ウェールズvs仏。

ウェールズが死闘制し４強、支配率５％からの逆転劇
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　20日のゲーム。21日深夜の再放送で観た。しかし結果を知っていて観ると、スポーツってのは観方が全然変わってくるもんぢゃな。で、このゲーム。おもしろかった。フランスのゲームは、やっぱりオモシロイ。

　大分、スポーツ公園総合競技場。　3万4000人入ったそうな。おもうに日本のスタジアムってキャパが少ない？　エゲレスの"聖地"級のラグビー場は6万とか8万とか入るようぢゃが。スポーツの本場と極東の３流国（今や名実ともに）の違いかのう？

　そうか。もうプールＡはすべて消えたんぢゃな。

　やはり「ら・マルセイエーズ」は血沸き肉躍る曲ぢゃのう。

　キックオフ。まずはウェールズ。そして３分には仏が攻め込む。チャンスになったぞ。４分、５ｍでラインナウト、モール。ブレイクしてゴールに突入、グラウンディングならず。次のサイドアタックでトライ。5-0、6分。まずはフランスが先制。この時間に取ってくるか。これはフランス優勢ぢゃな。

　あ、足を取られている…やはり昨日の雨でフィールドは厳しい状態になっているか。芝だと一見マトモでも下がずるずるってのもよくあるらしいからの。大分の気温や湿度はどうなんぢゃろう？　トーキョーに居ては全然わからん…しかしこのゲームもハンドリングエラーが少なくなかった、やっぱり湿度は高いんぢゃろうな。この国は真冬でなくばラグビーやるには向いてない。

　7分、連続トライ。おー。奇麗なトライぢゃなぁ。ラインブレイクした後は、タックル来たらパスをつないで、タックル来たらパスをつないで、と、ゴールに一直線。すこぶるきれいに決まっていた。教科書もんのきれいさ。12-0、8分。

　11分、仏10ｍあたりの攻防。攻める仏、球がこぼれて…拾ったＷ、そのまま穴を突いてゴールへ一直線、あっさりとトライ。なんだこれ。フランス、気を抜くなよー。12-7．12分。

　15分、仏ラインナウト、モール。ウェールズが押す。ＦｗではＷに分があるか。潰れた、Ｗボール、ファーストスクラム（16分）。Ｗ、連続攻撃開始。20分、ＳＯダン=ビガーのＰＧで詰め寄るＷ。12-7。

　23分、ハンドリングエラーが多いなー。24分、ハイボールの競り合いに勝って深く侵入した仏、だがペナルティで自滅…。
　Ｗの連続攻撃。仏陣へ、おろ、抜けた。うーん。仏、ちょっとＤｆが甘すぎる。こうもスポスポ抜けるのはなんぼなんでもなぁ。仏は伝統的に出来の言い時と悪い時が極端だ、言うても。

　28分。Ｗの良いタッチキック、仏陣まで伸びた。お、それをすぐに入れてくる仏、ここからが今日の白眉。フランスの連続攻撃、これだこれ。こういうフランスを見たかったのだ。崩れた体制からのアタック、リスク込みの。ひょいひょいとヨコ、前、22ｍ内へ侵入。たまらずＷ、イエローが出た。29分。
　22ｍで仏ラインナウト、アタック、Ｆｗ戦、30分、遂に切り裂いてトライ。19-10、31分。この数分間がフランスの融通無碍なラグビーを実感できた、とても良い時間であったな。

　リスタート。メダールのところに入った。裏へキック、チェイス、こうなるとキープしたダン=ビガーも蹴り出すしかない。仏ラインナウト、ラック、５ｍまで迫る。Ｆｗ戦、うおお、ターンオーバー。蹴りだされた球を再び仏がアタック。うひょひょ。ラグビー観てるって感じの攻防だねぇ。実に楽しい。
　36分、仏ＰＧ．お、ポールに当たってプレイオン。Ｗがキープ、タッチへ逃げる。仏ラインナウト(38分)、22ｍ。Ｆｗ戦、あ、ノックオンしてターンオーバー…あ、うちに戻したのがフランスの手へ。トライか？　いや、先にペナルティがあったのか。Ｗボールのスクラム、41分、蹴りだして前半終了。

