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2020年05月20日11:47

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2139年  23歳

 23歳の春、私は念願の日本を訪れました。この世界、海外旅行はとてもハードルが高く、簡単に旅行するのは困難です。一部の職種や決められた関係者はスムーズですが管理上一般観光客は制限があります。同じアメリカ国内でも移動(特に航空機での移動)は容易ではありません。
 さらにアメリカは、「住める土地と住めない土地」があります。区分けされ立ち入り困難なエリアがあるのです。その点日本はありません、比較的人々の移動に対して寛容です。それも日本の人気が高い理由の一つとなっております。

 春の日本は美しく、郊外の山や川、緑の中の神社や寺はとても感動いたしました。古い建物が大切に保管されています。あちらこちら既視感を感じます。初めての場所も、やはり「知ってる」感覚がとても強く、極度の方向音痴の私が迷わずに目的の場所にたどりつけるのが不思議でした。

 私は建物や風景だけでなく、日本の神様にも興味があります。これほど数が多い神様にも驚きましたが、龍や狛犬など精霊や御使いの多さにも驚きました。本を購入しもっと勉強してからもう一度来ましょう。憧れだけでなく、もっと深く学びたいと心の底から思いました。

 神社では、既視感以外にも不思議なことがいくつもありました。鳥居をくぐると空気感が違うのです。明らかに下界の雑多な「気」とちがうのです。「ご神域」を感ぜずにはいられません。特に帰りの方が強く感じました。

 参道を歩いていくと木々の間には靄のようなものがたち、拝殿ではお参りのタイミングで光が差し、心地良い風が吹いてきます。祈りで目を閉じると脳裏に映像が浮かびます。何を意味してるのか解らず記録しました。

 さて、最終日私は浅草に参りました。日本を代表するパワースポットです。そして和柄の小物が買えるのでお土産を探そうと思いました。扇子や簪がとても人気と聞きます。日本のお香はキャンドルとは違い工芸品のようです。

 いくつものお店を周りました。くるくる回る内に駅の方向が判らなくなります。ナビゲーションを使っても方向が解りません。方向音痴の私は右側に行けば左側が正解なのは、いつもの事です。道行く人を眺め、どちらに行こうか思案しておりました。

 ふと、数メートル先の紳士と目が合いました。どこかでお会いしたでしょうか、知り合いのどなたかと思い笑顔を返しました。しかし、良く見ると初めての方でした。「どうしましょう!」と慌てる私にその方が近づいて来られました。

 「お嬢さん、どちらかでお会いいたしましたか?お困りのようですが、お手伝い出来ることがありますか?」

 これが、私と夫との初めての出会いです。


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