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2020年04月03日20:28

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経済政策とコミュニケーション、失敗二つ

新型コロナウイルスに伴う経済の減退で、政府与党は様々な対策を打ち出している。
小口貸付金や雇用調整金の拡充など施策は多岐に渡っており、万全とまでは言えないが、
それなりに対応はしている。

また、報道を通じ、検討途中の施策について様々な観測気球が上がっている。

ただ、それらの施策や検討状況の情報が政府与党の対応への信頼感を増しているとは、
お世辞にも言えない。むしろ牛肉の商品券やら何やらの観測気球や、世帯二枚のマスク
支給と言った個別施策に人々は一喜一憂し、悲憤慷慨しているのが現状ではないか。

いささか後知恵にはなってしまうが、そこには、今回の経済政策における
コミュニケーションに、これまでのところ、失敗があったと言わざるを得ない。

では、その失敗はどこか。個人的には二つあったのではないかと思っている。

一つ目の失敗は、「全ての国民・住民を見捨てない」というメッセージ発信が不足
していることだろう。

新型コロナウイルスの感染爆発を少しでも防ぐには、様々な自粛要請や在宅勤務への
要請をはじめ、日本国内の全ての国民・住民の協力が不可欠だ。したがって、対策の
ステークホルダーは全ての国民・住民のはずである。

しかし、発表される個別施策は、直近報じられた世帯への現金給付を含め、いずれも、
一定の要件を満たした企業であったり、個人であったり、国民すべてを網羅するもの
ではなかった。また、検討途中で観測気球的に報じられる施策も、特定の業界のみに
配慮したものでしかなかった。

これでは、施策の対象とならない人々は「自分は政府から見捨てられたかもしれない」
と疑心暗鬼になる。そして政府の新たな発表を見て自分が含まれないのを見ては失望
と疑心暗鬼を新たにする、という悪循環に陥ってしまったのではないか。

もう一つの失敗は、一つ目とも関連するが、経済対策の全体像の発信が欠如ないしは
著しく不足していることだと思う。

決まった内容を小出しに発表するとともに、観測気球を上げて報じられた反応を見て
微調整するような今の政府のやり方は、率直に言って非常にわかりにくい。

敢えてフォローするならば、調整が終わって確実に実施できることをなるだけ早く
リリースしたいという気持ちは分かるし、やるべき施策の世論の反応を見たいと
いうのも、理解できなくはない。

しかし、小出しにすればするほど、そこへの議論に報道や世論や専門家が群がって
様々な情報が発信され、全体を見ればどこかに自分が対象となる施策があるにも
関わらず、自分が見捨てられた」という要らぬ不安や憶測を生む。

また、当面注目されているもの以外の対策の情報がぼやけてしまい、必要な人に
情報が届かない恐れも高まる。

やはり粗っぽくていいから、

・施策全体の大まかなカテゴリ分けとその目的
(当座の生活および支払いの保証、景気回復の加速化とか)
・各カテゴリ内の主な施策メニュー
(税や保険料の猶予・繰り延べ、特定業界への補償金とか)
・各カテゴリ及び施策の実施時期(短期、中期とか)

くらいの全体像をはっきりと、しかも繰り返し示し、定例会見等でそのフォローアップ
を行うべきだったと思う。その方が、

・自分がどのカテゴリで支援の対象になるのか
・どの施策の対象になるのか
・それが短期の話なのか中期の話なのか

など、まだ決定されていない施策についての予測可能性が生まれるし、
それによって人々がよりよく理解できると思うのである。

とはいえ、新型コロナウイルス対策は長期戦となるのは確実だし、経済対策も、
一過性のものを一発撃っただけじゃ意味が無く、各種対策のリリースは続くはずだ。

経済対策に関する政府のコミュニケーションが少しずつでもより洗練されて
くることを、どうか期待したいものである。

ではまた。

■現金給付、1世帯30万円=所得減が条件、自己申告制―新型コロナで経済対策
(時事通信社 - 04月03日 15:01)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=6033428
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