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日記一覧

 布団を並べて敷き、並んで寝転びながらふたりはぽつりぽつりと会話を交わす。「あのさぁ、きれいだって言われて母親似ですって何よ」「あは、それはお父さんと似てないことの言い訳でして、他意はありません。 あ、でも、耳の形とか頬の線とか似たとこある

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さよならには慣れなくて
2020年06月05日14:31

幸せな時間はあっという間に過ぎる。今日はプリンちゃんが帰る日。朝のうち、ふたりで散歩に行って汗をかき、今日もプールへGO!たっぷりはしゃいで遊んで、「そろそろお昼ご飯だから上がって」とお母さんが言いに来たら、「もっとプールであそびたいのー!」

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「貸そうか? こんな婆あのシャツでもよかったら」 彼は心の中で親指を立てる。作戦成功だ。「いいんですか、そんな? ハリ、厚かましいけどお借りしたらどう? 温泉に入れるよ」「もうずっと使わんからいいわ。持ってこよう」 おばあは濃いねずみ色の薄

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プールびらき!
2020年06月04日18:15

みごとに晴れた。暑いねぇ・・・・。「プールあそびしたい!」とプリンちゃん。同感!よーし!ビニルプールをふくらませるのは大変だけど、可愛い孫のため。シュコシュコシュコシュコシュコシュコシュコシュコ・・・・・・・・・。ばてたー!でも、ふくらんだ

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 6時半を過ぎたころ、「用意ができたから」とおばあの声が聞こえた。そちらの方へ行ってみると、台所の手前の座敷が食堂なのか、座卓に質素な食事が用意されていた。おばあの姿もご飯も汁物もなかったのでしばらく待ってみたが一向に出てくる気配はない。こ

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衝撃の告白
2020年06月03日16:14

「あのね、おじーちゃん」「なに?」「あたしね、ドンドンできるし、おもちゃがいっぱいあるから大阪のおうちにきたかったの」え?!ドンドンできると言うのは、マンションの下の階に気を遣わずに飛び跳ねることができるという意味である。空きスペースがある

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「ねぇ、お父さん、もーいーかい?」「あ、悪い」 彼は急いで左の湯に移ってから叫んだ。「もーいーよー」 最初、ハリの目に自分の裸体が触れるのには抵抗があったが、圧倒的な自然に囲まれているうちにそんなことはどうでもよくなってきていた。 ハリは近

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 さらに教えられたルートを先に行くと、上りの細い道は舗装されていたし、電動自転車なら大した苦行ではなかったが、両脇に密生する竹の枝が道にしなだれかかっているので、頭を左右に振ってよけながらのサイクリングになった。「これは確かにヘルメットが必

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 まだ陽は高い。来た道の記憶を辿りながら人影のない静かな路地を港に戻り、先ほど見かけた観光案内所を訪ねてみたが、小さな事務所のガラス扉には「ただいま外出中、ご用の方は」と携帯番号が掲示されていた。「どうやら宿だけじゃなくて島に観光客はぼくた

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× 2日間の欠航で滞っていた物資がまとめて届いたらしく、積み込みに時間はかかっていたが、やがて積み終えたおばあが運転席の方に回ってふたりを見、怪訝な顔をする。「1人と聞いとったがな」「そうなんです。娘が一緒に来たいと言うもので。もちろん部屋

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「あのおじさん、お父さんと違ってかっこよかったなぁ」「あのねぇ、認めるけどさ、そういう言い方って便宜上の親子の関係ではちょっと失礼なんじゃないかな?」「いいでしょ。あのおじさんも認めてくれたじゃない。誰がどう見たって立派な親子なんだから」 

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 やがて船首と船尾から出た太い綱が巻き上げられ、船が港に横づけになった。タラップが降ろされて行く。彼はスタッフに尋ねた。「何分ほど停まってるんですか? 降りることはできますか?」 タラップを降ろしながら、精悍な壮年スタッフが答える。「うーん

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 船のローリングは酷くなるばかりだった。何か物を伝わなければ歩くのも難しくなっていたが、昼が近くなったので食堂兼用の休憩室まで昼ご飯を食べに行った。おにぎりを頬張り、お茶を飲む彼を、テーブルに頬杖をついてハリが見つめている。 彼は近くのコン

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9日にも書いたけど、今月末で大阪人権博物館が幕を閉じる。記事にもある通り、元知事が恣意的に潰しにかかったのである。今日、お別れを言いに行ってきた。朝一から館内は混んでいた。老若男女、みんな閉館を惜しみ、憤っている、心ある人たちだ。改めて展示

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 しかし大隅海峡が近くなると台風のような風になった。船が出たときの凪いだ海が嘘のように荒れ、船も酷く揺れた。じっと立っていることも難しくなり、予想通り見事に裾野までの全貌を披露した開聞岳を捉えようとする携帯も風に煽られてしまう。彼は何度もシ

