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2019年05月05日13:49

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Kalafinaの現在地〜Wakana福岡公演レポ【fixed】

※このテキストの初出は5/5でしたが、
 VOICEツアー千秋楽をもってネタバレOKになりましたので、
 ちょこちょこ加筆の上再リリース致しました。


このテキストは、Kalafinaの知識はもちろんですが、
Wake Up, Girls!のことも知っているとより分かりみが増すと思います。
あと、正直に伝えたいという自分の性格上、ネガティブな言葉もありますので、
そのことをご了承の上読み進めて頂ければと思います。



5/4、福岡国際会議場で行われた、Wakana LIVE TOUR 2019〜VOICE〜に行きました。
一言で言うと、ここまで感動するとは思っていませんでした。
その理由を、ライブの内容と共に述べていこうと思います。

今回のツアーは福岡のみの参戦で、もし変更などなければ、
ギター、ベース、ドラム、キーボードのバンド編成です。
しかしアルバムの内容がわりと落ち着いたものなので、
基本的に座ってゆったりと歌声を楽しむ形式でした。

さて…。当日は公演5分前ぐらいに会場に入ったのですが、
中を見渡して、思わずため息が漏れました。
メインホールは1000人収用できますが、半分程度しか埋まってません。
ネットの情報で、動員でかなり苦戦しているという話は聞いていましたが、
ここまでとは…Kalafinaだったらチケット争奪戦だろうな…という想いがよぎります。
(以前のテキストで、ビクターのことを結構褒めてた記憶がありますが、
 プロモーションに関しては正直言って弱いんですよね…タイアップありませんし)

果たしてWakanaのモチベーションはどうなんだろう、そう不安になったわけですが。
しかし、公演が始まってからは、そういう気持ちは吹っ飛びました。
ツアータイトルに「VOICE」を冠していることに恥じることのない、
絶好調、いや今まで聞いたことの無い仕上がりのWakanaでした。
本当に率直に感じたのは、まだまだ成長し続けてるんだ、この人…と。
その想いをさらに強くしたのは、公演後半部分でした。


まずカバーコーナーでは、というか、アルバムのいくつかの曲もそうなのですが、
「時」というのを強く意識したセットリストとなっていました。
(中島みゆきの「時代」という曲の凄みを、カバーにより再認識させられたり。)
本人がMCで触れていましたが、時間というのは不可逆的だというけれど、
それだけじゃないんじゃないか、ということを話していて。
今を虚しくしないためには必要な考え方だな、と自分は共感したんですよね。
終わって全てが無くなるなら、終わらせられない、続けなくちゃいけない、
そうなると、生きていくのが息苦しくなってしまうと思うんですよね。
特に表現者はそうなんだと思うけど、そういう閉塞感は時にジャマでしかなくて。
ソロデビュー以降、その想いを「時」に仮託しているのかな、とも感じました。

さて…、ソロ曲「翼」からKalafinaの「むすんでひらく」。
このドライブ感溢れるつなぎももちろん良かったんですが。
このツアーで一番驚いたことは、アンコールに「ひかりふる」を持ってきたことでした。
この曲、昨年のツアーでも聴いたんですけど、
その時の感想は「足りない…あと2人がいてくれたら…」だったんですよね。
もしかしたら、本人も自分と同じ想いだったのかもしれない。
そのリベンジを見事に果たした、と自分は受けとめました。
もちろん3人の良さもある、けど1人での良さもこうやって出せるんだぞ、
そういう、独演したWakanaの矜持を見せつけられました。
今までそういう気持ちになったことはないんですが、
この人ってこんなに強いんだ、ということを思い知らされました。


ふと自分のことを振り返ってみると、4/11のMay'n@熊本のライブに参加し、
そこではWUGとのコラボユニット曲「ハートライン」をソロで歌唱したんですが、
その時彼女は「Wake Up, May'n!の曲は私が歌い継いでいく」的なことを話していて。
ふとその言葉が、Wakanaにも重ね合わさったんですよね。
(そういう言葉をわーちゃんが出したことはないと思いますが。)
少し難しい話をすると、Kalafinaの楽曲って作詞曲は全部?梶浦由記さんですが、
曲には原盤権という、楽曲に携わった人の権利をまとめたものがあって、
タイアップ曲は主にソニー、それ以外は事務所という、音楽出版社が持っていて。
(現状どんな力関係かは知らないけど一般論としてですが)
Kalafinaのあの曲を使いたい、となると、基本的に出版社の許可が必要なんですよ。
(まあいちいち許可とると大変なので、用途に応じて代理を司る管理団体があるんですが)
つまり、障害無くKalafinaの曲が歌えるのは、現状Wakanaになるんです。
ソロをやりたいという意欲ももちろんあったとは思いますが、
自分が事務所に留まることで、Kalafinaの曲はつながっていく、
そういう役割を意識している、そう自分は勝手に妄想してます。


