イタリア映画祭2019 『ドッグマン』
http://www.asahi.com/italia/2019/
http://dogman-movie.jp/
もう3か月以上前の記憶なのだが(笑)、一般公開になるので備忘録として記しておこう。
今年のイタリア映画祭は多忙だったため諦めようかとも考えたがカタログを買うだけでもいいか…という名目で1本だけ鑑賞。
海辺の小さな町で犬のトリマーで生計を立てる男マルチェロ。
立地もあまりよくなく貧相な店舗だが頻繁に出入りする悪友シモーネの存在が立ちはだかる。次から次へと問題を持ち込む。
まるでジャイアンとのび太のように厄介な関係か。
『ゴモラ』の鬼才マッテオ・ガローネ監督が80年代に起きた実際の事件に着想を得たという。
<ドッグマン>とはトリミングサロンの店名なのだが、いい得て妙。
まさに主人公と悪友は犬が従属する間柄のようである。
しかしこの悪友シモーネがいなければマルチェロは幸福なのだろうか?
単純な善悪問題や主従関係でないあたりに人間の複雑な一面をうまく表現している気がする。
比較的シンプルな話にもかかわらず、小さなコミュニティの閉鎖的怖さも感じさせる一筋縄ではいかない作品。
キャスティングが良い。マルチェロの頼りないうつろな瞳と肉体改造をして挑んだというシモーネ役エドアルド・ペッシュの迫力に圧倒される。
2019年8月23日公開予定
ログインしてコメントを確認・投稿する