210曲近くあるバッハの主要作品…神への祈りを主軸にしたカンタータ群。
器楽曲やオラトリオ、合奏曲が有名ではあるし、もっとも聴かれる作品ではあるが、カンタータを飛ばすのは余りにも勿体ない。
ただ、曲が多い…多すぎるから、普通はとっつきにくいし、その中にも出来不出来…いや私の好き嫌いはある。
私が一番好きなのは以前にも書いたことのあるBWV.106「神の時こそいと良き時」なのだが、それに勝るとも劣らないくらい好きなのがBWV.182「天の王よ、汝を迎えまつらん」である。
どちらも若き日のバッハの作品(BWV.106は1708年、BWV.182は1714年頃)であり、私はこの時期のバッハのメロディが殊の外好きなようである。
さて、長年もっとも好きな演奏はフリッツ・ヴェルナー指揮プフォルツハイム(エラ―ト原盤)の演奏で1960年前後の演奏だったと思う。
Vnとバロックフルートのデュエットによる何だかほのぼのとした雰囲気の冒頭はいつ聴いても心洗われる。
少し古い録音なのだが、その後、これといった名演を知らず、この演奏があればいいか!と思っていた。
一応、コープマンだったり、名テナーだったジェフリー・トーマス指揮の演奏等々も聴いてたのですけどね…。
BWV.106には名演が多数あるのに、こっちは少ない印象があった。
ところが昨日、独テレフンケンのダス・アルテ・ヴェルグ・シリーズのバッハ/カンタータ全集の分売2枚組BWV.180〜184を見つけ聴いてみた。
https://ml.naxos.jp/album/685738115662
長年、私のバッハに関する師匠とも思える友人等々から、このシリーズは企画は良いが演奏は今一と言われていたから手を出さなかったもの。
かつてのレオンハルト・コンソートとアーノンクールのウィーン・コンツェルトゥス・ムジクスが交代で担当しているというハイブリッド企画?というか全曲同一団体でないことも評価が低かった原因かもしれない。
しかし、初めて?ちゃんと聴いた印象は…もっと早く聴いておけば良かった…というもの。
BWV.182の担当はアーノンクールだったが、主要歌手はレオンハルトもほぼ共通。
ポール・エスウッド (カウンター・テナー)
クルト・エクヴィルツ (テノール)の上手さ、全盛期?のウィーン・コンツェルトゥス・ムジクスの合奏の素晴らしさは、ある意味ヴェルナーを上回る気がする。
うーん、我が家には一応ブリリアント盤でピーター・ヤン・ルーシンク指揮ネーデルランド・バッハ・コレギウム、オランダ少年合唱団の全集60枚組(分売)がある。
ただ、マジメにちゃんとやっているのは分かるのだけれど、録音はともかく演奏が今一。
ヴェルナーも20枚組はあるのだが、この人も出来のムラが凄まじいのと、バスのバリー・マクダニエルがひどい。
音程は外しまくるし、余りに下手すぎてフルネームを覚えてしまったほど。
テレフンケンのダス・アルテ・ヴェルグ・シリーズのバッハ/カンタータ全集60枚組がAmazonで9500円くらいで買える…ブリリアントより安い。
考えどころだ…
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