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2020年02月24日09:23

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☆洋ちゃんの読観聴 No. 1384

☆洋ちゃんの読観聴 No. 1384                 

市川憂人 「ジェリーフィッシュは凍らない」   

これは著者のデビュー作で2016年の各誌の
ミステリー・ランキングでベスト10に入ったもの。
最近になって文庫本化された。
いわゆる本格派ミステリーである。

本格派ミステリーのファンであれば、アガサ・
クリスティの名作「そして誰もいなくなった」を
必ず読んでいるだろうが、本書はクリスティの
名作へのオマージュだ。

「そして誰もいなくなった」のオマージュ作品は
少なくない。それだけインパクトのある作品
だったことの証明でもあり、また多くの作者が
挑戦し類似の作品を生み出したということだ。

ジェリーフィッシュとはクラゲのことだが、本書
では特殊技術で開発された小型飛行船だ。
あくまでも著者が創り上げた架空の物体で
あり、その技術も現実社会にはない。
そして時代設定は1983年としている。
これにはわけがある。21世紀にしてしまうと、
ITやDNAなどの技術発達があり犯罪捜査が
容易となるが、それらを活用できない設定と
している。

作品の構成だが、一つは飛行中のジェリー
フィッシュ内の進展、もう一つは事件後の
警察による捜査の進展。これらが交互に
章替わりとなっている。

ジェリーフィッシュは試験飛行を行い、
それには開発にあたった6人の研究者が
乗船している。だが、計器の故障か、
山中に不時着してしまう。そして、一人
また一人と殺されていく・・・。

この作品のミソは飛行船という閉ざされた
空間の描写であると思う。これから読む
人のために詳しくは書けないが、上手に
著していると思うし、僕は見事にだまされた。
もう一度よおーく読み直してみたいと思う。 
著者はアンフェアな記述はしていないと
思う。





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