mixiユーザー(id:1218228)

2014年11月29日10:55

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【漢方】 日本人がトンスルを馬鹿にするのはブーメランですぞえ

20年ほど前のことでした。台湾の伝統医が日本に講演に来た時、日本の漢方を見て怒ってしまったと言います。
「日本には、中国医学が正しく伝わっていない!! 」


意外に知られていないのですが、いわゆる「中医学」と日本の「漢方」は全然別物です。
ついでに言いますと、朝鮮の「東派医学」も、中医学や漢方とは、これまた別物なんです。
なので、朝鮮の「東派医学」が世界遺産に登録されることは別にどこもおかしくありません。ちょうど紙の起源が中国や高麗にあっても、独自の進歩を遂げた和紙が世界遺産になってもおかしくないように。

ただ、中医学も東派医学も漢方も、「傷寒論」や「金匱要略」を聖典にしている点では同じではあります。
これはまあ、飲茶(ヤムチャ)と茶の湯は全然別物だけど、どちらも陸羽の「茶経」に起源があるのと同じだと思ってもらえば良いです。

中国の伝統医学を要略して説明なんて暴挙です。
でも、強引に簡略化しますと、後漢の時代に成立した「傷寒論」「金匱要略」が、まず日本に伝わった。
12〜14世紀に「金元四派」という革新的な運動が起こります。これも日本に伝わりました。
ところが清の時代になって、「傷寒論」だけでは説明のつかない急性疾患もあるということで現れたのが「温病論」です。これは日本には伝わらなかった。


一方、日本では「金元四派」の医学が主流でした。これを「後世方派」と呼びます。特に「万病回春」と言う本が江戸時代に大受けする。これは中国で書かれた本なのですが、中国ではほとんど評価されなかった。しかし、日本では後世方派を代表する本となります。現在でも腰痛の定番である「疎経活血湯」や「六味丸」などは、この「万病回春」に出てくる薬なのです。

この「後世方派」が長らく日本の漢方の主流だったのですが、江戸中期に吉益東洞という天才が現れます。
この人は、一種の原理主義者で、漢方は「傷寒論」と「金匱要略」の2冊でこと足れりとする「古方派」を打ち立てます。
「金元四派」はもちろん、五行説すらも、「後世に混入した雑音で益なし」とする徹底ぶりでした。
この「古方派」は凄い勢力となって、一時期「後世方派」を圧倒するまでになってしまうんですね。

現在では「後世方派」への再評価も進み、「古方派」と混じった形で落ち着いていますが、それでも日本の製薬会社が製造するエキス製剤の実に75%が「傷寒論」と「金匱要略」による物だと言えば、その影響が分かると思います。
このような原理主義運動が主流派となったのは、日本独自の現象なんですね。

朝鮮の東派医学も独自の進歩を遂げています。
当時、中国には南派、北派という二大流派がありました。
朝鮮の医学は、日本のそれよりはるかに中国医学との交流が盛んではありましたが、それでも独自の進歩を遂げます。
極力、生薬を中国の輸入に頼らないようにする工夫が、大きな起爆剤になりました。それで、中国の南、北と区別して「東派」を名乗るんですね。
「四象説」というのも、独自の考え方です。
李氏朝は国策でこれを奨励しましたから、体系の整理統合が非常に明確なのが特徴ですね。
これは部分的に日本にも伝来し、漢方にも少なからず影響を与えています。例えば日本では、高麗人参をやたら有難がる傾向がありますが、これが東派医学からの影響なんですね。

けど、非常に残念なことに李氏朝の崩壊によって、国策とされていたことが仇となり、東派医学は大打撃を受けます。
現在に至って、再評価が進み、復興されてきていますが、中医学の影響をどうしても強く受けてしまい、それが大きな課題のようですね。

えーと、トンスルでしたっけ?
この薬は、東派医学の文献には、一切出てきません。
韓国人でも知らない人が沢山います。
はい、これは「地方の民間療法」にすぎないのです。

「太平閑話滑稽伝」と言う朝鮮の説話集があります。まあ、これは中国の「笑府」、日本の「醒睡笑」と並ぶ笑い話集なんですけどね。
この笑い話の医者ネタの定番では、たいていヤブ医者は「田舎の医者」、そして面白いことに名医は「日本人の医者」なんですよw
朝鮮の古典を紐解いてみると、日本に好意的な記述が多い。
状況が一変するのは、そう、秀吉の朝鮮の役以降なんです。「慵斎叢話」辺りはだいぶ辛らつだし、壬辰倭乱をリアルタイムで体験した著者による「於于野譚」は相当に手厳しい。
でも「於于野譚」では、加藤清正を敵将にしては比較的話しの分かる奴として描く等、とても冷静だったりするんですが、話しが脱線しましたね。それは置いておきまして。

この「太平閑話滑稽伝」では、ヤブ医者が薬を調合する時に、大黄と大便を間違えて処方してしまうと言う話しがあります。
つまり、朝鮮でも大便を薬にするのは、「笑い話」のネタになる非常識なことだったんですよ
まあ、この説話は深読みすると、東派医学をアンチョコでしか使えないヤブが「大便が熱病に効く」という民間療法に惑わされた結果だと分かるんですけどねw

