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2022年12月06日23:19

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【やや長文】WUGやすずめだけじゃない、東日本大震災関連のオススメ映画

※このテキストは、「Wake Up, Girls! Advent Calendar 2022」7日目としてお送りしています。
リンクを貼っておきますが、なにとぞ本文を読んだ後に踏んで下さい…w
https://adventar.org/calendars/7414
 また敬称が安定してませんが敬意がないわけではないのでご了承下さい


こんばんは。ワグナー歴2ヶ月で思い出のパレードを迎えたホテル野猿です。
気まぐれで書いたテキストが少し閲覧されていたので、
もしかしたら記憶の片隅に残っている方もいるかもしれません。

さて、皆様は2022年何をして過ごしていましたか?
自分はというと、コロナ禍でも楽しめる趣味として、映画鑑賞するようになりました。
映画館も助かる、業界も助かる、自分も助かる、ウィンウィンの関係です。
1年を振り返ると百数十本ぐらいは観ていると思いますが、
そんな中で、東日本大震災に関連する作品も複数ありました。
Wake Up,Girls!は3年後でしたが、今が11年後ということもあり、
最近は被災地がどのような未来図を描けるか、
そこに生きる人々はどのように将来を見据えるか、へとテーマが移っています。

そんな中でも、最近の話題作は『すずめの戸締まり』でしょう。
興行収入100億も視野に入れたヒットぶりではありますが、
実は公開前までは、東日本大震災が関連していることは伏せられていました。
(それとなく予告で匂わせのようなシーンはありましたが)
そして公開されると、緊急地震速報がスマホから鳴ったり、
津波後を想起するようなシーンが描かれていたりと、人によってはセンシティブだったため、
劇場に急遽、注意喚起する張り紙が掲出されるようになりました。
(ツイートで注意を促した某タレントがプチ炎上する事態にもなりました。)

このように、11年を経た今でも、東日本大震災はなかなか触れづらいテーマですが、
それに向き合おうとした映画作品は、実は近年多数公開されていたりします。
このテキストでは、震災をテーマについて扱った作品について、
自分が鑑賞したものをご紹介していこうかと思います。
(※直近の天間荘以外はたぶんアマプラやU-NEXTなどのサブスクで観られます)

『岬のマヨイガ』
フジテレビが震災10年を節目に制作したアニメ三部作のトップバッター。
遠野物語を下敷きにした柏葉幸子による児童文学が原作のアニメ映画。
数々の名作を手掛けた吉田玲子が脚本を手掛ける。制作はdavid production。
ほんのりロードムービー的展開、ラストのバトルシーンなど、少しすずめっぽい。
本職声優がほとんどいなかったり、少し強調材料に欠けるが、
話の種に観るのはいいかもしれない。大槌町の風景が使用されている。


『護られなかった者たちへ』
親子の断絶が一つのテーマという意味では、実写のこちらが有名かもしれない。
社会派ミステリの原作を、『糸』や『8年越しの花嫁』の瀬々監督が撮る。
佐藤健、阿部寛、清原果耶などスクリーン映えするキャストが多数出演。
連続殺人事件の容疑者を追う刑事、という構図が後半大きく変わっていく。
震災10年を経て残された社会的課題について考えさせられる、密度の高い作品。
勾当台公園や気仙沼・石巻など、ワグナーにとってもなじみのあるロケ地が多数。


『フラ・フラダンス』
先述の震災アニメ三部作の2番手。なおラストを飾るバクテンは観ていない
こちらは総監督に、高木さんが今D4DJでお世話になっている水島精二を迎える。
キャストはおディーンさんが目立ってるが、本職声優もうまく配分している。
メインの1人に青山さんの酒友・前田佳織里、主役の親友に奥野さんと本泉さんの東北勢。
内容はいわきのスパリゾートハワイアンズでフラガールとして就職した同期の青春ドラマ。
モノだけでなく心にも負った傷を抱えて生きていく姿が丁寧に描かれていた。
あまり動員伸びなかったけど、鑑賞後感もいい良作なのでよろしければどうぞ。


『浜の朝日の嘘つきどもと』
こちらは南相馬市の小さな映画館を舞台にした実写映画(元はテレビドラマ)。
タナダユキ監督は今年『マイ・ブロークン・マリコ』が公開、比較的手堅い作風の印象。
ドラマ版は未見だけど、映画はその前日談らしい。
主演は高畑充希だけど、その恩師役の大久保佳代子のインパクトが強い。
映画の舞台となる朝日座は30年前に廃業したが、今もスポット上映が行われている。
直接的には震災と関係ないが、福島沿岸あたりの街並みの雰囲気が伝わる。


『太陽の蓋』
フクイチの原発事故を扱った映画としてはFukushima50が有名なところだが、
こちらは現場の作業員より、政府・電力会社・メディア・市井の人に焦点を当てている。
キャストは北村有起哉、袴田吉彦、中村ゆりと渋め、佐藤太監督は仙台出身。
事故そのものでなく、その情報を正しく知れているのかを考えさせる。
ちなみにこの作品では、菅総理はじめ実名で登場させているのがポイントで、
当時の官邸のイクスキューズであり、また事実の一側面とも見ることが出来る。


『天間荘の三姉妹』
『スカイハイ』外伝を原作とする高橋ツトムが、北村龍平監督と構想を練った作品。
のん、門脇麦、大島優子が主演だが、高良健吾や三田佳子などのアクセントが効いてる。
途中までは震災であることがよく分からないが、後半に舞台設定が明確になる。
女川やうみの杜水族館など、分かる人には分かるロケ地がいくつかある。
内容としてはちょっと重厚すぎるきらいもあるが、単体のエピソードはなかなかいい話。
門脇とのんがイルカを操るトレーナーを演じるシーンはなかなか見応えあり。


『やがて海へと届く』
詩人でもある中川龍太郎監督が、岸井ゆきの×浜辺美波を迎えて喪失と再生を描く。
原作は福島滞在中に震災に遭遇した経験を持つ彩瀬まる。
そして震災のシーンは、WIT STUDIOの『とつくにの少女』スタッフがアニメで表現。
この作品はシスターフッドを描いているが、一方で親友を失い心に秘めていた苦しさを、
物語後半のある出来事をきっかけに、人との繋がりによって昇華する様も描いている。
(おそらく陸前高田の)防潮壁は、まさに生と死の世界の仕切りを象徴しているが、
終盤のアニメーションは、仕切りの無い円環のイデアであることを示唆している。
(「雫の冠」の、♪そうね、輪廻 魂のようなものは続く〜に通じる?)
と、この作品だけ多少熱の入れようが異なることからも感づかれる通り、
自分個人の評価は今年トップクラスの傑作なのでよろしければ必ず観て下さい。

※この数倍の文量のレビューを読みたいという奇特な方は、↓をどうぞ
映画『やがて海へと届く』が、届くべき人に届いて欲しい――今年公開の傑作2作から読み解く
https://open.mixi.jp/user/11953538/diary/1981970807


と、一応羅列してみましたが、いかがでしたか?
結局、どれがこのテキストを読まれた方の好みかはよく分かりませんでした!
なので、多くの作品に触れ、色んな視点を持つのが個人的にはよいかと思います。
そんなわけで、気まぐれに書きましたテキストもここらでお開きです。
ちなみに今推しの俳優は岸井ゆきのさんですので、
今月公開の『ケイコ 目を澄ませて』も是非劇場でご覧下さい

※さらに誘導テキスト
今年の邦画のフィニッシュブロー『ケイコ 目を澄ませて』の良さをネタバレ無しに語ってみる
https://open.mixi.jp/user/11953538/diary/1983955132
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