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mixiユーザー(id:12251888)

2019年10月23日14:54

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謎の独立国家

2013年9月4日(火)

高野秀行『謎の独立国家ソマリランド』(2013年初版)を読了。
とにかくむちゃくちゃ面白い本だった。

「一冊通して読んだ本」が上の世界史の教科書以来。
なんとも情けない。

「文字を読む」ことをやめたわけではない。
だけど主として「何とか横文字を読むこと」に時間を費やしてしまっている。
S…と読むSaussure、「ゴルトベルク変奏曲」のライナー。
それから新聞やmixiにも。
『ソマリランド』はその合間を縫って読んだ。

「合間を縫って、日本語の軽い内容の本を読む」ことを、生活に取り入れるのもいいかもしれない。

(2013年9月5日午後8時20分記)


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コメント

  • mixiユーザー

    mixiユーザー2019年10月23日 14:55
    吉本(隆明)さんが、どこかで「書物の毒」ということを言っています。
    正確な言葉遣いは忘れちゃいました。
    ですけど要するに「書物の世界にのめりこんで現実を忘れる」。
    本に書いてあることだけが本当だと思い、自分が生きている生身の世界に疎くなる。
    と、いうような事だったと思います。

    ちょっとびっくりしました。

    吉本さんはご自身が文筆家。
    「書き言葉の喧嘩」を生業とする。
    その方が「本を読むっていうのは、良いことばっかりじゃない」と。
    そう言っているわけですから。

    私なども「書物の毒」に侵されて、生活能力の低下、社交性と協調性の欠如、引きこもり、エトセトラ、エトセトラで、人生を棒に振りつつあります。
    子供のころ、よく親に「本ばっかり読んでないで、家の手伝いをしろ、学校の勉強をしろ」と怒られました。
    それでも症状は改善せず、毒は全身に回りました。

    近ごろ症状を軽くしつつある、というか抑え込んでいるのは、
    「仕事その他による読書時間確保の困難」、
    「加齢による体力と知能の低下」、
    それに「引っ越し以来の蔵書整理の放棄」、

    などなどです。

    出勤し退勤するまでは、基本的に読書の時間にできない。
    帰宅すれば、食事やら洗濯やらの「家事」が待っている。
    入浴して、新聞を読んで。
    また、昔のように夜更かしができなくなりました。
    加齢です。
    本を読む時間はない。

    そればっかりじゃあない。

    「本を読む」ということが、
    いつの頃からか純粋な娯楽ではなくなりました。

    まず仕事のために読まねばならない、読んでおきたい本。
    これを読むのに、時間を取られるようになりました。
    授業のための、世界史・日本史関係や、政治・経済関係の本。
    これ、「まるで詰まらないけれど我慢して読んでる」というのかというと、そうでもない。
    私などが高校生くらいの時に通説だったものが、どんどんひっくり返されていく。
    それで「わあー」とか「そうだったのかあ」。
    これが痛快。
    面白い。

    ですがこういう読書は、子供の頃の読書のように純粋な娯楽かと言えば、そうではない。
    どこかで、生活のため、職業のため、というケチ臭ささが付きまといます。

    また、仕事と直接は関係しない本でも、
    「自分の勉強のため」の本が、読む本の中心になります。
    これの「読みたい」という欲望は、食欲や性欲のような、純粋な欲求ではない。
    何かを「もっと知りたい」、「分かりたい」。
    つまり「物知りになりたい」という息苦しさが混ざっています。
    こういうのは「書物の毒」がもたらす必然の症状なのか。
    それとも逆に、読書の欲望を、実生活の用途に従属させる解毒剤なのか。

    もひとつは「外国語を読みたい」という願望というか欲求があります。
    言葉というのは、それ自体が思考だ。
    「イッヒ・デンケ Ich denke」と
    「ジュ・パンス Je pense」と
    「エゴ・コギト ego cogito 」と
    「アイ・シンク I think 」と
    「われ思う」。
    これは、それぞれ違う。

    もっと複雑な哲学書や思想書の全体となれば、全然別のものになってしまう。

    だけど若い頃に勉強を怠けた。
    そのおかげで、外国語がまるで苦手。

    でもちょっとだけでも、外国語を読む機会があればしがみ付く。
    ソシュールを、友だちが「読もう」と言う。
    大歓迎で「おう、読もう読もう」。
    それで『一般言語学講義』を読み始めました。

