今回は2019年ベスト・アルバム:アイドルということで。
ここではミニ・アルバムも含んである。
これがシングルに次いで難産だった。
僕の中ではアイドル物が最も充実していた一年だったかも知れない。
次点としてはアクアノート、Carry Loose、フィロソフィーのダンス、PEDRO、ゆいざらす、ゆくえしれずつれづれ などがあった。
1位:ぐるぐるチューンズ/グーグールル
昨年知ることが出来たアイドル・グループの中で、断トツに惹かれた一組。
これは彼女たちのデビュー・アルバムで、残念ながらシングルトップ10で2位に入れた「回路」はここには収録されていないけれど、そんな「回路」に勝るとも劣らない楽曲で埋め尽くされている。
妙にクールで落ち着いているようで、その薄氷の下に秘めたエモさとエロさはかなりの高次元。
「ニュー・ウェイヴ」なんて古臭い単語を思い浮かべたりもする。
ベースが結構目立つ曲が多いのは、サウンド・プロデューサーの福井シンリがベーシスト出身だからだろうか。
柳沢あやのはBELLRING少女ハート時代から知っていたけれど、ここまで魅力的だとは思わなかった。
推しメンの一人となった八屋ほのかが現在活動休止中ってのがちょっと残念。
2位:i/鈴木愛理
多分令和2年になって最初に好きになったアイドル。
勿論℃-uteやBuono!は知っていたし、℃-uteは結構好きでシングル全集のボックスや同じくシングル曲のMVを集めたBlu-rayなんかは所有していたのだが、「え、鈴木愛理ってこんなに魅力的だったっけ」と思い知らされたのは、年末年始に放送された「カウントダウンTVライヴ」を見てから。
森田ひかるがセンターを任された「黒い羊」を見て「おお、こりゃ凄い凄い!」と喜んでいたのもつかのま、そんな興奮を鈴木愛理のパフォーマンスが全部一人で持って行ってしまった、って印象。
ちなみに森田ひかるの「黒い羊」も充分に良かったし、欅坂2期生は僕の中では大ブレイクしているし、そんな中でも森田ひかるは別格だし(何しろ僕と誕生日が一緒!)平手の次のセンターはもしかしたら森田かも、なんて予感もしている(僕の予感はよくはずれます!)。
閑話休題。
なにはともあれ、たった1曲のテレビのパフォーマンスだけで、改めて鈴木愛理の魅力にぞっこんになってしまったわけである。
今までに「この子のダンス、魅せられるなぁ」と思わせてくれたアイドルは何人かいる。
例えば木崎ゆりあとか東村めい、齋藤飛鳥などだけれど、この鈴木愛理のダンスもとんでもなく魅力的。
「なにをいまさら」と言われそうだけれど、いまさらジュデイ・オング……違った……いまさら魅せられてなんだから仕方ないじゃないか!
3位:World Fragment Tour/sora tob sakana
sora tob sakana の目下の所の最新シングル「flash」はマイミクさんの間ではすこぶる評判が良い。
僕一人が「酷い船酔いに襲われたような気分になった」なんてことを書いているので、すこぶる肩身が狭い。
そんな僕にとってはこのシングルの前、4人体制での最後となったこのアルバムはすこぶる大好きな1枚。
外部からの楽曲提供が初めてあったことも、大好きになった一因かも知れない。
「あらあらアラビック」な要素も入った「knock!knock!」やコラージュ的な手法を用いた「暇」、いかにも照井順政らしい「FASHION」、ボ・ディドリー風のジャングル・ビートの軽快な「嘘つき達に暇はない」と好きな曲が並んでいるのだが、なんといってもラストの「WALK」が僕にとってはそれこそすこぶる大名曲。
もしシングルの表題曲以外で「楽曲ベスト10」なんてのを選んだら、この「WALK」とベビーシッターの「夢への途中」で1位を争っていたかも知れない。
4位:Hugdreamy Horoscope/星歴13夜
昨年はコドモメンタル所属の一連のグループにも心惹かれた。
その中でも最初に聴いたのが、この星歴13夜のアルバムだった。
この手の音楽って、一昔前だったら絶対に聴かなかった。
聴く前に拒否反応を起こしていたからなのだが、何故かこのアルバムはスーっと入ってきて、いつの間にか隣に座って「ねぇねぇ遊ぼうよ、お兄ちゃん!」と誘われていた……そんな感じ。
単なる聴かず嫌いだったのか、趣味趣向が変わったのか判らないけれど、この手の音楽に面白みを感じてしまった。
ちなみに、僕はお兄ちゃんじゃなくておじさんである……ブツブツ。
そうなると、後はもう怒涛の如くこの手の音楽が流れ込んできた訳だ。
特にコドモメンタルなんてこの手の音楽の宝庫だから、中毒になるのにそんなに時間はかからなかった。
ちなみに「この手」の音楽って、どういうジャンルになるのだろう。
誰か教えて!
