『
バーバラと心の巨人』
うさ耳をつけたメガネっ子<バーバラ>はいつか巨人に襲われるという妄想を抱き、誰にも理解されない奇行を繰り返す。
そんな彼女を先生や転校生は心配する。
原作はグラフィックノベルらしいが、少し前に公開された『怪物はささやく』とかぶる点が多い。
さしずめ少女版『怪物はささやく』ともいえるかもしれないが、違いは友の存在だろうか。
バーバラの痛い妄想に付き合わされる友人ソフィアの心中やいかに。
ソフィアの存在が会話劇として成立させて、観客に自然な説明をくわえるとともに支えとなっていく。
繊細な思春期の心のありようを巧みな妄想譚に置き換えた手腕は、確かに人気がある原作だと分かるものの、タイミング的には損をしているように思えてならない。
言葉遊び的な側面をウマいとみるか無理矢理と感じるかは意見が別れるかも…。
小道具のセンスがなかなか魅力的。ハンドメイドのぬくもりを感じさせる。
災いをもたらす巨人が意味するところは薄々勘づくだろう。
キャスティングはそれぞれ魅力的だが、特異なキャラクター<バーバラ>に命を与えているマディソン・ウルフはとりわけ見事。
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