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2019年12月14日09:48

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ヤプーズの不審な行動 令和元年

ヤプーズの「ヤプーズの不審な行動 令和元年」を聴いた。
2003年にリリースされた「CD-Y」は1999年に行われたライヴ会場、及びネット上でのみの販売だったものを、正規のルートでリリースし直したものなので、実質的には1995年の「HYS」以来の新作、ということになるのかな。
1995年には「ヤプーズの不審な行動」というアルバムをリリースしているから、それの令和盤にでもなるのだろうか。
そういえば戸川純には「昭和享年」なんてソロ・アルバムもあった。

そんな戸川純の「歌手活動40周年記念盤」としてリリースされたのがこの「ヤプーズの不審な行動 令和元年」。
スタジオ・レコーディングによる新曲2曲と、2019年8月17日に渋谷の「CLUB QUATTRO」で行われたライヴ6曲で構成されている。
新曲2曲の内の1曲は、戸川純が詩を提供して声優の宮村優子が歌った「12才の旗」のセルフ・カヴァーになっている。
ヤプーズ自体は2006年に新宿ロフト30周年記念公演で再結成しているので、バンドとしては13年振りの再結成となる。

今回のヤプーズ再結成は元々はギタリストの石塚“BERA”伯広の呼びかけがきっかけだったとのこと。
元筋肉少女帯のメンバーで、数年前から戸川純のソロ・ライヴにギタリストとして参加していた。
その彼が「来年、このバンドで1枚出そうよ」と昨年から言っており、「このバンド」のメンバーの多くが元ヤプーズだったので、これが再結成のきっかけになった。
その再結成発起人でもある石塚“BERA”伯広は残念ながら今年の2月26日、再結成を前にして亡くなった。
どうやら交通事故だったらしい。
「CLUB QUATTRO」でのライヴには参加できなかった彼だが、「好き好き大好き」の演奏には「石塚“BERA”伯広」のクレジットも記載されており、生前の彼のプレイがきちんと残されている。

前置きが長くなってしまった……汗。

去年リリースされた「戸川純 avec おおくぼけい」では、低音でドスの効いた声におおくぼけいのアヴァンギャルドなピアノが絡んできて、異様というか所々に恐怖すら覚えるような歌唱で、それはそれで凄い世界を展開してくれていたのだけれど、今作のライヴでは「戸川純」からイメージされる状態に戻ってきている印象。
ロリ声やパンク声、オペラ声、と色々と声を使い分けてシアトリカルに歌っている。
まぁ、若かりし頃の歌声と比べてしまうと、正直見劣りはしてしまうのだけれど、それでも現役である現在の戸川純の姿をきちんと伝えているように感じる。

腰の調子も完璧ではないようで、坐ったり立ったりのステージングだったようだし、ところどころ疲労が見える場面もあるのだけれど、今はとにかくヤプーズ復活が喜ばしい。
新曲「孤独の男」もこれからのヤプーズを占うような、ちょっと無機質で冷たい感じの曲調。
ここでの戸川純の歌声はスタジオということもあり、かなり調子が良い感じ。
もう1曲のセルフ・カヴァー「12歳の旗」は日本風でもありレゲエ風でもあり、ここでの戸川純の歌声も全盛期に近いところまできている。
ちなみに「12歳の旗」って初潮の歌なんですよね……男にはようわからん。

僕はこのCDをタワー・レコードで買ったのだけれど、特典として本編には収録されていない同日のライヴ「ロリータ108号」「パンク蛹化の女」が収録されているCDが付いてきた。
これって結構お得(ディスク・ユニオンでも特典として付けている模様)。
でも、なんで本編に収録しなかったんだろう……販売戦略なのかな。

これから先、ヤプーズが継続して活動していくのかはわからない。
戸川純の体調も気になる。
出来れば、少しずつでもいいので、その歌声を聴かせ続けて欲しいと願っている。

*このアルバムからの映像がなかったので、関連ありそうな映像を貼っておきます。

12歳の旗/宮村優子

好き好き大好き/戸川純

赤い戦車/ヤプーズ

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