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2019年02月14日08:03

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別に憲法は同性結婚を禁止してはいない

上位の悪意、凄いなあ。
つーか、いつもの意地悪メンバーの組織票も入っているので、リアル社会はここまで酷くは無いだろう。
けど、多数派が今回の訴訟に賛成しているか? となると、これもまた話しは別だよね。
世論調査においても、だいぶ開きがある。8割近くが賛成しているという結果もあるし、5割弱だという結果もある。
僕は、割と悲観的なので、5割弱の結果に信憑性を感じる。
LGBTに悪意の無い人でも、いざ身内が同性結婚すると言ったら? 
また「運動」にアレルギーのある人もいる。例えば芸能人がカミングアウトしても、大方は好意的だ。しかし今回のように告訴したり、権利要求をすると、途端に態度が硬化する人もいる。

今回の訴訟について、どう思うか?
あくまでぼく個人の考え方だけど、正直悪手だと思っている。
急進的すぎるし、バクチだ。
レイシストを確実に刺激するし、中立の方々の反発も招きかねない。
まずは地方自治体でパートナー制度、パックス制度を進め、地道に下積みを行なうことから始めるべきだと思う。そこから国政に移行させるのが無難じゃないかな?
保守派や自民党内にも味方はいる。長い目で見れば、そう夢物語でもないだろう。

とは言うものの、これは非常に時間がかかる。
人生がかかっている人々にしてみれば、そんな悠長な事を言っていられないってのも、充分に理解が出来る。
だから僕は、今回の集団提訴について、原告を全面的に応援する。

そもそも何で同性結婚が必要なのか?


要求は「皆と同じ権利をください」。「それによって、あなたに何か不利益がありますか?」 たったこれだけのことなんだよね。
「事実婚で充分じゃないか!」
これに対し、ぼくはこう答える。
「男女の結婚についても同じことが言えますか?」
要するに、そういうことなのだ。

まず法的、社会福祉上の問題だ。
相続、介護、何か有ったときの面会、喪主になる事、里親になること、様々な社会保証、果ては保険のサービスに至るまで、同性愛者のカップルは、異性愛者のカップルが普通に持ってる権利が貰えない。
パートナー制度や一部民間の福利厚生やサービスは、この不平等を是正する試みだけど、やはり国政じゃないと、どうしても限界がある。

2つ目は「絆」を求める心の問題。
これの説明は、非常に難しい。
ただ、多くの異性愛者は事実婚では満足できず、婚姻届を出す。その心境と同じですってことなんですね。

で、同性結婚は、憲法的にどうなのか?
中学生の公民で習うように、憲法は「国家」を縛るものであって(公共の福祉を除いて)個人の権利を縛るもんじゃない。それを前提に考えれば、24条の主旨は意に沿わぬ結婚からカップルを守るための条文であることが、自然とわかる。
同性結婚を否定することが目的ではない。単に想定していなかっただけだ。
大方の憲法学者の考え方もそうだ。
弁護士の多くもそう考えている。だから多くの専門家が、今回の訴訟を応援しているわけで。

じゃあ、憲法の専門家の全てが、「憲法は同性結婚を禁じていない」と考えてるか? と言うと、実はそうでもないんだよね。
実は法学には、「憲法と言えど、正文化されて初めて意味を持つ」って学説がある。また法実証主義から、法律は形式も大事だって言う立場もある。そうした学説を支持するなら、国語辞典的なこだわりってのもありになるんだよね。

八木秀次みたいなトンデモ法学者は論外だが、真面目な法学者や弁護士にも、そうした理由から「憲法改正が必要」と考えてる人も、いるんだよね。
今回の裁判は、その決着を付けるって意味もある。
最悪の判決は、「憲法改正が必要」と司法が判断してしまうことだ。そうなったら、セクマイの人権は大きく後退してしまう、ヤブヘビになるだろう 。
僕はここがどうにも心配だ。

あるいは司法は、24条の解釈を避ける形で、現行民法を合憲と判決する可能性もある。

そして仮に憲法が同性結婚を禁止していないと仮定しても、現行の民法が違憲かどうか? となると全く別問題なんだよね。
戸籍の性変更裁判や、姓の選択性裁判の時のように、憲法的にはどちらでもOK、そして現行民法は合憲。そうした判決が下る可能性も高い。

日本の司法は、悪い意味で保守的だ。姓の選択性すら満足に実現できない。正直、僕はこの裁判は悲観的だ。
ただ、この裁判が中立の方々に関心を持っていただき、考えてもらうきっかけになれば行幸かな?


