『ターミネーター ： ニュー・フェイト』

『ターミネーター ： ニュー・フェイト』

　人気シリーズン宿命か、幾度となく仕切り直しが行われた。
改めて3作目以降はなかったことにしての2作目の“正当なる続編”という触れ込み。
今回は生みの親であるJ・キャメロンが一枚かんでいるだけあり、これまでより期待はあった。

　初期2作品の懐かしい顔ぶれや過去のエピソードとの関連（小さな車を大きな車が追跡するとか）を思わせる点に「知っているターミネーター・シリーズ」という認識は持てる。
J・キャメロンが提案したという開巻早々のショッキングな演出に驚かされるが、逆に言えば3作目以降の呪縛を解き放つためでもあったと思う。

　ストーリーラインはどこか既視感も覚えるが、現代の監視社会やテクノロジーの進歩、AIの進化にたいしての問いも感じる。
新型ターミネーター“REV-9”から逃避行をする主要人物の3人が女性であることやメキシコ国境問題など今風の視点も垣間見える。

　3以降の過去の続編との違いでいえばサラ・コナー役のリンダ・ハミルトンを登場させたことは大きい。
新キャラ・グレースのシャープな魅力もあるが一気に作品に厚みを増す。
（続編は興行成績の成否にかかっているのか？）