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2019年02月17日00:27

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新旧ブランデンブルク協奏曲の演奏【2】

続き

4.レオンハルト・オールスターズ(仮称)(CD:Sony Classical)
これ正式な団体名は無い。ただ、後の古楽の超大御所レオンハルト、ブリュッヘン、クイケン等々の凄腕メンバーが一同に会した奇跡のような演奏。歴史的演奏。
それまでの演奏とは、もう一線を画すスタイル。斬新極まりないアーティキュレーションは当時の私には過激すぎてついて行けなかったが、その後、色んなピリオド楽器のアンサンブルを聴くうちに普通に思えるようになってしまった。

LPはベルギーSEONで発売されたが、CD時代は当初RCAが版権を持っていたと記憶している。そして、その後、そのRCAの版権がSonyに移りSBMリマスター化されたものが、今入手できるものだ。
LPは所持していなかったが、他のリマスターを聴く限りSBMにより音質はすこぶる改善されたはず。しかも激安。買っておいて損なし。

5.クイケン指揮ラ・プティット・バンド(独Harmonia Mundi)
ある意味、レオンハルト・オールスターズ(仮称)をより進めた解釈と思える。ベルギー王室の支援を得ていたはずのラ・プティット・バンドによる名演。
独Harmonia Mundi録音の良さも光る。
この団体、日本人の寺神戸亮がコンマスを務め、バッハコレギウムジャパン(BCJ)の鈴木雅明の実弟:鈴木秀美が首席チェロを務めるなど、日本とは縁が深い。
私の印象は、先のレオンハルト・オールスターズよりもこなれているというか、滑らかですっきりした印象で、どちらを取るかと言われたら、私の好みはこちら。

6.エイジ・オブ・インライトゥンメント(英Virgin)
英国古楽の雄、古楽では先達ハノーヴァー・バンドよりも凄腕集団だと思う。
私の知っているブランデンブルク協奏曲演奏中、ラ・プティット・バンドと並ぶ最高ランク。
録音の良さはラ・プティット・バンドが勝るが、演奏はこちらの方が厚みがある印象。
私の中ではホグウッドの団体Academy Ancient of MusicよりもピノックのEnglish Consortよりもこちらが上だと思っている。

7.ボールト指揮ロンドン・フィル(英EMI)
英国の名指揮者ボールトのボックス・セットに入っていたのだが、ピリオドスタイルやレッパード等を聴いている耳には古色蒼然に思えてしまう。
ヘンデルのメサイアに関しては歴史的名演を残す名指揮者でも、当時のスタイルはこんなだったのか…という参考資料的な演奏。

8.ポンマー指揮ライプツィヒ・新バッハ・コレギウム・ムジクム(独Capriccio)
バッハ演奏について、私の師匠でもある友人が現在最高評価をしている演奏。
ただ、独特の装飾音というか、スタイルが私には合わない。古楽にしては中途半端な解釈に感じてしまう。

9.サヴァール指揮 ル・コンセール・デ・ナシオン(仏Astree)
英国・ドイツ・オランダ・ベルギー人が多い気がする古楽名手だが、このサヴァールはスペインはカタルニアの人。ある意味、カザルスの直系だが、ヴィオラ・ダ・ガンバを弾き、レパートリーがルネッサンス〜バロックというのが変わっている。
その昔、エスペリオンXXを率い、独EMIにてReflexeシリーズを録音していた。
ルネッサンス期…特にラテン系というか英独系でない楽曲が得意な演奏家、団体は音楽作りがバロック専門家とはリズム感が異なるように思う。
アクセントのつけ方が違うような気がする。
私にはブランデンブルクや管弦楽組曲よりフーガの技法の方がしっくり来る。

10.ラモン指揮ターフェルムジーク(管弦楽団)
もし私が、ラ・プティット・バンドもエイジ・オブ・インライトゥンメントも知らなければ、もう少し高い評価をしていたかもしれないカナダの古楽団体。
悪くない演奏なのだが、何か全て中途半端な解釈に思えてしまう。
実はカナダもスコット・ロスやケネス・ギルバートといった古楽のエキスパートを生み出しているが、どうも団体となると今一つなのか?
余程、大きな変化がない限り、私がこの団体を評価することはないだろう。

11.ミュラー=ブリュール指揮ケルン室内管弦楽団
亡くなった時は、ドイツのメルケル首相も葬儀に参列したと言われる名指揮者。
なぜか、NAXOSで多数の録音を残した。
モダン楽器で演奏がピリオドという折衷スタイル。モダン楽器でピリオドのアーティキュレーションは、時に耳に痛いこともあるが、これはこれで面白い。
ブランデンブルク協奏曲、Vn協奏曲、オーボエ協奏曲等をボックスセットで超格安で入手出来ることもあって、これも入手しておいても良い気がする。
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