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2019年12月20日10:28

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Thanks For The Dance

レナード・コーエンの「Thanks For The Dance」を聴いた。
レナード・コーエンとはカナダの詩人、小説家、そしてシンガー・ソング・ライターである。

この「Thanks For The Dance」は彼にとって15枚目のスタジオ録音作。
とはいっても残念ながらレナード自身は2016年11月7日に亡くなっている。
享年82歳。
亡くなる直前に14枚目のアルバム「You Want It Darker」をリリース。
そのアルバムのリリース直後に亡くなったことになるが、その「You Want It Darker」完成後にはすでに次のアルバムの構成を思い描いていたという。
そして簡単な演奏のみでレナードはヴォーカルだけを録音し、息子のアダム・コーエンに後を託した。
アダムは「父ならこうするだろう」という意思を継いでミュージシャンを集め、バックの演奏を完成させた。
演奏者にはダニエル・ラノアやベックの名前もある。

殆どの楽曲が「歌唱」というよりは、ドスの聴いた低音声による詩の朗読のような形になっている。
そういえば前作の「You Want It Darker」も似たような作りだった。
となると、中心になるのはやはりレナードの詩の内容になるのだけれど、ところどころに自分の死を覚悟していたと思われるフレーズが存在する。
「私は再び落下している でも私一人ではない 魂の収支決算がついに完了した 貸借表はゴミ箱へ」
「私は山頂までは行けない 世界の機構は壊れている 私が生きているのはクスリのおかげ そのことは神に感謝している」
「私はまったく躊躇しなかった 洪水が箱舟に勝つと賭けるのに だって、知っていたから 心に起こることの結末を」
等々。
勿論、そこのパートだけを書き出しただけで、前後の詩の内容を吟味すれば、また違った意味合いにはなると思うのだけれど、それでもこれらの詩は、レナード自身の低音による朗読と、暗く澄んだ川の流れのように静かに響く演奏と相まって、彼自身による彼自身の魂を鎮めるためのレクイエムのように聴こえてくる。

たった9曲、全部で30分にも満たないアルバムだし、限定盤でもあるため、多くの人の耳に届くこともないであろうアルバムでもある。
もっともレナード・コーヘンの日本での知名度を考えれば、元からセールスはあまり期待できないけれど。
それでも、このアルバムには一人の偉大なるアーティストの最期の想いが(未完ではあるけれど)いっぱい詰まった非常に重たいアルバムである。

今年の9月、カナダではレナード・コーエンの記念切手が3種類発行されたそうである。

Thanks for the Dance/Leonard Cohen

以下は本アルバム収録曲ではなく、彼の代表作を張り付けてあります。
Bird on the Wire/Leonard Cohen

Dance Me to the End of Love/Leonard Cohen

Hallelujah/Leonard Cohen

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コメント

  • mixiユーザー

    mixiユーザー2019年12月20日 19:36
    レナード・コーエンって亡くなった時、借金が結構あったんじゃなかったですかね。当時、そんなこと読んだ気がします。
    だから、お仕事辞めるわけにいかなくって、朗読しなきゃいけなかったのかな。
    ハレルヤだけ知ってました。大勢の人がカヴァーして、カヴァーからオリジナルは誰だって売れたんですよね。
    息子さんが借金で困ってらっしゃらないように、祈ってます。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2019年12月20日 23:00
    やはり声の説得力が半端ないですね。特にファンではないですけど、それでもアーティストとして破格であることは、嫌でも思い知らされます。借金を残したまま亡くなったというのも、本人には申し訳ないけど、「らしい」と感じてしまいます。そう決めつけるのは早計なのかもしれませんが。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2019年12月21日 08:09
    昔から語るように歌うイメージで、晩年も渋くなっているだけで基本は変わらないですね。。ファンほどじゃないので軽薄な感想ですが、この人の歌を聴くと、ジョルジュ ムスタキを思い出します。もっと優しい歌い方ですが、語るように歌う人で連想してしまいます。ムスタキは比較的若くして亡くなってしまいましたが。

    レナード・コーエン、、誰か忘れましたが、どちらかのツァーに同行したミュージシャンのインタビューで、ホテル前の朝の屋台で、ジャニス・ジョプリンと偶然、居合わせて、いい雰囲気になりかけた時に店員が二人の間にハンバーガーの大きな皿をドンと置いて、台無しになったとかの話。そんなたわいのない話を憶えています。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2019年12月21日 18:10
    > mixiユーザー 
    あらま、そんな噂があったんですか、全然知らなかった(汗)。
    「ハレルヤ」は多分ジェフ・バックリーがカヴァーしたのが一番有名かと。
    彼がカヴァーしてくれたおかげで、この曲の存在が知れ渡ったって感じで、もしかしたらレナードのオリジナルよりも有名かも知れないですね。

    Hallelujah/Jeff Buckley
    *日本語の翻訳映像があったので。
    https://www.youtube.com/watch?v=jaT6p6tIPkE
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2019年12月21日 18:10
    > mixiユーザー 
    声の説得力はもう断然に凄いなぁと思います。
    特に晩年になってからは、もうドスが効き過ぎてって感じもしますし、いぶし銀って言葉が似合いそうでもあります。
    借金に関しては僕は全然知らなかったので、とりあえず調べてみますね。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2019年12月21日 18:11
    > mixiユーザー 
    ジョルジュ・ムスタキ! これまた懐かしい名前をw。
    まぁ数曲しか知らないので「懐かしい」なんていっても説得力はないですが。

    レナードとジャニスのそのエピソードは知らなかったのですが、この二人が出来ていた、というか関係を持ったのは事実です。
    レナードの曲で「Chelsea Hotel#2」ってのがあるのですが、これ実はチェルシーホテルでレナードとジャニスが関係を持った時の歌だ、ということをレナード自身が後年になってインタビューで告白してます。
    かなり赤裸々な歌詞のようです。
    レナードはジャニスのことを知らなかったらしく、またジャニスも「実は私はクリス・クリストファーソンを探していたのよ」なんて冷めたことを言っていたようです。

    Chelsea Hotel#2/Leonard Cohen
    https://www.youtube.com/watch?time_continue=180&v=Dx11oNHPDrA&feature=emb_title
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2019年12月28日 06:57
    > mixiユーザー 
    なるほどそんな逸話が二人にあったのですね。
    読んだ関係者のインタビューはChelsea Hotelの“事後“の朝の話かも。そう考えるとスリリング。お互い素性を知らずに別れる。(ジャニスは知っていたかも、ですが。)
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2019年12月28日 09:53
    > mixiユーザー 
    ああ、そうかも知れないですね。一夜の逢瀬の後の何とも言えない雰囲気だったのかも。
    ちなみにレナード自身はこの曲を作ったことを少しばかり反省しているようです。「幽霊に謝りたい」なんて発言もしてました(ジャニスはもう他界してたんですね)。その割にコンサートではしょっちゅう歌っているんですよねw。

mixiユーザー

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