ストーリー的にはシンプルな悪漢逃走劇。伏線も心理描写も意識していない作り。ただひたすら、「こういうシーン、カッコいいよね」という場面をこれでもかというくらいつっこんでくる。カッコいいシーンを巧みな編集で映画に仕立てたという感じ。でも、それらのシーンが本当にカッコいいんで、こういう映画もたまにはいいかな。
ほとんどが夜のシーンなのだけど、闇に輝くマゼンタの路面や水色に蛍光する飯屋の暖簾とか、汚く映りそうなものが、怪しく美しく撮られている。古典的だけど壁に映るシルエットとかもイカしてたし。
全体的にはなんとなく、フェリーニの映画を思い出した。上から撮ったバイクの群れとかなんか「ローマ」っぽかったし。
それはさておき、大きな駅って空港並みのチェックで入場するってのにもちょっとびっくり。バイクの盗み方の講習会があったり、地図で分担確認するシーンもなかなか興味深かった。地図のくだりは警察にもあったんで、そういうのが中国風なのかな。日本の刑事ドラマとかって、エリア名いうだけだよね。あと店に入ると、注文をせかされる。映像美とは別にいろいろなディテールが興味深かった。
自分は肉は好きではないのだけど、劇中で主人公たちが食べていた牛肉麺はなんだかおいしそうに見えた。
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