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 支度を済ませ、ホテルを出た。バスに乗ると乗客は彼とハリだけだった。気の好さそうな初老の運転手で、「どちらに行かれますか?」とバスを走らせながら尋ねてきたので、「硫黄島へ」と答えると、「それなら高速船ターミナルが近いですね」と言う。先日の欠

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 7時に目が覚めた。やはりハリは寝入ったときの形のままで彼の腕の中に納まっていた。彼が慎重に腕を抜こうとしたが、ハリは目を覚ました。「ごめん、起こしたね」「ううん。よく寝た。食欲はないけど睡眠欲は旺盛なんだ」 三大欲求からの連想で思わず性欲

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× 夕方早くにホテルを出た。彼は一昨年に続いて2度目だったが、ハリにも鹿児島県最大の繁華街であり歓楽街であり、昼と夜の顔が全く違う天文館を見せてあげようと思ったし、しばらく入っていない居酒屋にも行きたかった。ことのついでに西郷隆盛像を観に行

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久宝寺緑地
2020年05月23日12:56

久宝寺(きゅうほうじ)緑地まで走ってきた。大阪府内4大緑地のひとつだよ。大阪の人はあとの3つも知りたいよね。って、わかるか。服部、鶴見、大泉でした。久宝寺緑地って八尾市だとばっかり思ってたけど、なんと、八尾市、東大阪市、大阪市と3市にまたが

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 次に姿を現わしたのはあまり歓迎できない代物だった。旭日旗を掲げた潜水艦が浮かんでいたのだ。彼は以前に呉の海でも見かけたことがあった。ハリはこれも初めて見たと珍しがったが、潜水艦などはどこで見かけても不気味なだけだ。 それ以外には特に見るべ

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「そうだ、今日の宿の確保だった」 彼は受話器をとった。「おはようございます。フロントでございますが」「あの、この部屋じゃなくてもいいんですけど延泊できますか?」「少々お待ちください」 キーを叩く音が聞こえ、「はい、同じお部屋をご用意すること

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 6時過ぎに目が覚め、うつらうつらしているうちに7時半になった。窓のレースカーテンを生まれたばかりのような陽射しが仄かに照らしている。午前中は雨の予報だったがきれいに晴れている。これなら海も荒れてはいないだろう。昨日のこともあったので、ハリ

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普通のありがた味
2020年05月20日17:46

親しくしていただいている蔵田美和画伯の個展が、あべのハルカスのギャラリーであったので、友人のぴがし画伯を誘ってお邪魔した。けれどもコロナ禍はこんなところにも影を落としてたのね。だってさ、ハルカスも営業自粛してたから、個展は開かれるかどうかわ

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 外に出ると雨は上がっていて、来たときと違う道を通ると「平和の鐘」があった。彼はあまりそういうことをしない方だったが、ハリとふたりで綱をとり、撞いた。まろやかな音がし、余韻が長く響いた。 彼は少し恥ずかしかったが歩きながら、若いころに好んで

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 次の朝、いつかハリを見かけた砂丘の砂粒のような雨が降っていた。駅前からバスに乗って港の近くまで行き、小さな折り畳み傘ひとつに収まって、それぞれの右肩と左肩を濡らしながらフェリー乗り場まで歩いた。国や県に対応する業務が多く、島への足が不便な

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検察官法案見送り
2020年05月18日23:41

国民の 声を聞いてと 舌打ちし

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「どうして旅をしてるの?」「特別に旅が好きってわけでもないけど、昔からずっと帰る日の決まってない旅っていうのに憧れてた。仕事してたらそんなことできないでしょ。今は仕事を辞めたから、その夢を叶えてるわけね。誰かのおかげで奇妙な旅になったけど」

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 彼が予約してあった駅前の大きなビジネスホテルにチェックインするとき、ハリは外で待っていると言った。お金のことはいいからもうひと部屋とろうと彼は誘ったが、今日はもうお金を使わせてしまったし、節約できるところは節約した方がいいとハリは譲らなか

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ご無沙汰図書館
2020年05月16日15:34

今日から市内の図書館が全館再開された。早速行ってみた。2か月ぶりだよぉ。込んでるかなと思ったけどガラガラだった。休館中に書架の大整理が行われたのか、書籍の位置が変わってた。2冊借りてきたけど、これまで貸出期間は2週間だったのに、入館者を分散

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×「で、ぼくはこれから鹿児島に出るつもりだけど、ハリはどうする? 一緒に来るのかな?」 ハリは頷いてからから答えた。「一緒に行きたいけどあんまりお金は使わせたくないから鹿児島で合流する」「別にそんなこと構わないよ。当分困らないだけの蓄えはあ

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