mixiユーザー(id:1208808)

2020年07月13日12:03

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映画『WAVES』

いろんな意味で、目からウロコの映画だった。

色、カメラワーク、画面、音楽、音、編集、すべてがとても丁寧につくりこまれているのだけど、ドキュメンタリーを観たような気分になった。
映像面でいえば、冒頭の360度ぐるぐる回るカメラワークは酔いそうになるほどすごかったし、色彩もカラフルで美しかった。特に斬新だったのは、登場人物が追い詰められると、それに呼応して視野がせまくなるように画面が小さくなったり、開放感を感じさせるところでは一気にひろがったりするところ。そんな画面の変化も観ている方の気持ち流れにフィットしているので、違和感がないどころか、引き込まれる。
画面に乗る音もよかった。音楽がガッツリ流れているのだけど、それに負けずに環境音がしっかり入ってきているので、音楽に全てをもっていかれない。

設定面でも目からウロコだった。

舞台がフロリダというのもあるのかもしれないけど。メインキャラはアフリカ系なのだけど、かなり裕福な家庭で、家は吹き抜け階段のある豪邸で、トレーニングスペースまである。前半の主役である兄はスポーツエリートでピアノも華麗にひきこなす。そして彼女はイタリア系(たぶん)。
後半の主役である妹の彼氏はヨーロッパ系であまり裕福な家庭ではない。アフリカ系で裕福な家庭というイメージやミックスレースのカップルに、ちょっとでも驚いた自分が、いかにステレオタイプのイメージに縛られていたかあらためて気付かされた次第。

充分劇的なことが起こっているのに、いわゆる物語ではなくリアルを感じたのは、登場人物が言葉が整った台詞で語り合うというよりも、断片的な言葉やチャットで事態が見えてくる作りのせいかもしれない。よく考えてみると、現実の世界では、人はあまり、ちゃんと内容の整った文章で会話していない。こうした台詞の短さや少なさが「リアル感」を感じさせたのかもしれない。

台詞では語られなくても、演出は細かい。

360度ぐるぐるカメラは、兄の「わが世の春」感を象徴しているようにも見える。
気分とシンクロする画面サイズ。
そして妹の描写も丁寧。
周りを伺いながらおどおどしている頃はひっつめ髪なのだけど、それが恋人を得て心理的に解放されるとフワフワ髪に変わる。

人工的で美しいのになんだかすごくリアル感がある不思議な映画。

セットリストのほとんど知らない曲だったけど良かった。
多分詩が内容とシンクロしてると思われるので
できれば全部訳詩入れて欲しかったかな。
(画面がうるさくなるから多分無理だとは思うけど)

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