    ですけどこういうのは、たいてい中途で挫折します。
    生半可で読み通せるはずがない。
    この「ソシュールを読む会」も、2ページが3ページ読んだところで、なんとなく立ち消えになりました。
    私はそうなるだろうと、はじめから思っていました。
    でも2、3ページだけでも、フランス語を読めてよかったなあ、とね。

    海外盤のCDのリブレットを読むことについては、いつだったかこの日記に書きました。

    そういうあれやこれやで「日本語の面白い本」を読む時間が削られるのです。

  • mixiユーザー

    mixiユーザー2019年10月23日 18:38
    それでも読んだのが、この『謎の独立国家ソマリランド』。

    この本、自腹を切って買って読んだ。
    だから、部屋のどこかにあるはずだけど。
    どこにあるのか、見つからない。
    細かいとこは、もう思い出せません。

    ソマリランドという国は、世界地図のどこを探しても出てこない。
    ですが「アフリカの角」、ソマリアの一角に存在する、
    いや、存在するはずの、
    少なくとも存在した「独立国家」です。

    ソマリアという国は「破綻国家」として有名です。
    内戦の末国家が消滅して、完全な無政府状態が支配する。
    国連平和維持活動(PKO)とか隣国のエチオピア軍とかも介入したんだけど。
    手に負えなくって、みんな撤退。

    その一角に、謎の独立国家が成立した。
    対立抗争を続けた部族集団が武装解除に成功して、安定した社会を築いている。
    それが「ソマリランド」だ。
    しかし国際社会はこれを承認しない。
    どんな「国」なんだ。
    ということです。

    ソマリ人というのは、やたら荒っぽい人たちらしい。
    「空気を読む」とか遠慮とか、奥床しさとか、そういう気風が絶対にない。
    恐ろしく口数が多い。
    ずけずけと大声で自分を主張し、何かというと喧嘩をおっぱじめる。
    やたらに物を投げる。
    食べ物だろうが何だろうが、投げてよこす。
    ただ、携帯電話。
    これだけは投げない。

    で、彼らのアイデンティティは、所属する部族で成り立っている。
    社会の基本が「部族」だ。
    自分の部族を裏切るようなことは、絶対にしない。

    「ソマリア」という統一国家をつくろう、つくらせよう。
    という試みがあったのだけど。
    出身部族が違う政治家の言うことは、誰も聞こうとしない。
    それで中央政府はあって無きがごとき。
    部族同士の武力抗争がどんどん拡大し、イスラーム主義のゲリラも暴れる。
    それがソマリア内戦。

    だけどその末に、このソマリランドでは。
    部族が長老同志の話し合いで、武装解除を合意した。
    その武装解除が、実際に行われた。
    これが奇跡。
    自分たちを守るための武装を、自分の方から差し出して捨てる。
    世界の紛争地域のどこを見ても、そういうことがまともに行われたためしはない。
    武装解除と言えば、血なまぐさい抗争の末、勝った方が負けた方の武器を取り上げる。
    それが通例。

    それで「部族の長老の話し合いで」というのがキモ。
    部族を解体して均一の「国民」をつくる。
    そうして均一の国民にもとづく「国民国家」をつくりあげる。
    これがアフリカの途上国の課題だ。
    そう思われていた。

    だけどソマリアではその試みが、ことごとく失敗した。
    そして部族を原理とした国家を、ソマリ人自身がつくりあげた。
    「西欧民主主義敗れたり」。
    という訳なのです。

    そして著者の高野さんが現地に踏み込んで出会ったソマリ人たち。
    これがどの人もメチャクチャ面白い。
    描写も生き生きしていて。

    特にモガディシュのテレビ局の支所長をやっているハムディという少女、と言ってもいい年齢の若い女性。
    これがチョー格好良くて魅力的で。
    口絵に写真が出てくるんだけど。
    美女!。

    高野さん、この娘にベタ惚れ。
    なのを隠そうともしない。

    私も読んでて、惚れたわあ揺れるハート
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2019年10月25日 21:48
    > mixiユーザー 

    だって吉本さん自身が、

    「やがていつの間にかとうとう、書き言葉で喧嘩する商売にすべり込んでいたのである」。

    そう言っているではありませんか。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2019年10月26日 18:48
    > mixiユーザー 

    「生きるうえでのどうしようもない、しがない姿」。
    私とては、まさしくそういうニュアンスを込めたつもりなんですけど。

mixiユーザー

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