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2020年01月24日23:21

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レビュー(「ついやってしまう」体験のつくりかた)

※今回はほぼネタバレの内容です。了承いただける人のみ、読み進めください。


いきなり答えを聞いてみますが、「ついやってしまう体験とはどんな体験ですか?」
これわかったら、もうこの本読む必要ありませんね。
それでは違う質問を。
「ガラスでできていて、大体は透明。円錐の様な形になっていて中は空洞になっている。ご飯を食べるときにテーブルの上に置いてあるもの」これって何ですか?
これは分かったと思います。水を飲むアレですね。
続いて、主食で皆さんが食べるもので、小麦が主な材料で作られるものは何ですか?
これも、簡単ですね、四角いやつで〇枚切りとかで売っているアレです。
更にこんなこと聞かれたらどうします?
「パンツくってくれん?」
何言ってんの?と思うでしょう。

この一連の流れがこの本で伝えていることです(これがすべてではなく、ほんの一部です)。つまり、最初の質問はコップと簡単に答えが予想できます。この予想させて、頭の中で思い起こさせ、正解だと安心する(当たり前かと思う)これが著者の言う「直観のデザイン」。
最後の質問、「パンツなんて食べれるわけないし」と思ったあなた、うれしいです。これ、正しくは「パンつくってくれん?」と言いたかったのです。
パンツだと思ってほしくて(思わない方もいるとは思いますが、良い例が全然浮かびませんでした)こんな質問にしてしまいました。
これは誤解させ、ん?と思わせ、あっ、違ったのか
と思わせる驚きのデザインなのです。
そして最後に冒頭の質問では私は答えを言いませんでした。
話を終わらせず、矢継ぎ早に質問することで興味を惹かせ、そして常に考えさせる。自分事に持っていくことがナレティブ「物語」の仕組みなのです。
この直感と驚き、そしてその伝え方。
この3つの組み合わせをうまくデザインすることで「ついやってしまう」体験を作る。
これがこの本の言いたいことです。

そして、この本は30ページくらいで応用編として実際の使い方に標準を置いてくれています。
このざっくりと書いた彼なりのデザインの仕方を彼の長くいたゲーム業界のゲームに置き換えて説明してくれています。個人的には途中途中で出てくる挿絵の棒人間がかわいくて好きです。
実際にこのアイデアを自分事として消化し、体現していくには練習が必要ですが、この仕組みをしっかりと伝えられている点ですごく読んでよかったです。
デザインとはやっぱり見た目、雰囲気で作っている私にとって何が足りなくて、どんなことをしっかりと考えればよいのか?迷った時の道しるべとなってくれるようなものがこの本には書いてありました。
「デザイン」の構図などとの話とはまた少し違いますが、「体験デザイン」というものの構築の仕方がすごくわかりやすく丁寧に書かれていると思いました。
いつもならば、こういったビジネス系の本はあまり中身を感じない内容が多くこういったレビューを書くのに困らないのですが(本を多く読んでいるので、似たようなことが書いてある本が結構多い)、今回は考えさせられ、かつ、自分の仕事に活かしたいと思える内容であったため、2度短期間で読んでしまいました。
間違いなく、人に勧められる本です。どんなことを仕事にしている人であっても、体験デザインの作り方は何かで役に立つのではないかと思います。

まとめてみると結構短くまとまっちゃったな…もっと長々と書いてみる予定だったのに。

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