排泄物を薬とすることは、アジアで広く見られます。
「本草綱目」にも、ウサギの糞やコウモリの糞が出てきます。
日本でも童尿と言って、子供のおしっこを丸薬を練り固めるために使ってましたし。

そして、「大便酒」は日本にもきっちりありました。
 ↓
フォト

トンスルとは用法が異なります。
ですが、思いっきり飲用です。
他に日本では大便は、鍼灸に失敗した時の膏薬の原料にされることもありました。

これらは「奇方」と呼ばれ、ほとんどが民間療法起源です。
奇方には、グロ系が散見されます。霊天蓋、人胆のような人間の死体から作られるものもあり、処刑場で働く者の副収入になってたり。

奇方は、普通の医者は補助的に用いるだけでして、また古方派の原理主義者からは排除されました。
しかし庶民の人気は衰えず、現在でも有名なイモリの黒焼きも、これに属します。

かようにアジアの文化ってのは、何やかんやで非常に似ているのですよ。
お互いを尊重しあってこその21世紀人類だと思うんですけどねw










■「ヘイトスピーチに恐怖を感じた」 在日コリアンの体験まとめた「調査報告書」発表
(弁護士ドットコム - 11月28日 18:31)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=149&from=diary&id=3162278
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コメント

  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年11月29日 11:18
    よきわかんないけどおくすりにがい
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年11月29日 11:24
    韓国の反日デモは所謂政治的な問題に対してであり、大半の会社員には関係ないものばかりですが、自称愛国者の反韓デモは一国の文化や民族性というものを侮辱してますからな。デモの質が違いますね
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年11月29日 13:29
    現在の日本と韓国の関係は互いにKKKを作って「取り敢えず馬鹿にしてみる」をやってるって正に馬鹿な状況なんだと思う。
    KKKも末端部は「俺が失業したのは黒人のせいに決まってる」とか「近所のサムは良い奴だけど黒人の悪口言わないと俺が私刑されちまうんだよな」みたいな感じだったんでしょ?上の方は政治ごっこしてて。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年11月29日 15:35
    さすがフィロさん、博学ですね!詳しい説明、ありがとうございます

    トンスルうんぬんは、そのものがどういう位置付けで取り上げられたか(医学の王道なのか、キワモノ扱いか等)、文脈抜きで(フィロさんのように基礎文献に当たってないから評価できない)、「こんなのアッタ!アッタ!」と嫌韓厨のリテラシー残念ないつもの大騒ぎに利用されてる図式のような気がします
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年11月29日 17:18
    さっきクーリエジャポンで読んだのですが、今、欧州で便秘の改善に「便カプセル」が流行ってるらしいです。親族の浄化した便をカプセルに入れて飲用することで、消化に有用な菌を摂取するらしいです。ネトウヨはこれらもバカにするかしら?
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年11月29日 18:40
    > mixiユーザー 
    そうなんですよね。
    じゃあ、日本は大便酒ランド、小便丸薬ランドなのかって話しになるんですよね。
    もうちょっと思慮的になってほしい話しです。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年11月29日 18:41
    > mixiユーザー 
    漢方には甘くて美味しい薬もありますが、概して苦いものが多いですね(TT)
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年11月29日 18:41
    > mixiユーザー 
    お互いの文化を尊重しあわなければならないと思うんですよね。
    民族に優劣なんか無いわけですから。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年11月29日 18:44
    > mixiユーザー 
    アジアの伝統医学は、お互いに影響を受けあっていますからね。
    中医学も、ススルタ医典(いわゆるアーユル・ヴェーダ)の影響を受けていたりします。
    チベット医学や東南アジア医学は、中国とインドが融合したこれまた独特の伝統医学が発達していますし。
    アジアには広く共通した伝統医療が存在するんですよね。
    非常に
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年11月29日 18:48
    > mixiユーザー 
    南北戦争直後の南部は、まさにそうだったと聞いています。
    KKKごっこは、ただただ不毛なだけで、何の生産性も無いんですよね。
    一種の憂さ晴らしなんでしょうけど、歴史にあるように、たまにこれが恐ろしい方向に暴走してしまうことがあるのが、怖いんですよね。
    日本社会の理性を信じたいところですよね。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年11月29日 18:50
    > mixiユーザー 
    トンスルは、朝鮮の伝統医学である「東派医学」には存在せず、完全にイレギュラーでマイナーな地方の民間療法なんですよね。
    それを韓国の代表のように言うチェリー・ピッキングが横行しているのは、何とも残念な話しなんですよね。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年11月29日 18:53
    > mixiユーザー 
    なんと! そういう療法があるとは知りませんでした。
    確かに腸内細菌が、大腸を整えてくれますからね。