5位:The Both Sides Of The Bloom/xoxo(Kiss&Hug) EXTREME
アイドルもここまで来たのか、ってのが第一印象。
プログレをやるアイドル、ということで、僕が初めて見たMVはマグマのカヴァーで、次にマイミクさんに教えてもらったMVはクリムゾンのカヴァーで、初めて聴いたミニ・アルバムの冒頭の曲はアネクドテンのカヴァーだった。
隙間産業ここに極まれり、って印象もあるのだけれど、ある種「怖い物見たさ」でこのアルバムを聴いてみたら、あらあら奥様、気持ちよく聴けるじゃあーりませんか!
これには自分でもかなりビックリ。
もっともっとゲテモノっぽいのかとも思っていたし、アイドルとプログレなんて水と油で乖離しまくってるんじゃないかと想像していたので、本当に嬉しく裏切られた気分。
真のプログレッシャーとは呼べない程度の知識とリスナー経験しかない僕でも「あ、これはあのバンドのあれだな、あ、これはこの曲のこれだな」という宝探し的な面白さもある。
プログレとしての気持ち良さやダイナミックさもあるし、「初恋の通り道」なんてアイドルらしい可愛らしくて清楚な楽曲もあり、それらが違和感なく収められている。
意外性という意味では昨年一番の収穫だったかもしれない。
6位:今が思い出になるまで (Type-A)/乃木坂46
坂道です。
王道ですかね。
「逃げ水」は他の乃木坂ファンからはあまり評判良くないみたいだけど、僕はとてもとても大好きな曲。
「いつかできるから今日できる」や「ジコチューで行こう!」「帰り道は遠回りしたくなる」といった一連のシングルもなんだかんだでよく聴いたし、新曲の「ありがちな恋愛」もいい。
Type-A を選んだのは「スカウトマン」が収録されているから。
AKB48のヘビロテやフォーチュン・クッキー並のヒット曲がない、とよく言われているけれど、僕としてはこれだけ好きな曲を提供してくれるのだから、それだけでもいいじゃん、と思えるのだけれど、やはりそうはいかないのだろうなぁ。
7位:CARROTS and STiCKS/BiSH
一時期に比べてBiSH への入れ込み具合が弱くなってきた。
色々なアイドル・グループを知ることが出来て、「ああ、あれもこれも面白いじゃん」と自分の中で多様性が拡がったこともあるけれど、BiSH 自身、ちょっとどん詰まり感があるように思えてくる。
本来ならもっと上位に置いてもいいんじゃないかな、とも思ったのだけれど、自分に正直になるとこの7位辺りが上限かな、と。
決して嫌いになった訳ではないのだけれど、これからどう展開していくのか、楽しみなようでもあり、不安なようでもあり、変に愛憎入り混じったりしている。
8位:或夢命/ぜんぶ君のせいだ。
これまたコドモメンタルのグループ。
星歴13夜がこじ開けた穴から、ドドドーっと流れ込んできた内の一組。
他にゆくえしれずつれづれや、ベストシングルで3位に入れたKAQRIYOTERROR、ちょっと他とは毛色が違うけれど少年がミルク、なんかが一気になだれ込んできた。
このぜんぶ君のせいだ。はコドモメンタルの中でも最もキャリアが長いアイドル・グループになるのかな。
それと今注目しているのがこのぜんぶ君のせいだ。のましろがヴォーカルを務めるマオエニア。
まだCDのリリースはないけれど、今年どんな活動をするのか楽しみにしている。
9位:LOLLIPOP SIXTEEN/SOLEIL
残念ながら昨年の12月22日のライヴをもって活動休止に入ってしまったSOLEIL。
今までに3枚のアルバム(すべてモノラル)と、1st と 2nd をステレオ化した2in1のアルバムの計4枚をリリース。
