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2020年01月27日19:05

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落語覚書/よってたかって新春落語’20 21世紀スペシャル寄席ONEDAY

2020年1月25日(土)18時開演@よみうりホール

三遊亭ぐんま「初天神」
三遊亭萬橘「時そば」
春風亭一之輔「意地くらべ」
仲入り
玉川奈々福「清水次郎長伝 お民の度胸」曲師:澤村豊子
柳家喬太郎「任侠流山動物園」


今年も一発目は「よってたかって」。
いつもの喬太郎、一之輔以外は、新しい顔付けだったので。


●前座・三遊亭ぐんま「初天神」
聴いたことがあっただろうか?白鳥師匠のお弟子。
まだ前座なのに、たっぷりマクラやった。そして爆笑!

大好きな銭湯でタイガー・ジェット・シンに見初められた話
からの「初天神」。マクラが長かった分、すでに境内から。
一之輔の「初天神」も自由だったが、ぐんまくんのも相当。
群馬物産展みたいな出店から、女の子みたいな金坊、サイレンみたいな
鳴き声、挙句ジェット・シン・ダンスまで。
前座ながら爆笑の渦で「ぐんま」の名を十分知らしめた。


●三遊亭萬橘「時そば」
多分、きつつき時代には聴いていると思うのだが。憶えていないので初見!
こんなに面白い人を知らなかったなんて、恥。。。
圓楽党って、面白くてもなかなか聴けないもんなぁ。
この会に出てる時点で売れっ子確定。兼好さん以来のスターですな。

まずは腕をぶん回しての登場からして、挑戦者。
なんとなく世の中を拗ねたような喋りは、ダークサイドの香り♪
なんだか忘れちゃったけど、ユルめのマクラから脈絡もなく唐突に
「…んで、寒い時に食べたいのが蕎麦ということで…」ドッ!(笑)
「えっ?…今、ごく自然な流れで入ったつもりでしたけど?」
からの『時そば』。

序盤、最初のそばをすするシーンで突如キレて
「あのさぁ、感じ悪いよ。オレ達の前で喬太郎の得意ネタやるかね?的な」
ん?そんな感じだったの?…いや、わざと喧嘩を売っているのだ。
拍手の強要ね。これは反感を買いかねない。実際ツレは文句言ってるし。
でも上手くて面白いから、洒落になっちゃう。

二人目の蕎麦屋のくだりは、まぁ〜自由なくすぐりの応酬。
店の名前から(なるほど「当たり屋」はまずいよね?)、どんぶりの状態から、
そばの新食感…と、予想外の嵐。
きわめつけはサゲ。無駄な台詞はやめちゃうって言う!
う〜ん、この人、練りに練ってのこの噺だわ〜〜っ!!!


●春風亭一之輔「意地くらべ」
まずは「時そば」のサゲに感心しきり。
そして萬橘さんをイジり倒す…と袖から本人登場!

さて皆が聞きたい東出の話題。
「落語ディーパー無くなっちゃうんですか?!」
「神聖な落語の世界に、あんな不潔な人はいらないっ!!」
…ほんとかどうだか判らないが、みんな勝手なこと言ってるね。
それに対し一之輔。「知らねーし!…知らねーしっ!!」
「もともと落語なんて、浮気やら不倫のオンパレードで神聖じゃねーっ!」

「意地くらべ」は初めて聴く噺かも?
落語にありそうな噺だけれど、明治大正期の新作落語だったようで、
先代の小さんがよく演っていた噺らしい。

一月前の借金を、別の人に借りて返済しようとしたら
元の相手が強情で受け取らない。持ち帰ると今回借りた人まで受け取らない
お互いに意地の張り合いでどちらも受け取ってくれないが…。

まぁ、安定の一之輔でしたが、他のインパクトが♪


●玉川奈々福「清水次郎長伝 お民の度胸」
ホール落語で浪曲もなかなかなので、久々の奈々福さん。
昨日まで、ジャニーズとの舞台「阿呆浪士」に出演していたと言う。
「奈々福さん、舞台で踊りますか?」との問いかけに、ジャニーズと
同じ舞台で踊る機会など二度とは無いと思い「やります!」と
答えたそのダンスを「やっていいですか?」、なんと高座で披露!
そのダンスとは意外や…ってな話から本題。

浪曲の世界に戻ってきたのが嬉しくてしょうがない様子。
曲師澤村豊子さんとの音合わせをきちんと修正する余裕も。
そして流暢な語り口と見事な喉。
落語会でアウェーな浪曲だったが、知らず知らずのうちに観客を
惹きつけ、そしてクライマックス!
「…と、ここで時間となりました!続きはまた、明日!」と語るや
会場から「えぇ〜〜〜っ?!!!」みんな引き込まれてるやん。。。
浪曲ってそう言うもんだからねー。


●柳家喬太郎「任侠流山動物園」
昨日まで人間国宝と地方公演に行っていたと言う。
人間国宝の後に、新作でトリを取ったようで(!)。
これは気疲れするでしょうね。。
それでも会場の子供にまでウケるマクラから、意識はしていないでしょうが
両手をついて「ぶひっ!」で、早くも大爆笑。

この噺、白鳥作だけれど何気に登場人物(いや動物)が多い。
ブタの豚次、ウシの牛太郎、チャボ子、象のマサオ、虎夫、パンダのパン太郎
そして唯一の人間の園長。語尾に「ぶー」とか「モー」とか「パオー」とかは
付けるけれどそれぞれのキャラを描き分けている。
そして、昨日までの人間国宝との旅の反動か、大熱演だった。

最後、「流山の決闘」クライマックスを迎えるところで
「丁度ぉ時間とぉなりましたぁ〜♪流れの豚次シリーズより『任侠流山動物園』
この辺でお開きとさせて頂きます!」で幕となるのでした!


「任侠流山動物園」も元は「清水次郎長伝」をベースにしているわけで、
奈々福さんが演ることを知っていたのか、打ち合わせたのか、
まさか聴いていて演目を決めたのだとしたら、すごいですね!!
こう言う番組の流れっていうのが醍醐味だなーと、つくづく感じました。

落語初めにこんなの聴けて、ほんと素晴らしい〜〜〜っ♪







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