American Music Volume 7

グルーポ・ファンタスマの「American Music Volume 7」を聴いた。
グルーポ・ファンタスマとは2000年にテキサス州オースティンで結成されたバンド。
以前はテックス＝メックス(テキサスとメキシコを掛け合せた造語)と言われ、今はテハーノ・ロックと呼ばれている音楽を演奏している。
とは言っても、テハーノ・ロックって実はよく分からないし、多分それだけに限定されない、もっと幅広い音楽のミクスチュアー・バンドだろうな、という印象。

ここで言う「American Music」とはアメリカ合衆国をメインとする北アメリカということではなく、南北アメリカやそれを取り巻く汎アメリカ音楽を指しての「America」になっている。
曲によってはリトル・フィートを想起させたり、ヒップ・ホップやラップ、ファンク、R&Bの影響も見られるが、それ以外に、というかそれ以上にラテン、サルサ、クンビア(コロンビアの大衆音楽)、マリアッチ(メキシコの大衆音楽）、チーチャ(ペルーの大衆音楽)等からの影響を強く感じる。
また、アナドル・ロック(ターキッシュ・サイケデリア)から影響を受けたギターの音色を使用したり、バングラ・ビートの影響を受け、インドの太鼓であるドール・ドラムが使用されたりと、「アメリカ」に限定されないエレメントを組み込んでもいる。

現在はホーン3名を含めた9人の大所帯バンドになっており、タイトなリズムとメリハリの効いたキビキビしたホーン・セクション、各種パーカッションのポリリズムに、甘くも力強いボーカルとハーモニー等を聴くことが出来る。
映像を見ると、あまりパっとしないおじさんの集団って感じなのだけれど、一旦演奏が始まると自然と体がリズムに乗って動いてしまい、始終ご機嫌な時間を過ごすことが出来る。
グラミーのラテン部門の受賞もあるということなので、もっともっとこういうバンドが日本でも人気が出てくればなぁ、と思っているのだが（無理かなぁ……）。

The Wall/Grupo Fantasma
＊「The Wall」とはトランプ大統領が訴えているアメリカとメキシコの国境を隔てる「壁」のこと。

L.T./Grupo Fantasma

Cuidado/Grupo Fantasma

Hot Sauce/Grupo Fantasma

El Fugitivo/Grupo Fantasma