このLOLLIPOP SIXTEENは3rdアルバムで今のところラスト・アルバムでモノラル。
そういえば以前の日記に「これから先のSOLEILの活動がどうなるのか、老婆心ながらにも少し心配になったりもする」なんて書いたのだけれど、奇しくもそんな予感が当たってしまったことになる……シクシク。
10位:海と宇宙の子供たち/Maison book girl
なんだかんだでメゾン。
シングルトップ10でも10位ギリギリにランクインさせたんだけど、アルバムもギリギリ。
決して嫌いになった訳でも興味が薄れた訳でもないのだけれど、他のアイドルの台頭が激しかったから。
昨年のMaison book girl の印象を一言で表すと「安定」かな、なんて思っている(勿論いい意味で)。
他には目もくれず着実に我が道を歩いているように思える。
実に頼もしいし、僕がきちんと注目しなくてもいいんじゃね、ってくらいに充実していたと思う(偉そうな書き方だ)。
だからといって「ちょっと他のアイドルに色目使ってもいいでしょ?」と思っている訳ではありません……ホントダヨ。
愛理ちゃんが2位ですか、、それも「カウントダウンTVライヴ」のLIVE映像で!。でもアレ、良かったですね。
何もアムロちゃんの幻影を追うことはない、、と個人的な思いもありましたが、これは愛理らしいナチュラルウェーブで乗って歌う姿に、「そうそう、これからこれで行こうよ。」と思いました。
あ、オサカナに星暦が突き上げて肉薄している!。あのキスエクに 乃木坂、BiSHまでもが下へ抑え込まれ、、。あっ!、またコドモメンタル + それいゆちゃんが入ってる!!。なにか新興勢力組が、、。笑
オサカナに関しては、ドノバンさんはアルバム単位の「点」じゃなくて、「点」を結んだ「線」としてきちんとクロノジカルに聴かれている、ってことだと思います。僕もある程度は「線」で聴くべきだと思っているのですが、やはり「このアルバム」単位で聴いてしまう。まぁ、それが良い悪いってことじゃないかと思ってもいますが。
あとは「ファーストの熱量みたいなものは確実に減少」したことによって、得た要素もあるかな、と思っています。ドノバンさんもこの点に関してはきちんと書かれていますよね。後は支払われた代償を残念に思うか、代償と引き換えに得た物を良しとするか、これもどちらが良い悪いではなくて、物事のどちらの側面を見るか、ってことになるかも知れないですね。コップに半分の水が入っていて「まだ半分ある」と思うか「もう半分しかない」と思うか、ってことなのかなと。
キスエクに関しては、これはもう現場を知っているドノバンさんにはかなわない(苦笑)。僕みたいにフィジカル・メディア・オンリーで追いかけているファンとしては、「プログレの知識がほぼゼロに近いTHEアイドルのめるたんがグループの中心に居たことによるロックとの化学反応だったのではないか」という点は多分見えてこない。これは現場のステージなりパフォーマンスなり雰囲気なりを実際に自分の肌で感じとらないと判らない要素だと思います。映像作品を観れば少しは判るのかなぁ。少なくともCDの音だけを聴いていたとしても、僕としては凄く魅力的なアイドル・グループに違いはないです。
グーグールルは僕の中では今は断トツですね。最も現場を体験してみたいグループなので「グーグールルの現場はパフォーマンスと楽曲の相乗効果が楽しいです」とか書かれちゃうと、もうウズウズしてきますw。
「カウントダウンTVライヴ」の鈴木愛理は本当に良かったです。見逃さなくて良かったって心底思ってます。「ナチュラルウェーブで乗って歌う姿」まさにその通りで、そんな姿に魅了されたのだと思っています。
んでもって新興勢力!
