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2017年09月10日23:28

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『怖い絵』

先週の金曜日、兵庫県立美術館で開催中の『怖い絵』展をみてきました。

ずっと気になってはいたんだけど、関西では7/22(土)からの開催で、
がっつり夏休みじゃん! て敬遠してたの。
(子連れで行くことになるので、混んでいたら子どもが可哀想だし、
 空いていたとしてもせっかくの絵画がゆっくり見れないようだと心残りなので)
やっと9月になり幼稚園の給食も始まったので、バスを見送った後いそいそと向かいましたよ。

終了間近とあって、平日だというのに結構混んでてびっくりした。
始まった時から人気の出そうな企画やなぁ、とは思ってたけどね・・・

出展されている絵画は玉石混交というか、有名なひともいればそうでもないひともいるし、
(素人目にみて)いい絵やな、ていうのと、凡庸な絵やな、てのが入り混じってる感じがした。
とまれ、絵の良し悪しとか、究極には鑑賞する個人の好き嫌いでもあるので、わたしにとってはそういう展覧会だったということだろう。
ただ、展覧会の元となった「怖い絵」の著者である中野京子氏が序文で
「動画などがなかった時代において、その「前」と「後」を感じさせる絵画は動いてみえただろう」て述べてらしたのがとても印象的だった。
1枚の絵からストーリーを読み取り、静止しているはずの場面が脳内で動く。
昔のひとびとがそういう心の動きを自然にしていたのだとしたら、それってすごくない?
動画をただ見るよりも脳は活発に動いていそうである。

絵画としては凡庸だと思った(あくまでも私見ですw)が印象に残ったもの
☆「ディアナとエンデュミオン」 作者不詳(ドイツ派)
ディアナ、てわりと好きな女神さまなのだが、こんなに自分勝手だとは知らなかった・・・眠り続ける美青年を眺めて満足する、てちょっと変態的よねハート
☆「ミズカルズの大蛇を殴ろうとするトール」 ヘンリー・ウェーズリ
北欧神話ってやっぱり面白いよなー、ちゃんと読んでみたいなー、て思いながらみてました。救いがなさそうなとこに惹かれる。
☆「クリオと子どもたち」 チャールズ・シムズ
シムズの身におこったことを知って胸が痛くなった作品。 

このひとが好き! この絵好き!
☆「飽食のセイレーン」「彼女」 ギュスターブ・アドルフ・モッサ
昔ネットでみかけてひとめ惚れした作品が来ていて感動した。 画集ほしい。
☆「章末飾り」 オーブリー・ビアズリー
ビアズリーの作品は精緻ですごいと思うのだけれど、ちょっと好みとは外れる。
でもこれは可愛かった。ふたりの道化たちによって、パフケースに埋葬されるサロメちゃんハート達(複数ハート)
☆「牢獄」シリーズ2点 ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージ
このひとも、昔ネットでみて衝撃を受け、画集を海外から取り寄せたひとで
たぶん本物を見たのは初めてなんじゃなかろうか・・・感動した。 
☆「ワインをたらふく飲む僕と君にこれらがなんだというのだ」 チャールズ・シムズ
☆「ペルシャザールの饗宴」 ジョン・マーティン
☆「チャールズ1世の幸福だった日々」 フレデリック・グッドール
シムズとマーティン、グッドールのこの3作は、ほんと単純に好きな系統でした。
☆「死の島」 マックス・リンガー
ベックリン?て思ったけど違った・・・・でも素敵だったよ。 ベックリンの模写だそう。
ジェリコーの「メデューサ号の筏」の模写も来てて、最初本物かと思ってびっくりしたww

絵画そのものは来ていなかったけど(参考資料はあった)、中野京子氏が〘怖い絵〙を書こうと思ったきっかけになったのは、ダヴィットが描いた刑場に連れていかれるマリー・アントワネットのスケッチだったという。
中野氏いわく、反王党派であったダヴィッドが王妃を全く美しくなく描いたことに衝撃をうけた(実際はどうであったかはともあれ、美しく描くも醜く描くも、ダヴィットには簡単なことだったろうから)からあったが、
その絵が悪意あるものだったにしろそうでなかったにしろ、ぴんと伸ばされた背筋にわたしはマリーの誇りを感じたし、最期までフランス王妃たらん、マリア・テレジアの娘として恥ずかしくない最期を、という彼女の矜持を感じたよ。

行った甲斐はあったし、一生懸命みてたらお迎えギリギリになったw

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