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2020年04月01日07:18

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サーバー全廃

企業などの組織が自ら運用するサーバの規模は拡大を続けてきた。加えて、クラウドサービスも普及してきた。企業の運用するサーバは、実態はレンタルサーバで物理的には企業外に存在している場合も多い。また、一部をクラウドに置いている場合もある。
ともあれ重要なデータは、物理的にはどこかに所在するサーバに集中的に存在しているといえる。分散サーバの場合も、有限数のサーバに集中しているということはできる。
サーバを核とするシステムは一定の頻度 (少ないとはいえ) でシステムダウンするものである。世の中の重要な情報群が、一定の頻度で常時危機にさらされているともいえる。

サーバを全廃する研究が進められているという。個々のファイルなどをネットワーク上の端末機器に分散して持たせるのである。分散といっても、例えば.docファイルの1頁めをパソコンA、2頁めをパソコンB、というように分散させるのではない。iniファイルはAに、コンパイラに渡す引数はBに、文字列は暗号表に従ってシャッフルしてC〜Eにという具合に、ファイルの構造を解体して持たせるので、仮に個々の端末機器の記憶内容を取り出しても、単独では意味のある表現は読み取れない。また、パソコンなどの端末機器は追加されたり廃棄されたりするので、全ネットワーク上で5〜10倍の冗長度で保存する。そして定期的に保存先の更新が (パソコンの電源OFF時にもリモートモードで) 行われる。
これらの動作は自動的に行われ、エンドユーザは動作を意識することはない。また、個々のパソコンで使用される記憶領域は機械語のレベルでしか認識できず、高級言語の階層からは見えない。

5G通信では通信速度と容量が飛躍的に向上すること、固体メモリの記憶容量が近年劇的に改良されてきていることから、mcrosoftとimtelが共同でシステムの開発を進めていると報じられている。
まずは企業向けなど、単一のVPN上の複数のパソコンに分散させるシステムを、専用仕様のパソコンと共に2021年4月1日までに試験的に販売をはじめるとして、ローンチカスタマーとなる企業を探しているそうだ。
将来的には一般に市販されるパソコンに搭載し、順次オープンなネットワーク上に運用を拡大する構想だという。

このシステムの目的はサーバに存するリスクの回避に止まらない。このシステムのもたらす本質的な変革は、知の遍在が物理的にも現実化することだといわれる。
なぜなら、テロや天災により幾つかのパソコンが破壊されたとしても、分散記憶の冗長度のお陰で、データが消滅することはまずないからだ。逆にいうと、どの一つの文書も、ファイル消去の操作をするか (これは従来からある操作)、地上の全てのパソコンを同時に破壊するかしない限り、消すことはできなくなる。
また、将来的には、(システム上に遍在することとなる) 深層学習のソースコードが、そのシステム自体を対象とする深層学習を実行することが、可能になるという。
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