そうなんですよ、以前からドノバンさんとかにアイドルは教えてもらっていた。まぁ、ドノバンさんの場合、僕のプログレの師匠でもあるのですが。そこにワンダ−ソリトンさんが加わって、色々と紹介してきた。だから新興勢力の台頭というのはまさに「ぜんぶ君のせいだ。」ってワンダ−ソリトンさんに叫ぶことなんですねw。本当に好きになるグループが一杯増えてきて、嬉しい悲鳴を上げています。あ、お財布も悲鳴をあげていますが(汗)。
グーグールルはまさにそんな感じです。僕が想像していた以上にクオリティは高かった。今一番はまっているのがこのグーグールルです。
「光の方へ」は実は鈴木愛理のファンになってから知りました。赤い公園のCDには収録されていなかったもので。映像とか見ると、楽曲はまさに「赤い公園」なんだけど、鈴木愛理のヴォーカルが入ると「赤い公園」とはちょっと違ったものになる。これなんか鈴木愛理の凄さも感じるし、佐藤千明って本当に素晴らしかったんだなぁ、と再認識できるし、それ以上に「石野理子頑張れ!」って思えてきます。石野理子、頑張ってますよね!
んでもって星暦13夜も気になっておられたのですか。そういえば「ぜんぶ君のせいだ。」も好きだって仰っていたので、コドモメンタル系の同士、ということで認定しちゃいますけどww。なにしろ僕はあこぎですからw。
メゾンに関しては「クールでスタイリッシュな感じから、オーガニックでエモーショナルになってきている」って表現が鋭いですね。僕が安易に「安定」なんて一言で済まそうとした要素を実に的確に表現して下さったように思っています。
全部、ボクのせいなんですか?。
いやいやいや。きっかけがあってもスキになるかは別ですから、基本的にアイドルに対するキャパシティが、聖者山田さん3号さんがとても広いからだと思います。
グーグールルの次が鈴木愛理ってことでもわかります。
これは結構稀有なコトですよ。マニアとかヲタクは偏屈で嗜好性がきわめて狭いものですから。
ボクの場合、もともとの資質もありますが、意図的にアイドルを見始めたので、とにかく嗜好性を狭くするのはもったいない!って感覚ですね。一応便宜的に分けてますが、心情的には基本、メジャー系もマイナー系もないです。厳密にどこが境界かもわからないしね。だから坂道とグーグールルとそれいゆちゃんが混在するチャートは楽しいです。
うーん、キャパシティが広いというよりも、好きになるツボが浅いのかも知れないですね。ただ「とにかく嗜好性を狭くするのはもったいない」というのは僕も常に思っていることです。以前はかなりこだわりを強く持って「あれはダメ、これは聴かない」という態度だったのですが、今はあえていえば「こだわりを持たないことがこだわり」という考えに変わってきています。アイドルに限らず色々な音楽をニュートラルな気持ちでまずは受け入れてみよう、というところです。
僕の目から見れば、ワンダ−ソリトンさんのキャパもとても広いですよね。ワンダ−ソリトンさんに限らず、僕のところのマイミクさんって色々な音楽が愛せる、キャパの広い人が多いかと思っています。