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2020年12月23日09:58

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女子高生は、未成年は、大人が守るべき存在だ

転載>この記事のリンク先は転載文の下に。

これはアラフォー2児の子育て中の私の世界観がある日突然ガラリと変わったお話です。

ひと昔前、老若男女が行き交うデパートで行われる個展が成人女性に女子高生の恰好をさせ、美脚フェティシズムを想起させる内容だったことで非難が集まり、私のタイムラインにも話題が回ってきました。

当時の私の感覚としては「成人女性がモデルなら問題無いのに何が問題なの?」「好きな人だけ見に行くんだから別にいいんじゃない?」と、どちらかと言えば批判に対してネガティブな感想を持っていました。

そこに、今となっては名前もわからない方の怒りのツイートが目に飛び込んで来ました。

「女子高生って大人が守るべき未成年でしょ! 何故大っぴらにデパートでエロ扱いするの!」

私は後ろから不意打ちで頭をブン殴られたようなショックを受けました。
それは、かつて女子高生だった私がかけられたことのない言葉だったからです。

批判者は気難しいPTAのおばさん的な、エロが嫌いな人だと思い込んでいた私。他人の子供を守りたくて子供を性的な扱いする大人に対して怒ってくれていたの?そんな親切な人いる?と驚きました。

同時に私の脳内に学生時代経験した大人達による性的搾取が走馬灯のように駆け巡ったのです。
当たり前のように存在していた女子高生への「目線」

小学生時代、おニャン子クラブというAKB48の元祖のような未成年アイドルグループが「セーラー服を脱がさないで」というモロに性を感じさせる歌で大人気でした。毎週買っていた少年誌には、主人公が女子の風呂を覗くシーンや、スカートの中が見える描写がお色気シーンとして描かれていて、私もそういうものとして受け入れていました。

中学時代、電車通学を始めた初日、満員電車の狛犬ゾーンに押し込められた私は露出魔に遭いました。身体が硬直して声が出ず、逃げ場の無い恐怖で見上げた時に目が合ったサラリーマンのにやけ顔は今でも忘れられません。クラス全員が自己紹介をする初日、たった3時間授業だったのにショックで気持ち悪くなって保健室で寝込み、保健の先生から同情されつつ2時間目には早退しました。

高校時代、ワイドショーでブルマや女子の制服を売買するブルセラショップや援助交際の話題が持ちきりでした。コギャルと呼ばれる女子高生ファッションが持て囃され、自由闊達な女子高生の姿が社会現象としてゴールデンタイムに何度も流されました。その様子は一見とてもパワフルで時には先進的と肯定的に映され「流行は女子高生が作る」とまで言われていました。

そんな派手な女子高生の流行りには全く乗れてない黒髪色白眼鏡の地味な女子高生の私にバイト先の店長が援助交際を持ちかけてきた時、痴漢に遭った時と同じような精神状態に陥り、バイト先が一切心許せる場所ではなくなりました。また具合を悪くして仲良しのバイトの女性先輩にだけ理由を伝えて即日辞めました。
「女子高生としての価値」を植え付けられた

18歳を超えてアダルトサイトを見るようになると、ジャンル一覧に「JK」「援交」「痴漢」等の言葉が並んでいて、過去何も知らなかった私が一方的に大人達から受けて来た扱いはこういうことかと理解させられました。

これらの体験の数々が私に「女子高生は世間的に性的な価値が高い」という感覚を植え付けていたのだと気付かされました。そして「女子高生は守られるべき未成年」という言葉に、既におばさんな私の中に存在し続けていた「大人から守られなかった子供の私」が初めて声をあげて泣いたような感覚に陥ったのでした。

ニュースで幼児の虐待、誘拐、性的暴行事件を見るたびに我が子で想像して怒りに震えている私が、女子高生に関してはどこか遠い存在で守るべき未成年と見ることができていなかったとその時理解しました。

女子高生時代の自分を思い返せば笑ってしまうほど子供だったのにおかしな話です。メディアコンテンツの影響力の強さというものをその時身に染みて感じました。
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認知の歪みを紐解く

そこからの私は認知の歪みを改めて紐解く作業が必要でした。「女子高生」という多くの女性が通過する時期が世間から高級ブランドのような扱いをされている異常さに気付けなかった原因について。

漫画やアニメで覗きやスカートめくりという犯罪行為をお色気ギャグという口当たり柔らかな糖衣に包まれた状態で見続けているうちに「女は性加害をされても怒って相手を殴ってハイおしまい。あとは今まで通りの関係性に元通り」というような雑な感覚を育てており、現実で性加害に遭うと恐怖で硬直したり、ショックを受けて体調が悪くなったり、二度と加害者に同じ感覚では接することは出来ないなんてことは自分が実際に被害を受けるまで理解できていませんでした。

私にとって遠い世界のキラキラした存在のアイドルが、美しさや可愛さやエロさを美術品のように一方的に消費しても良い存在としてお茶の間に提供されていた影響で、メディアで似たような扱いをされる女子高生をコンテンツとして楽しむことに対して違和感を抱けませんでした。

そこに当の女子高生がどう感じるかというような感覚はスッポリ抜け落ちていました。
社会ぐるみの搾取構造にショックを受けて

「コンテンツとして楽しんでいるだけで実在人物に手を出していないから問題無い」という理屈は消費する側の身勝手な言い分で、消費される側から見れば自分をコンテンツ消費する人間は地続きで現実世界に存在しているから、自属性を公にエロ扱いする人を見るたび「自分もそういう目で見られる可能性」を実際に受けた性被害体験と共に強制的に意識させられるということも自分が女子高生になってから初めてわかりました。

何度も性的な扱いを受けるうちに麻痺して諦め、開き直って武器にする人が出てきて、それを女性の自由意志と男性が持て囃し、若く美しい時期のみ持ち上げられつつ搾取される構造や、その構造を批判する人が開き直った女性と男性に嘲笑されるというパターンもあると知った時は根の深さに驚きました。

女性自らが自分の容姿を客体化し、それがまるで完全なる女性の自由意志であるかのように提示されるコンテンツがこうして生まれることも知りました。

女の私すらこんなに認知を歪まされた程の影響力なら立ち位置の変わらない男性が気付くなんて無理では?と、社会ぐるみの搾取構造に眩暈がしました。一体どこから変えれば良いのだろう?と。

ショックは隠せず、さりとて知らないまま生きていたほうが良かったとは到底思えませんでした。

これが、私がフェミニズムを意識し始めたきっかけです。あの時の未成年を守ろうとしてくれた方、ありがとうございます。おかげ様で未成年時代の私が救われ、私もまた未成年を守りたい大人になることができ、こうして筆を執るまでに至っています。

かつて女子高生だったおばさんの体験談が1人でも多くの人の目に留まり「女子高生は、未成年は、大人が守るべき存在だ」と気付く人が少しでも増えてくれることを願っています。

以上、こちらからの転載。
https://sisterleemag.medium.com/%E4%B8%8D%E6%84%8F%E6%89%93%E3%81%A1%E3%81%A7%E9%A0%AD%E3%82%92%E6%AE%B4%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AA%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%92-%E7%A7%81%E3%81%8C%E5%A5%B3%E5%AD%90%E9%AB%98%E7%94%9F%E3%81%B8%E3%81%AE%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E3%81%AE%E6%AD%AA%E3%81%BF%E3%81%AB%E6%B0%97%E3%81%A5%E3%81%84%E3%81%9F%E3%81%A8%E3%81%8D-e53618686f43


■わいせつ教員の懲戒処分273人 半数が児童に対して
(朝日新聞デジタル - 12月22日 20:01)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6352549
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