　うひゃひゃ。おもしれー。中盤以降、球がよく動く、目まぐるしく攻守が変る、実に面白いゲームになってくれた。手に汗握るというより、ドタバタ喜劇のような、うひゃらうひゃらと笑ってみられる展開（まぁ双方のサポーターは気が来ちゃないんだろうがね）。お祭りっぽくて、すっげー楽しい。わしゃこんなラグビーを見たいのだ。

　後半。いきなり蹴りあいが始まった。なんだなんだ。それからもう混戦。目が離せんぞ（いや、メモしてるので離さざるを得んのだが。ちょっと離すといきなり決定的な展開になっていたり、ある意味困ったもんではある）。

　フランス優位の展開は変わらず。とはいえ双方に決定的なチャンスもなく推移する。43分、ＤＧ失敗、仏ロペス。だが47分、動いた。
　モールでペナルティ、ってことでＴＭＯ．　モール内でもみ合い、仏ロックのバーマイナの腕がまずウェールズ選手の首にかかった。その後外したが、今度ははずみか何かか、顔面に肘撃ちを食らわせる。おいおい。相手は踏んだり蹴ったりぢゃの。モールの中で身動きもままならぬから抵抗も出来ない（いやほんと、ドタバタ喜劇ぢゃな）。いやもう客席大ブーイングー。こりゃもうさすがに一発レッドカード。いやー。これで14人になってしまったのが、分水嶺だったねぇ。

　49分、仏22ｍでＷのラインナウト、モール。前進。お、ラックでターンオーバーしたか。51分、モール、Ｗにアドヴァンテージ。22ｍ内へ。じわじわと前進。結局ＰＧとなって13-19、詰め寄るウェールズ。

　55分、仏が攻めこむ。ラインナウト、モール…22ｍ上、Ｆｗ、連続攻撃。しかし赤がよく追いついて、いいＤＦをする。攻めきれないフランス。
　かといって赤もうまいこと行かない。61分、リスタートのキックを仏がキャッチミス、ハーフウェイあたり。Ｗ，チャンスか！ペナルティでまた前進、22ｍ内へ侵入、ラインナウト、モール。が、結局仏がターンオーバー。双方どうにも波に乗り切れない。とはいえボールは動くので見ている方としては結構面白いんだがね。

　まぁどっちかってぇと、フランスが攻め、ウェールズが受けてる感。いや、もう後半半ばすぎてるんだが、「なんでこれ、ウェールズが勝てたんだ？」と首をひねる展開になっている。ひとり少ない状況だしなぁ、レッドカードがなけりゃフランス勝ってたろうなこれ。
　…フランスのセンターすっげぇ。一人引きずって、10ｍほど前進したぞ。

　そして72分。Ｗ、仏陣深く侵入、22ｍあたりでラインナウト。モール。押すッ。あと10ｍ、5ｍ。仏ボールのスクラムになった。Ｗ、押す。ブレイクして球出し…
真上に投げ上げた感じ。それをキャッチして飛び込んでトライっ。うわ。なんだなんだ。なんだったんだこれは。仏の一瞬の油断？エアポケット？　ボールに対する反応の差だろうなぁ。集中力。ほんの一瞬の差だもんなぁ。集中していた方が、勝つ。　ＴＭＯになった。スローフォワード？　いや、パスなのかどうかもよくわからん。だがトライ成立。18-19、コンバージョンも決まって20-19、逆転。

　しかしまだ6分ある。ぎゃはは。ある意味間が抜けてはいるな、ミョーに中途半端な時間に逆転しちゃったよ。まぁ観てる方としてはこの6分は実にオモシロイ6分なんだがね。さてどうするフランス？まだトライ取る体力気力は残っているか？
　だが。運命の女神はもう結果を決定していたようだ。74分リスタート。そして…メダールがけり返したボールが伸びすぎてデッドボールライン割っちまったよ。蹴った地点に戻ってスクラムー。もうＷ的にはのんびりと時間を消費するのみ。でもってまた仏がペナルティ。77分。

　78分、仏22ｍ内でＷボールのラインナウト。モール、Ｆｗで時間使って、80分、蹴りだしてノーサイド。いやまぁ最後はあっけなかった。途中面白かった分、ちょっと物足りない気もするが、ドタバタ喜劇的にはラストは急転直下、落として終わりってのもありだろう。フランス的には悔やんでも悔やみきれまいが。

　いいゲーム…とは言わないが、おもしろいゲームではあった。フランスのエスプリ、ということにしておこう。