反論集。
ここから先は、読み飛ばしていただいて、かまいません
沈黙は必ずしも有効な戦略とはいえないと思うので、書いてみました。

同性結婚は少子化につながる
→同性愛者は最初から子供を産めないので、人口の増減には最初から関係ない。むしろ、里子を取ったり、(賛否両論はあるが)代理出産なので、むしろ少子化に協力できる。海外では、「少子化だからこそ、同性の結婚を認めるべき」と言う意見が多い。

特権を要求するな!
→特権ではなく「平等」です。「あなたと同じ権利をください」と言ってるだけです。

同性結婚を認めると悪用する奴が出てくる!
→そうした悪用は男女の結婚でも可能です。いや、男女の結婚の方が、目立たないし差別もされず、ずっと簡単でリスクが少ないでしょう。ゆえに同性結婚ばかり問題にするのはダブスタだと思います。


子作りできないLGBに結婚の資格はない
→では不妊症の方やお年寄りも結婚の資格は無いのでしょうか? 子供をつくらない夫婦は離婚すべきなのでしょうか? 結婚の目的は子作りだけではないと思います。


子作りできない社会貢献の少ないLGBTに同等の福祉を与える必要は無い
→もし高額納税のゲイが同じ理屈で、あなたの健康保険や税金を使った公共施設の利用を否定して来たら、あなたは納得できますか? 民主主義の国において社会福祉は「お互い様」なのです。

虹色の運動はサヨクに乗っ取られている。
→事実に反します。自民党の議員、安倍首相夫人、駐日アメリカ大使も参加しています。これは右だ左だの問題ではないのです。思想信条は自由意思で選べますが、性指向、性自認は自分では選べないのです。

個人の趣味嗜好だろ?
→音が同じで紛らわしいですが、LGBは性嗜好(Sexual Preference)ではありません。性指向(Sexual Orientation)です。 これは意図して成るものではありませんし、やめたくてもやめることはできません。 例えばあなたは「今日から異性愛者をやめてゲイになれ」と言われてなれますか?
(無理をすれば出来るかもしれないけど、大変なストレスでしょう?) これはLGBだってそうなのです。

LGBとTを一緒にするな!
→LGBTは性的少数派が、性指向や性自認の違いを乗り越えて、団結する時の運動用語です。だからこそ、一緒にすることに意味があるのです。

ゲイだって女と結婚できるんだから平等だろ
→残念なことにLGは、性指向が異性にむいていません。またBも愛せる人間が同性にしか居ない場合もあるのです。

人権ガーと騒ぐから嫌われる。おとなしくしてろ!
→沈黙していたら、現状は何も変わりません。最近LGBTを取り巻く環境が改善に向かっているのは、沈黙せずに要求したから実現したのです。もしLGBTが沈黙していたら、世間に存在すら十分に認知してもらえず、改善はありえなかったでしょう。

お前らが騒ぐから善良なLGBTが迷惑している
→例えば100人のLGBTがいたら、100種類の考え方があります。 運動の評価をめぐって、LGBTで意見が割れるのは、ごく当たり前のことなのです。 例えば労働組合を嫌う労働者がいたからといって、労働組合を丸ごと否定することは暴論です。

理解の強要、押し付けをするな!
→押し付けはしていません。無理に理解する必要はないし、嫌っても構いません。嫌いでも「平等」を認めてくれればよいのです。例えば、「こいつの顔、キモい」と頭の中で思うのは自由です。しかし「人権や平等はイケメンだけにある」なんて普通の人は納得できないでしょう? それと同じなのです。


秩序を乱すな!
→あなたの守りたい「秩序」とは何なのでしょうか? 弱い立場の人間に不平等を強いる秩序は改善されるべきだと思います。

LGBTに「機会の平等」を認めるなら幼児性愛者にも「機会の平等」を認めろよw
→これは全く別の議論で、この話しを持ち出すのは論点そらしです。
それでも敢えて答えますと、まずペドファイルとチャイルド・マレスターを区別してください。両者は全く別物です。で、ペドファイルの方々の人権も「機会の平等」も最大限に認められなければなりません。ただしそれは「公共の福祉」と言う難しい問題があり、これをクリアしなければなりません。 つまり「子供の人権」と衝突しないように、彼らの人権を尊重しなければならないということです。
ぶっちゃけ、子供にお酒や煙草が禁じられるのと同じ理由で、同列に置くことは出来ないのです。

LGBTの結婚を認めるのなら、重婚や近親婚も認めろよw
→これも全く別の議論で、この話しを持ち出すのは論点そらしです。
それでも敢えて答えますと、ぼくは頭から一夫多妻制や近親結婚を否定するものではありません。現時点での考えは「分からない」です。同性結婚が世界的に認められる方向に向かっているのは、同性が結婚したからといって、特に他人の人権を侵害するような事態は起こらないことが認知されたきたからです。
誰の人権とも衝突せず、誰にも迷惑がかかりません。 これに対し、たとえば一夫多妻制の場合、お金持ちばかりが結婚を独占するようなことが起こりかねません。また一夫多妻制が機能している社会では、しばしば女性の人権抑圧が指摘されるという問題もあるのです。近親婚についても、多くの課題があります。様々な専門家の精査、様々な視点からの議論、それらがまだ十分ではないと思います。 なので、「わからない」が現時点での僕の答えです。
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