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2020年02月19日00:13

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キャンティ・フィアスコ


ハローワークのパイプ椅子に座っていると
尻の強張りと事務員の顔面の黒子が均衡し
労災の支給は滞るが、尻はますます痛く
この憤怒など国税の前になんの意味もなさぬが
無常にも事務員の黒子に黄金率を見出だす
わたしは今から
悪罵して尻を解放し
事務員を強姦して
ブラインドで羽根を傷付けた鳩
になる
特別な休日へ
粗製濫造なキャンティを

海岸線、その砂に埋もれた若人の叫びたち
幕はきられ、そこに何もないことが無闇に
愉しくなる、と初めて鶏卵のようなワールド萌芽が寝不足する
切羽詰まることがまるで、鼻先へぶら下げた美酒のよう
「客入れ5分前です。」

酒を売る。ミンティアを売る。木を担ぐ筋肉を売る。葬式の段取りを、捏ねた蕎麦を、愛嬌を、鱈の白子を、情報や虚構も売る。売れるものはなんでもうる。Arbeitへ何を拘る。
かびくさい暗幕の牢獄へ霊(たましい)までうりはらったつもりでも
未だに存在してキャンティを傾ける
美酒とまでは言えないDOCGが、銀色の外套を纏ったうんちみたいに研がれ
いっさんに陽を浴びる酒屋の軒先は混濁のサマを見せつける
それは明くる朱に染められた確固たる幻影である
体温に体温に
ぬくまりながら陽にも
さらされ


Arbeitへ精をだすと実際に精がでる
バスへ揺られながら、今、死の縁へ居ることなど
どうでもよく、健康な内臓から昇る風花の吐息が
不安定で
ばじりこくらいには価したいと思った
真実を問おうものなら、指が全部もってかる
垣根には初夏、君の清純が花をつけた
うすむらさきで
愛情に守られた
ほっとけば天まで
蔓延ってはドヤるような
束の間の休日の朝に
薄く削いだバターが融けて
どこか懐かしい

キャンティ



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