2013年11月4日(月)
姜尚中『悩む力』(集英社新書2008年)を、読了。
100万部を超えたというベストセラー。
であればさぞつまらなかろう。
と思った割には、面白かった。
分けても漱石の作品の読み解き方は鋭い。
漱石の作品ではいつでも「金」というのが問題の中心にある。
「それだけ」ではないのだけれど。
「結局、すべて金なのか…」ということが、彼の作品の底流にあると。
「心」の先生は「いざという間際という意味」を問われて、
「金さ、君。金を見ると、どんな君子でも悪人になるのさ」と答える。
ここんとこを、漱石の作品の焦点のひとつとして取り出す。
そしてそれを明治という時代の宿命を語ったものだという。
もっともこの作品解釈は「渥美裕子」さんの「お力添え」によるものだと言う。
渥美裕子さんって、同僚かしら。
それとも編集者かな。
(2013年11月4日午後9時45分記)
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