    ちなみに西洋でも排泄物の薬用は古くから行われていました。
    錬金術師たちは、小便からアンモニアを蒸留して、これを膏薬の原料にしていました。
    現在でも、市販の塗り薬には、アンモニア水が使われていますしね。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年11月29日 19:25
    小便レベルだったら極最近といえる程の過去に「飲尿健康法」なるものが本邦でも流通したという事も忘れちゃなりませんね。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年11月29日 19:44
    自分のつぶやきに資料貼っときます
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年11月29日 23:08
    > mixiユーザー 当時、あのブームでは海外でも相当異様に見えたらしく、イギリスのタブロイト紙で、「日本人は尿で乾杯している」だの、無茶苦茶書かれたそうですw ぜんぜん他人のこと言えた義理じゃないんですよね。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年11月29日 23:09
    > mixiユーザー ありがとうございます! さっそく拝見させていただきました!!
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年11月30日 01:04
    フィロさんの博学さすがですね!
    日本の「飲尿健康法」、さくらももこさんも実践したとエッセイで書かれていた記憶があります。
    日記とは関係ありませんが、ビッグコミックスペリオールで韓国人作家の連載があるのですが、今号の表紙に「嫌っても、恋しても、隣りの国」というコピーがあり(韓国人青年と日本人女性の恋愛物語)、こーいうコピーがつくのって悲しいなあ…と思いました。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年11月30日 08:40
    > mixiユーザー 
    出たばかりの尿は、飲んでもさほど害はありませんからね。
    (健康になるかは、非常に懐疑的ですが)

    悲しい流行ですよね・・・
    金儲け主義に流された嫌韓本の氾濫に危機感を持った出版・書店関係者が、最近「ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会」を立ち上げ、一部書店で差別反対のフェアを行ったりしているそうです。

    そして日本の漫画、アニメ、ゲーム、ラノベは、いまだにリベラルの牙城ですから、このまま頑張って欲しいと思います。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年11月30日 13:44
    > mixiユーザー 

    >>漫画、アニメはリベラルの牙城

    私、全然疎いんですが、、、ということは嫌韓流やら小林よしのりは、業界では鬼っ子なんでしょうか?
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年11月30日 14:21
    > mixiユーザー 
    あれらは顕著な例外です。
    かなり浮いた存在ですね。書店によっては漫画コーナーには置かず政治コーナーに置かれます。
    同人誌ネタにもなりません。

    むしろ差別や憎悪の扇動、憎悪の悪循環の愚かさを風刺し、批判する作品の方が圧倒的であります。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年11月30日 14:57
    > mixiユーザー 

    よかったですわーい(嬉しい顔)。これからも知的で刺激的ないい作品が続々出て、しょうもないヘイトなんか圧倒しますように!
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年11月30日 15:04
    よきわかんないけどトンスルてなあに
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年11月30日 22:10
    > mixiユーザー 
    何とか現状を維持して、がんばってほしいと思います。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年11月30日 22:11
    > mixiユーザー 
    アジアに広く見られる排泄物を用いた民間療法の1つです。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年12月01日 08:04
    そうなんだ
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年12月01日 19:58
    > mixiユーザー 
    ヘイトの要因として「無知」もありますが、それ以上に問題なのが「情報の偏食」なんですよね。
    ネットの普及は、より幅広い情報の獲得になるかと思いきや、自分の耳に心地よい情報ばかりを集めやすく、「偏食」をかえって激しくした感があります。

    そこで、バランス、論理的思考の訓練、史学のルール等の「リテラシー」が言われるわけですが、これの説明がなかなか難しいんですよね。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年12月02日 06:58
    > mixiユーザー 
    まあ、バカは何処にでも湧きますから・・・
    http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1935834678&owner_id=7041348
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年12月02日 09:22
    > mixiユーザー 普通に考えて、韓国とは無関係な話題に割り込んでくる変な人が増えてますからね。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年12月05日 23:10
    元幕臣でメソジスト派の牧師になって余暇に古物や江戸風俗や民間伝承の蒐集をした山中共古(中山笑。1850-1928)という人がいるんですけれども。
    本日、たまたまその共古の残した『共古日録』から抜粋した『山中共古ノート』1(広瀬千香編、青燈社、1973)を読んでいたんですが、こんな記述がありました。

    『共古日録』23巻 「共古幼年より廿歳迄の四谷のことども」
    「四谷御門外、千葉の小児丸とて名高く、医師の家より出せり。説には寒中烏をとらへ、糞溜の中へ入れ置きしその肉なりと。」[p44]
    江戸はカラスうんこランドだったようですw

    ちなみにこの話、「殺したカラスの因果が医師の娘に報い……」と続きます。余談ですが。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年12月05日 23:11
    間違えました、×中山笑→〇山中笑。
    山中共古(笑)と書くとちょっとおかしいです(笑)
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年12月06日 07:57
    > mixiユーザー 
    排泄物を薬に用いた例は、探せばまだまだたくさん出てくるでしょうね。
    ヨーロッパでも、排泄物の臭いを一種のアロマセラピーに用いた例もありますね。
    なんだか、逆効果な気がしますけど(TT)
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年12月07日 00:31
    > mixiユーザー 
    今でも、こんな話がありますしねえ
    http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=80172&id=69952050
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2014年12月07日 10:24
    > mixiユーザー 
    漢方でも童尿は思春期前の男の子の尿が品質的に最高とありますw

mixiユーザー

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