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2020年01月25日23:50

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スプリッツァー


暗い森がある
現象としてある
右の腿を椅子から
上げるのは
屁をひるサインだが
脳がもう森であり
海馬の寺院から助手席のゴリラへ
泡立つ黄色の草むらが輝き蝸牛にぬめり
沸騰する怨念をスプリッツァーしている

来し方へ集合するマンデルブロの図形化
億千の蝋燭の灯火の
ただひとつの灯を抱くように
戸口で気付き、摘まみ捨てるオナモミそのトゲ
来し森の地面へ
手を翳すと手は温もる
この手もやがてくさり
線虫の糞(ふん)となり分解さる熱量輪廻でサーフィンする
「ママ、コジキがしんでたよ」

輪ゴムで繋げた
糸巻き車が畳をぱたかたとはしる
おれは聴衆と化しているつもりが
猫のようになにひとつ意味もなく食い掛けのピーナッツを車めがけて弾く
それは人工の星でもあり
スプリッツァーした声無き怨霊の
最もきよらかな喘ぎ
そしてただの星空だ
「もう寝る?」

の?涎で茶ばんだ海豚が脊髄を貫通し
おれは全身で塩になって
洗濯屋のバックヤードで大地が揺らぐことをどこか夢のようにみている
そして走り、始めるが
ボミオスされてどうも具合がよくない
夜の影にかくされた川は流れる為だけに唯ながれてゆき
「支流」という言葉を以て初めて
本尊を食い破る元気があるの
言葉を発そうとしたくない
恋人たちの沈黙がキャンディの包み紙の中に押し込まれ
やつれ自由闊達上下しては
ひかっては
におい
メリーゴウランど
時を細分化し
永劫を成すかなしい一本の枝となり
弾けない笑顔は闇へくるまれてもひかる

「ママ」




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