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2019年12月10日00:54

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『ロニートとエスティ 彼女たちの選択』

ロニートとエスティ 彼女たちの選択

 “一対の燭台”、二人はまさにそういう関係だった。
共に相手の傍らにいて照らしあいながらも交わることはタブーだった。
しかし、一対で意味を成す燭台は離れていてはならない…。

 レイチェル・ワイズが英国人作家ナオミ・オルダーマンの自伝的原作に出会い、『ナチュラルウーマン』のセバスティアン・レリオ監督の才能を高く評価している彼女が自らプロデューサー役を買って出た意欲作。原題はdisobedience(不服従)。

 ニューヨークでカメラマンとして活躍するロニートの元へ父であるユダヤ教のラビの訃報が届く。縁を切られ、長く疎遠であったロニートが故郷英国へ帰途に就く。
父の葬儀をきっかけにして炙り出されるロニートの過去。

 この世には互いに好きであっても赦されない愛もある。
しかし偽りの人生よりも自分に正直でありたいと思う気持ちはよくわかる。
信仰か愛か ― 特に映画に描かれる厳格なユダヤ教徒の場合はより深刻な問題だ。
再会した二人が歩む先は光か闇か。

 『噂の二人』から半世紀も経ちタブーはグンとなくなったとはいえ同性愛に対してまだ寛容とは言えない。
ラビは古い秩序の象徴そのものであったろう。
ロニートの帰郷は“自由の国”アメリカからもたらされた新しい風だったに違いない。

 レイチェル・ワイズ(ロニート役)とレイチェル・マクアダムス(エスティ)のダブル“レイチェル”主演でかなりきわどいシーンも体当たりで演じきっている。
ユダヤ教には無知なため初めて知ったしきたりなども面白く感じた。
セバスティアン・レリオ監督の期待にたがわぬ繊細な演出に酔う。

フォト

2020年2月7日より ヒューマントラストシネマ有楽町他にて。

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