さて、この際ですので、事務所にも不満ぶちまけておきます。
(事務所は事務所の言い分もあって見てはいますが、その上でのことです)
分かりやすく言うため、Kalafinaを川に例えます。全然分かりやすくないですが。
梶浦さんという地形があり、そこに演者という水が流れ込み、大きな川となりました。
しかし、伝えられている通りであれば、梶浦さんの周りで人間関係の軋轢があり、
それが延焼する形で、梶浦さん、そしてKeikoとHikaruも退社しました。
自分は、後期のKalafinaにはやや閉塞感を感じていたのも事実です。
求められたタイアップなりの曲を作り出すマンネリ感、
演者が満足いかないパフォーマンスを強いられるようなスケジュール。
いつかは立ち止まる、流れを変える時は来ていたと思います。
しかし、その状況を改善するのとは別の力が働いた結果の活動休止で。
たとえ話を引っ張るなら、川をせき止め、一本だけ運河を作り、
それ以外の水は溢れて不自然な状況となってしまった、そう考えています。

しかし、その運河の中で、WakanaはKalafinaという水を脈々と流そうとしていて。
消して元通りではないけど、成長し続ける力で水を湛え続ける。
その先に、未来を信じている、だからこそモチベーションを保っていると思うのです。
水は涸れてしまえば、川もヘッタクレも無くなるわけですが、
犬フェスであったり、YK LIVEにKeikoが出演決定したり、水は湧き出でている。
その水はきっと先の大地を潤し続けるわけで。
再び川となるかは分かりませんが、そうならないとも言い切れません。
(このことを考えている時、心の中に「輝く空の静寂には」が流れました。
 汀の彼方に、みなもとへ還る、細い路のことを。)


そんな考えを巡らしている時、ふとWake Up, Girls!の永野愛理さんが、
WUGという存在を一言で「水」と喩えていたことを思い出しました。
1分という限られた時間だったので、なくてはならないもの、と端的な説明でしたが、
それ以外の深い考えももしかしてあったのではないか。
常に生じ常に滅する、諸行無常の世界を意識してたとしたら…
考えすぎですよねそうですよね。
でも「コンテンツとしてのWUGは続いていく」って言葉に、
目に見えて活動してないから無くなってるじゃん!っていうのは違うと思うんですよね。
「見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。」うーん金子みすゞ。


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お前KalafinaとWake Up, Girls!どっちの話しとるんや、
という話があると思いますので、追記でKalafinaのことについて。

先日、文春オンラインでKalafina再結成か?みたいな記事がありました。
本人たちの言葉を待つまでも無く、チラシほどの価値も無い駄文でしたわ。
梶浦さんのことをアニメ界の秋元康とかいう事実誤認も甚だしい呼称は言わずもがな。
けーを天狗だの、わーひーが煙たがってるとかいうの、実に穢れたゴシップ。
そもそも3人は、それぞれがプロフェッショナル。仲良しグループではない。
その上で、Kalafinaの歩みを一旦留め、今は別の道を歩むことになったのも、
それぞれが互いの気持ちを尊重した結果だから、と受けとめています。

駄文の著者は、このひーちゃんのツイートの画像から何も考えが及ばなかったのか?

https://twitter.com/Hikaru_0702_/status/1106389460214636545

俺は筆跡鑑定士でもなんでもないので、何人がこれ書いたか知らない。多分2人だけど。
でもなぜ三角形にしたのか、下辺の「ありがとう」は誰に残されているものなのか。
そういうことに想いを巡らせず、ただ表層だけあげつらうしか出来ないなら、
48だか46だかのケツを追っかけ回すのが関の山。もしくは転職をお勧めします。

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KalafinaとWake Up, Girls!。いろいろと日にちが重なっているんですよね。
1/23の10thとメモリアル発売。3/11の現状最後のライブと東日本大震災。
6/15はYK Live初日と解散発表。そして5/12はWakana千秋楽とGLF。
自分はこのテキストの初出の時に強く言いました。
「Kalafinaが好きな人は、可能ならVOICEツアーの千秋楽に絶対行くべきだ」と。
まあ、アクセス数的には残念なテキストになりましたが…

自分は申し訳ないですがあんな事務所のFCに入りたくないため、
Wakana日記やFC限定掲示板などは見る術もないですが。
わーちゃん、ひかりふるで詰まって歌い直ししたとか。
それを聞いて、福岡で自分が感じたことに、間違いはなかったと思いました。
5/4のWakanaに触れて、「Kalafinaは続いている」ことを感じたんですよね。
どっかの事務所が勝手に解散宣言しましたが、そんなの関係ねぇ!
5/12、Kalafinaという終わらないコンテンツの第二章が始まったんです。

だから、Wake Up, Girls!が解散して、第二章を迎えられず途方に暮れている人も、
色んな物事に触れて、WUGみを感じて欲しいなと。
きっと未来には、色鮮やかな世界が待っています。
この世の中ってクソッタレだらけですが、意外と捨てたもんじゃないですよ。



自分勝手な言い分ですがあえて言います。
忘れないことが、上手に忘れることなんだよ、と。

(物語フェスやamazarashiのライブに感化されて、
 「始まり」と「終わり」を表現したいなーと思ったんですが、
 今思い返すと、この勝手な言い分が、実は絶妙に表現できてた、というオチでした。)
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