチャのポタージュ
・ラタティユ
・キノコのマリネ
・モッツアレラとアボカドのサラダ
・抹茶のロールケーキ
・挽きたてハンドドリップコーヒー or ハーブティー

大満足で、たっぷりの珈琲とデザートをいつもよりのんびりと楽しんで、電車の時間が来るまで田辺聖子さんの本を読みました。
図書館に追悼コーナーがありましたので、三冊ほど借りたのです。
おせいさんとカモカのおっちゃんシリーズはヨメはんと争うように読んだもんですが、本格的な小説や古典に関する著作となると、はんなりみっしりとして奥が深く、どうにも当方のレベルが低すぎて幾度も借りては諦めたのでしたが、今度こそ隠居のプライドにかけても読破しなければ…あ、おせいさんから”まあ、そうちからいれはらんと、ほっこりぽくぽく、上方の町を散歩するように読んだらいいやん”なんて言われそうですから、なるべく寝転んで、いや、あきらめず読書百遍の気持ちで

さあてそろそろ行こうかねえと、会計（１３００円×２−割引券２００円）をヨメはんが済ませてるのを横目にして外に出たら、うぷ、横殴りの雨になってます

久米川の駅から西武新宿線に乗り、所沢で西武池袋線の急行に乗り換えたのですが、たまにしか乗らない西武池袋線の上りには毎回びっくりします。
急行がひばりが丘まで一気にノンストップでいっちゃうんですからねえ、新宿線なら田無までは各駅停車だから、それに比べたら速いこと早いこと！
さらに石神井公園で練馬に停車する各駅停車「元町・中華街」行きに乗り換えたんですが、行先にもびっくりしたけど、なんと急行と並行して走り始めたのにも驚きました
複々線なんだあ…
そうか、池袋線は色々乗り入れてるからねえ、単純無垢の西武新宿線じゃ考えられないことです。
でもワシみたいに酒好きの年寄りには新宿線のほうが安心して乗ってられるから、世の中うまくできてますなあ。
練馬の駅に着いたら、嵐のようなお天気でしたが、幸い練馬文化センターは駅の目の前でしたので助かりました。
練馬の駅には初めてきたのかもしれません。
辻彩奈さんの演奏を聴くのは二度目です。




だいぶ以前のことだけど、テレビで五嶋みどりさんの長崎での「バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」を観て聴いて、感動のあまりCDも買ってもらったことがありました。
そして、どうしても彼女の生演奏を身体全体で受け止めたくなったのであります。
それで調べたんだけど残念ながら五嶋みどりさんの演奏会は無くて、辻彩奈さんの紀尾井ホールでの全曲演奏会（１月２５日）を発見したのでありました。
で、YouTubeで彼女の演奏を探しまして、うん、これなら！！と、チケットを予約してもらったのでした。
いやいや自分で自分が信じられませんから念のため過去の日記で身体検査をしたら、なんと、昨年の１０月に念願のサラ・チャンのバイオリンコンサートが紀尾井ホールであって、その時に貰ったパンフレットの束の中に彼女のパンフレットがあったんでした
まったく、我が記憶力には油断がなりません
で、紀尾井ホールでの力強い「バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲演奏会」以来、彼女の追っかけ、ってほどじゃないけどさ、もう一度聴いてみたいなあって淡い少年のような恋心を抱いたのでした。

いやあ、佳かったです
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第六番から始まり、次の八番の二曲とも、典雅といいますか、軽やかで美しい演奏にうっとりいたしました。（何故か隣から軽やかないびきが時々聴こえてきたくらいにね）
彼女の言葉に耳を傾けるとー
「前半ベートーヴェンのソナタ２曲を選びました。ソナタ第６番と第８番は、軽やかで明るい曲想がとても気に入っており最近よく挑戦している曲目です。」
ほうほう、そうなんだ…
後半はシャコンヌを又聞くことができてうれしかったけど、それ以上にショーソンの「詩曲op.25」を初めて聴くことができたのがこの上ない喜びでした。
聴いているうちに短編の恋愛映画の中にいるような気持になってきてふわふわとしてしまいました。
辻彩奈さん、９月からパリにお勉強に行くそうだけど、きっと素敵な恋もするんだろうなあ、帰国したらさらに豊かな演奏が聴けそうで、爺は今から楽しみなような心配なような、けほけほ。
最後はフランクの「ヴァイオリン・ソナタ　イ長調FWV8」
すごい…

今、彼女は若く輝いていて、ヴァイオリンを弾くことが楽しくてしょうがないんだろうなあ、”今日は皆さんに私の「今」を聴いていただけたら幸いです。”って言葉で挨拶を結んでるのも潔く爽やかです。
次に彩奈ちゃんの「今」に逢えるのはー

あんれ、秋が深まった１１月３０日じゃないですか、パリから中途帰国して弾くのかな？
楽しみだなあ、忘れないようにしないとなあ。
…実は明日１８日にサントリーホールでおこなわれる読響の名曲シリーズで、ようやく念願のブルッフのヴァイオリン協奏曲第１番を聴くことができるはずなんですが、夫婦とも９月だと思い込んでしまっていたのです。
昨夜、何気なくチケットを確認して６月１８日だってのに気がつきましたから危ないとこでした。
セブンイレブンでチケットを受け取ることになってて、その期限が９月１８日でしたから、つい
でもねえ、ワシらもワシらだけど、演奏会の日を過ぎたチケットを誰がお金を払って手に入れるっていうんでしょうか。
１１月５日のオペラのチケット予約をしたら、やっぱり発券期限は１２月５日になってるってヨメはんが驚いてたから、いったいどういうシステムなんでしょ？
生ものじゃないから、賞味期限は考慮してません！ってことかね

オマケに、２０１５年の辻彩奈さんのモーツアルトを