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mixiユーザー(id:12121569)

2019年12月01日23:13

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「ひとよ」

十二月初日は「映画の日」なのですが、空は青く初冬の柔らかい光の中で山の稜線が鮮明で、こんな行楽日和に暗い映画館に向かう自分になんか疑問を感じなくもない(家にこもらず外出したからこそ青い空を見上げられたんだけどさ)。
しかも、暗い作品だ。
しかし、傑作だ。
このところ日本映画の大当たりを引かないなあと思っていたけど、私が観損なっているだけで実際は素晴らしい作品は公開され続けているのだろう。
舞台作品の映画化は、たいがい脚本が練り込まれていて面白い。
白井和彌監督の作品鑑賞は、昨年の「孤狼の血」以来で、そこに見られた激しい暴力は、狂ったような虐待シーンやクライマックスのクラッシュに通じるものがある。
でもこの映画の何がイケてるかって、役者陣の演技力だ。メインの四人だけでなく、サブストーリーの面々も含めて。一口で説明しきれない、微妙で多面的で矛盾したキャラクターを、どういうわけか問答無用で説得力のある存在として成り立たせている。ヤサぐれていても素敵な佐藤健や、シリアスなんか天然なんかな田中裕子、そして佐々木蔵之助の絶望の慟哭にぐっとくる。
つい最近観た「IT」では大人になった主人公たちは27年前のトラウマは記憶の底に沈めたうえでけっこう成功した人生を送っていた。
「ひとよ」では三兄弟たちは15年前の事件から逃れられず、子供たちを守るために殺人を犯した母親にとっては15年前から時が止まったまま。
面倒くさくて愛おしい、辛くても苦しくても断ち切れない繋がり、家族。
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